紫外線対策は酒さよう皮膚炎にとって非常に大事です。皮膚疾患ををお持ちの方はもちろん、美容に気を使う方ほど紫外線を防ごうとしますよね。
酒さや酒さ様皮膚炎では肌を痛めない事を前提に取り組んでいくしかありませんが、紫外線は症状の悪化因子の代表的なものです。
とはいえ、酒さ様皮膚炎の肌は何かを塗れる状態ではない場合も多くあります。
一般的な紫外線対策なら「日焼け止めを塗りましょう」で済むんですが、酒さ様皮膚炎の場合はそんな気軽な問題ではありません。
と、頭を抱えるような悩みを持つ事になります。
私も皮膚炎が発症してしまた直後の肌には何も塗れなかった事から同じように悩み、どうしたものかと日々悪戦苦闘してました。
今回はそんな自分の経験から、「日焼け止めを塗らずに紫外線から守る方法」をいくつかご紹介します。
もくじ
紫外線は酒さ様皮膚炎の悪化因子
実際の方法に入る前にまずは軽く事前知識のおさらいをします。
紫外線の事なんて世間で言われすぎていて私が詳しく解説する必要もないくらいですが、酒さ様皮膚炎という観点から少しだけ触れておきます。
紫外線は悪化因子の中でも最悪部類
悪化因子にも色々ありますが、とりあえずざっくり2つに大別します。
- 多くの人が悪化してしまう絶対に避けた方がいいもの
- 人によっては悪化因子とならず体質などによっては摂取しても良いもの
紫外線に関しては前者。絶対に避けた方がいい物質に入ります。アルコールと共に最悪部類の悪化因子です。下手したら最強です。
多くの方が紫外線で悪化すると感じており、その確率は81%にも。
美肌の観点からも紫外線は大敵だと言われていますし、酒さ様皮膚炎を患っている人の多くが紫外線を浴びると悪化することを実感しています。
どうして紫外線が肌に悪いのかは色々なところで解説されているのでここでは取り上げませんが、酒さ様皮膚炎の治療中には普段よりも紫外線に注意し、症状の悪化を防ぐ事が何よりも重要です。
悪化因子を取り除くことが治療の近道
実は酒さ様皮膚炎の治療中、特に初期の火傷をした様な炎症をおこしている場合、まず最優先すべきは炎症の悪化を防ぐことなのです。
ちょっと誤解が多い部分なのですが、肌の改善を促したり肌にいいものを取り入れたりするのは二の次です。
そしてその「悪化してしまう要素」に紫外線は大きな割合を占めます。
紫外線を浴びると健康な肌でも日焼けしますよね。それを酒さ様の肌に浴びていいか悪いか・・・。医学的な知識がなくても判断できますね。
日焼けで全てが台無しに
酒さ様皮膚炎発症中は皮膚が炎症を起こしています。「日に焼ける」という事は、炎症部位をさらに炎症させることになります。
炎症を抑えないといけないのに自ら炎症を促しているようなものです。
いくらいいものを身体に取り入れて生活習慣に気をつけた、まるで修行僧のような生活を心がけていても、一日強い日差しに当たれば数週間の努力などあっという間に台無しになります。
そのくらい「日に焼ける」という事は治療中の努力を無駄にする行為だと考えましょう。
肌に何も塗れない時の紫外線対策
紫外線は避けなきゃいけない物質。とにかく焼けるな。それは分かった。
じゃあ、どうするか。
ここが一番問題です。
発症直後の大火傷を起こしたような肌には、日焼け止めの成分が悪さをしないとは限りません。できれば何も塗りたくない、というか、塗れないのです。
塗りたくても塗れない、肌に何かを乗せるだけで真っ赤にかぶれてかゆくなる。酒さや酒さ様皮膚炎ではそんな事が多くあります。
世間一般で言われている紫外線対策(日焼け止め)ができないとなると、方法は物理防御か飲む日焼け止めしかありません。
塗る日焼け止めに比べると何とも心細いような気がしてしまいますが、物理防御やサプリを意識するだけで、ある程度の紫外線も防げます。
物理防御や体内からの抵抗を全くしないで塗る日焼け止めに頼るより、物理防御やサプリを徹底したほうが効率も良く防げます。
日焼け止めはつい安心してしまって塗り直さなかったりすることがしょっちゅう。塗りなおす時間がない時も多いです。
また、飲む日焼け止めは飲んでおくだけで全身に紫外線防止効果を期待できるサプリです。塗る日焼け止めのように2時間おきに塗りなおす手間もなく、塗り忘れの心配もありません。
