炎症がひどく火傷状態に腫れあがっている肌には塗れなかった日焼け止めも、肌が改善してきたら塗れるようになります。
紫外線は酒さよう皮膚炎治療中、最も避けたい部類の悪化因子に入ります。せっかく育ってきた肌が日に焼けた事で台なしに、なんて事にならないようにしたいですよね。
日焼け止めを塗れる、と言ってもやはり普通の肌とは違う治療中の肌。日焼け止めを塗り始める時期や、肝心のどんな日焼け止めを選べばいいか、という選択も慎重に行いたいものです。
もくじ
いつから塗れるの?酒さ様皮膚炎の日焼け止め
どのくらいから塗り始められるかは体質や肌の状態によると思いますので自分の肌の状態を良く見極めて、というのがまず大前提になります。その上で大体の目安としては、リンパ液が出ず膿もあまり出てこない状態にまでなったら様子を見ながら日焼け止めを試してみてもいいでしょう。間違っても膿とリンパ液がたくさん出ている炎症真っ最中に塗り始めてはいけません。
私の肌状態を例に挙げると、画像で症状を振り返った記事の2~6週あたりですね。私は大体4週間くらいで塗り始めたと思います。その頃にどんな状態だったかを説明していると無駄に長くなるので、当時の肌状態は以下の記事を参考にして下さい。
別の記事に行きたくない方の為に、塗り始めがどんな状態だったかざっくり説明すると
一番ひどい時の火傷のような炎症からは大分マシになったとは言え、炎症自体はまだ残っている。膿やリンパ液は出なくなったが、乾燥が進行し始めもう少しすると皮むけ地獄へと進む肌。
という感じです。
日焼け止めを選ぶ目安
日焼け止めはいきなりSPF50!PA++++!なんて選び方をしてはいけません。ふんだんに配合された日焼け止め成分が酒さ様の肌に悪さをする可能性が高くなります。普通の肌にはいいものであっても酒さよう皮膚炎の肌には悪化因子になるという事は珍しくないのです。
SPFやPAの値は低くても「肌に優しい」ものを選びます。判断の大ざっぱな目安として
- 成分がシンプル
- 石鹸やお湯で落ちる
- 紫外線吸収剤フリー
- アルコールフリー
- 防腐剤フリー
などがあります。
紫外線吸収剤より紫外線拡散剤
紫外線吸収剤より紫外線拡散タイプの日焼け止めの方が無難です。どうしてか、というのは吸収剤と拡散剤の違いを見ると納得できます。細かい部分の解説は他に譲るとして、ここでは酒さ様皮膚炎という観点からシンプルに分かりやすく説明します。
- 紫外線吸収剤は紫外線を吸収→熱や赤外線に変換して放出
- 紫外線拡散剤は紫外線を反射・散乱させて皮膚を防御
酒さよう皮膚炎は炎症ですから、まさに「熱」に苦しんでいる状態ですよね。この肌にさらに熱を持たせてはいけません。
アルコールフリー
アルコールはたくさんの化粧品に使われています。詳しく説明しませんが、アルコールにも様々ないい作用があるので使われている化粧品が悪い化粧品という事はありません。但し、「酒さ様の肌」という観点から見た場合には避けた方が無難です。アルコールは酒さの悪化因子として非常に高い確率で挙げられています。飲むのも塗るのも止めておいた方が無難です。
ウォータープルーフは避けよう
ウォータープルーフの日焼け止めは避けましょう。
ウォータープルーフ=水や汗で落ちにくい
つまり、なかなか落ちないような加工が施されています。酒さ様治療中の肌には過激です。落ちにくいという事は落とす為の洗顔をしなくてはなりません。クレンジングの出番です。商品によっては専用のクレンジングがあるくらいです。
酒さ様皮膚炎の肌は洗顔ですら水洗顔がいいとまで言われます。水洗顔が本当にいいのかどうかの議論はここでは置いておいて、それくらい過敏な肌だという事です。発症直後の大火傷肌は水ですら刺激になる経験をした方もいると思います。いくら改善してきたからと言って、クレンジングが必要なものを平気で使い始めてしまうと治るものも治りません。
但し、レジャーなどで強い日差しを長時間浴びる場合には選択肢の一つとして考えるといいです。普段使いの肌に優しいタイプだと紫外線の悪影響に追いつきませんから。日常使いにするのはいけません。