飲む日焼け止め
飲む日焼け止めは一部の美容皮膚科でも取り入れられており、酒さの治療に用いている皮膚科もあります。
塗る日焼け止めと違って塗り忘れや塗り直しの手間がないことから、海外セレブを中心にブームとなりました。
美容意識の高い方だけでなく、肌に何も塗れないくらいに悪化してしまう皮膚疾患をお持ちの方にも使われています。
塗る日焼け止めと違って全身に効果があるため、日焼けによる肌色の違いなども軽減され、サンダル焼けや水着焼けも少なくなります。
但し飲む日焼け止めだけで100%の紫外線対策ができる訳ではありません。皮膚炎を発症しているような肌ではなおさら、後述する物理ガードも併用して行っていきましょう。
屋外での紫外線対策
帽子
まずは帽子です。UVカット機能がついた、つばの広い帽子がいいです。
最近は帽子にもUVカット機能が施されています。美容意識の高い人たちは総じて日焼けをしたがらないので、UVカット帽子でもおしゃれなものがたくさんあります。ありがたい事です。
日傘
日傘はかなり紫外線をカットしてくれます。普通の日傘でも何もしないよりよっぽどいいですが、UVカット機能が施された日傘なんかも売ってます。
帽子にも共通して言える事ですが、日差しには照り返しがあります。日傘をさして上からの紫外線はガードできていても、照り返しによる下からの紫外線は意外とガードできていないのです。
これを防御する手段としても、日焼け止めを塗りましょうって話になっちゃうのですが、今回は日焼け止めを塗れない時のお話。
マスクやファンデーションなどでの防御が考えられますが、日焼け止めが塗れない肌にはファンデーションも避けた方が無難でしょうね。飲む日焼け止めなら、照り返しダメージにも効果はありますので上手く取り入れましょう。
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マスク
マスクは紫外線の物理防御としてだけでなく、顔を隠せるという意味でも良く使います。私はかなりお世話になった隠れ最強アイテムです。
マスクでかぶれてしまう事もあるので、つけっぱなしにはできない人もいるのですが、それでも日差しが強い時だけ、や外出時だけなどのようにメリハリをつける事もできます。
ちなみにUVカット機能が施されたマスクなんてのが売ってます。普通のマスクより高いですが、日焼け止めを塗れない以上購入する価値は十分にあります。
但し、高いからと言って何日もつけっぱなしにするくらいなら安いものを使い捨ての方がマシです。マスクは毎日変えましょう。
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サンバイザー
帽子では物足りない場合にはサンバイザー。
どこかのヒーローものに出てきそうな見た目ですが、視界を遮らずに顔を覆えます。隙間はあるのでどうしても紫外線は入りますが、普通の帽子と比べるとガードできる範囲はとても広いです。
見た目的に問題があるので、使える場所が限られます。後述するフェイスワンピと同時につければ防御効果だけなら最高。
フェイスワンピ、フェイスカバー
口周りから首まで覆えるフェイスワンピがあります。フェイスカバーやフェイスマスクなど色々な名前で呼ばれています。
紫外線対策が目的ですので、きちんとUV加工を施した布を使用しているメーカーが多いです。
隠密行動をしている忍者みたいになりますが、顔の下半分のUVカット効果はかなり期待できます。
見た目が怪しいのでどこにでもつけていけるわけじゃないのが玉に傷。また、蒸れてしまって酒さや酒さ様皮膚炎の症状が悪化する事もあります。
衣類のUVカットスプレー
衣類に吹きかけて使えるタイプのUVカットスプレーです。
帽子のつばやマスクなどに吹きかけておくことによって、ワンランク上の紫外線防御ができます。
特にマスクやフェイスオンワンピの布部分に吹き付ければ、かなりの安心感が。布だけでは心もとない紫外線対策も、スプレーでかなり強化できます。
サングラス
サングラスもUVカット機能ついたものが安価で売られていますね。