赤ちゃん用、子供用にも要注意
赤ちゃん用や子供用とうたわれている商品にも要注意です。子供用なら肌に優しいと思いきや。
子供って水遊びしますよね。汗も思いっきりかきますよね。ハンカチ渡したらぐいっ!ごしごしっ!って拭きますよね。
子供用の商品はそういう事を想定して作られていますので、汗や水に強く、落ちにくい設計になっている事が多いのです。酒さ様の肌が理想とするタイプとは正反対の設計です。
もちろん、子供用でも肌に優しい設計のものはたくさんありますので「子供用=肌に悪い」ではありません。「子供用だから安心」という思い込みが危ないだけです。
酒さ様治療中の肌は赤ちゃんの肌より敏感
こう思っておいてくださいね。
ミルクタイプよりジェルタイプ
さらっとしたミルクタイプのものより、ジェルタイプのものの方が肌をこすらずに塗ることができます。ミルクタイプはどうしても伸ばしにくいので、顔につけるときに必要以上に力が入りがちです。私はどうやっても力が入ってしまい、うまく塗れた気がしませんでした。
ミルクタイプのものでもこすらずに塗れるという人はこの部分にこだわる必要はありません。上手に塗れる人がわざわざ選択肢を狭める必要はないのです。
日焼け止めの塗り方
良く言われている事ですが、日焼け止めは2~3時間を目安にマメに塗りなおしましょう。塗るときはとにかくこすらずに。手のひらに日焼け止めを伸ばしたらそーっと押し当てるようなイメージで行ってください。酒さ様治療中の肌は人一倍こすってはいけません。
ファンデーションでもUVカット
日焼け止めが塗れるような肌状態までくると、ファンデーションやルースパウダーなども塗りたくなってきますよね。化粧して隠したいし。
日焼け止めは塗れなかったけど、ルースパウダーなら悪化せず塗れた!
なんて場合もあります。肌に合う場合はどんどん取り入れていきましょう。
ファンデーションの選び方
今のファンデーションはとても優秀で、大抵のものにはUVカット機能がついているのでファンデーションを塗れる状態の肌であればどんどん取り入れていきたいところです。ファンデーションだけで1ページどころか数ページ作れそうな気がするので、ここでは簡単にまとめます。
ファーストチョイスとして選択肢に上がるのはミネラルファンデなどに代表されるパウダータイプです。クリームタイプのものは避けましょう。
パウダータイプのファンデーションの中にも「石鹸で落ちる」と謡われている商品がいくつかあります。まずはこの中から選んでください。
ファンデーションの取り入れ方
紫外線防止対策としてファンデーションも取り入れる場合ですが
- ファンデーションのみ
- 日焼け止め+ファンデーション
- 日焼け止めのみ
などの組み合わせが考えられます。どの組み合わせがいいのかは人それぞれですが、ちょっとした目安としての考え方は
なるべく塗らない
事です。塗らずに過ごせるなら塗らないに越した事はないのです。紫外線に関しては悪影響の方が強いので防ぐ為の手段として日焼け止めやファンデーションがあるのです。
と、いう事は「ファンデーションのみ」か「日焼け止めのみ」をベースに考えればいい事になります。そして、これをベースに
日焼け止め塗って外出するけど、塗り直しできないから外での塗りなおしはファンデ
などのように応用していくと、より心地よく酒さ様治療期間を過ごせます。
飲む日焼け止めでもUVカット
飲む日焼け止めは塗り直しが必要なく、飲むだけで全身に紫外線対策ができる優れたサプリです。
体内の抗酸化作用を高め、紫外線に負けない身体を作るとともに、日焼けしにくい体質へと導いてくれます。
飲む日焼け止めには活性酸素をコントロールする力があり、肌細胞の炎症を抑える効果が期待できます。活性酸素は老化の原因となるだけでなく、炎症をも促進します。
一部の美容皮膚科では酒さ治療にも使われており、塗る日焼け止めと併用してなるべく紫外線ダメージを減らすようにします。
特に酒さや酒さ様皮膚炎のように肌に塗るものに対して刺激を受けやすくかぶれやすい肌は、飲む日焼け止めで内側からもケアするのが最適です。
出かける前に飲んでおけば一日紫外線カット効果が持ちますし、継続して飲むことによってさらに紫外線に強い身体を作ることができます。
日焼け止めが塗れる肌であっても、塗り直しができない日や塗り忘れの心配もなく、飲むだけで全身紫外線を防ぐ事が出来るというのはとても魅力的です。
紫外線を浴びまくる日だけ飲むなど、ライフスタイルに合わせた取り入れ方も簡単にできます。
何も塗れないくらいの肌状態なら、是非とも取り入れておきたいサプリです。
合わないと感じたら
「商品が合わないのかも」と感じてしまった場合、「他の日焼け止めなら・・・!」とか考えてしまいそうですが、ひどい肌状態の場合は他の日焼け止めでも一緒です。
敏感肌向けの商品の方がトラブルが起こりにくい、などの違いは当然あります。こっちは炎症がひどくなったけどあっちはならなかった、という事ももちろんあります。自分の肌状態に合う商品、合わない商品があるのは事実です。
やってはいけない化粧品ジプシー
一番やってはいけないのは
これが合わなかったから次はあれ。あれも合わなかったから次はそっち。
と、あれこれ試してみることです。身に覚えがないでしょうか?私はあります・・・・。
酒さよう皮膚炎発症時の肌はとても敏感で傷つきやすくなっています。普通の肌ではありません。普段なら問題なく使えるものでも、治療中の肌では全く使えなくなってしまう事は不思議なことではないのです。
次に塗ろうと思っているその日焼け止め、絶対に今の状態の肌に合うと断言できますか?
できないと思います。だから探すのなんかやめた方がいいんです。今の肌状態が一生続くなんて事はありません。合う日焼け止めを探すのではなく、もう少しだけ肌の改善を待つのです。もう少しだけです。ずっとじゃありません。
塗ってもいいかの再判断
日焼け止めを塗らずにしばらく過ごしてみて、肌状態が1段改善したと感じた時にまた塗ってみて下さい。その時に前と同じ商品を使えば、同じ「合わない」でも違った感覚が生まれているはずです。
- あ、前よりしみなくなった
- 赤くならなくなったなぁ
- 乾燥しなくなった
など、前の肌状態と比べてどうかが分かるはずです。その時に肌トラブルが出ないと思えるなら塗り始めてもいい時期です。但し、「前よりしみなくなった」だけでいま少しでもしみるならもう少し待ちましょう。
この「肌状態が1段改善して塗れるかどうかの再判断をする時」になら、気になっていた別の商品を試してみるのもいいと思います。だからと言って何種類も試してみてはいけませんよ。
塗らない、という勇気
日焼け止めがないと本当に心細いのですが、塗るにしても最小限に留めて、少しでも悪化したと感じたらすぐに塗りやめるべきです。
自分の肌状態を見極めていくと塗ってもいいかどうか何となく自分で判断がつきます。ただし、その判断は正確でない可能性もありますし、単に商品が今の肌状態に合わないだけの可能性もあります。
塗って悪化するくらいなら塗らないほうがマシ。何もしない方がマシなのです。日焼け止めを塗らなくても紫外線をガードする工夫はできます。
まとめ
日焼け止めが塗れるという事は、発症直後の肌に比べてかなり改善しているはずです。肌が改善してくるとできる事も増えていきます。
日焼け止めが塗れるようになると、今までフル装備だった紫外線対策アイテムを少し減らせるようになりますし、ちゃんと塗っていれば改善度合いもぐっと上がります。物理防御とサプリしかなかった発症直後に比べ、「日焼け止め」という選択肢が増えた事は単純に嬉しいですよね。
日焼け止めを塗り始めたからと言って、日傘や帽子、サプリなどのアイテムを手放す必要はありません。物理防御もサプリも日焼け止めを塗る、塗らないに関わらず有効な手段です。
日焼け止めはマメに塗りなおすのが理想ではありますが、毎日の事となるとできない日もあります。そんな時のために物理防御、サプリともに上手に取り入れていきたいですね。