酒さ様皮膚炎の症状は不思議で目の周りは白くて炎症がない、なんて人が多いです。眼に症状が出ていない場合はそれほど神経質になる必要はないかもしれません
酒さの方では眼型酒さといって目にも症状が出てしまう方もいるので、そういった方には必須と思います。
また、酒さ様皮膚炎でも眼型酒さの症状に近い、落涙などを起こすこともあります。私もそうでしたが、勝手に涙が流れてきて困った経験があります。酒さ様皮膚炎の改善とともにピタッと止まりました。
そういった症状がある場合、自覚できる炎症がなくても眼に異常がある可能性があります。少しでもいつもと違ったらUVカットなどの対策をしておくに越したことはないでしょう。
アームカバーやネックカバー
酒さ様皮膚炎の発症部位は顔なので、顔に的をしぼった紫外線対策を紹介してきましたが、アームカバーやネックカバーは紫外線対策に有効です。
ネックカバーは特に顔に近い部分のため、取り入れても損はないと思います。
強い紫外線を腕に浴びた結果として発症部位の炎症が促進される可能性はあり得ます。神経質にならない程度にガードしておくのは悪いことではないと思います。
屋内での紫外線対策
UVカットカーテン
カーテンでのUVカットはかなり現実的に取り入れられる手段だと思います。最近はレースのカーテンでもUVカットが施されたものもあります。普通のカーテンは昼間開けておくのでUVカットが施されていても朝起きるまでの恩恵しか受けれませんが、レースのカーテンなら昼間も閉めておけるので効果的です。
紫外線防止フィルム
窓に張るタイプの紫外線防止フィルムです。かなりの紫外線カット効果が期待でき、99%カットをうたうものも珍しくありません。家中の窓に貼りつけたいところですが、綺麗に張るのは一苦労、というデメリットがあります。
網戸・すだれ
UVカット網戸なんてものもありました。技術の進歩はすごいです。網戸に貼るシートタイプのものと網戸そのものがUVカット、というものがあります。貼るタイプより網戸そのもののやすだれの方が楽でいいですね。UVカットと同時に遮熱効果もあるものがお勧めです。
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番外編:紫外線を防げる色
番外編ですが服や帽子を選ぶ際、色の濃いものの方が紫外線防止効果が高いです。
白より黒です。夏は黒より白を着たいんですけどね。
まとめ
肌に何も塗れないのにどうやって紫外線を防ぐの?という酒さ様皮膚炎ならではの悩みから私が実践したものや調べた方法をご紹介してきました。特別な事はしておらず、全て日常に取り入れられるものだと思います。
日焼け止めが塗れない!という期間は人によって違うと思いますが、私の場合は炎症がはっきり分かる状態でも肌に優しい日焼け止めを探して塗っていました。全く塗らずに過ごしたのは最初の2週間くらいです。但し、日焼け止めを塗るのは外に出る時のみで、帽子やマスク、日傘なども完備した上での外出でした。
そこから徐々にステップアップさせていき、日に何回か塗りなおすようになったのはここ最近です(脱ステ開始2ヶ月後くらいかな)。
日焼け止めを塗るようになったとは言っても、日焼け止めよりも物理防御、塗るより塗らない、という部分は変わりません。肌につけるようなものは、肌状態が良くなってから少しずつ取り入れていくようにしています。
そういった点で飲む日焼け止めは非常に頼りになる存在で、それだけで全ての紫外線が防げるとは言いませんが、炎症を起こしている時ほど取り入れていく価値のあるサプリです。
日焼け止めさえ塗れれば完璧な紫外線防御ができる訳ではありません。どんなにいい日焼け止めを使っていても、日焼け止めを塗ったらその日一日塗りっぱなし、では紫外線防御になっていません。
酒さ様皮膚炎の肌に紫外線が大敵なのは事実ですが、日焼け止めを塗れないからと言って紫外線防御ができない訳ではありません。
自分の肌、症状に合った状態での紫外線防御を行う事ができれば肌は必ず改善していきます。大事なのは「防御しようとする意識」です。できない事を考えるより、できる事からやっていきましょうね。