ガスールというモロッコのクレイ(粘土)があります。
このガスールを使って洗顔をすると驚くほどしっとりと洗いあげてくれるうえ、酒さや酒さ様皮膚炎が苦手なケミカル成分を一切排除することができます。
元々ただの粘土ですから100%天然成分でのノンケミ洗顔ができるうえ、ガスールに含まれる豊富なミネラルでお肌もしっとりと潤って整います。
これだけ聞くととっても良さそうなガスール洗顔ですが、実はやり方にコツが必要で酒さ(様皮膚炎)で適当に使うと痛い目を見ます。(というか、見ました。。。。)
ガスールで洗顔を行う際には、こすらないことと短時間で済ませること、たっぷりきちんと塗ることがポイント。
そんなわけで今回はガスールで洗顔をする方法やコツ、使い方などをまとめておきたいと思います。
なお、ナイアードさんからは高級なアルガンオイルで作ったコールドプロセスの純石けんも出ていますので、石けん洗顔が合う方はぜひそちらも試してみて下さい。
もくじ
ガスールとは
ガスールというのは、モロッコのクレイの総称です。
モロッコ地方でのみ産出される粘土で、汚れの吸着効果があり豊富なミネラルを含みます。
特にマグネシウムを豊富に含むため、お肌のキメを整えてしっとりとさせてくれる効果は抜群。
現地では12世紀以前から石けんのように使用されてきたという、まさに天然の洗顔料。洗顔以外にも、パックや洗髪などに利用されています。
天然素材であるため肌に優しく、髪から身体まで全身に使うことができるのでとってもお得。やり方次第では、ガスールひとつで全身ノンケミのケアをすることができます。
粉末タイプ
固形タイプ
ガスールならナイアードが有名
日本でガスールといえば主に「(株)ナイアード」さんが販売しているものが有名。
ナイアードはノンケミカルな商品を主に販売しているので、美容に興味がある方なら聞いたことがある方も多いメーカーです。
モロッコの貴重なアルガンオイルのほか、そのアルガンオイルで作ったコールドプロセスの純石けん、ダマスクローズを抽出したローズウォーターなど、天然素材のみで作られたケア用品が特徴。
ガスールやアルガンオイルからも分かる通り、モロッコ系の商品を多く扱っております。
わたしはアルガンオイルで作られた純石鹸もお気に入り。
コールドプロセスで丁寧に作られているので、市販の大量生産された純石鹸よりも洗い上がりがしっとり。石けんの中では、酒さでも比較的使いやすいものとなっております。
ナイアード、ガスールの特徴
ナイアードのガスールは、天然のクレイをシンプルな工程のみで仕上げたもの。
製造工程でもケミカル成分は足していないので、ノンケミで天然成分100%のままです。
ナイアード公式サイトによりますと、以下のように説明されています。
ナイアードのガスールは、原石を地下水で溶かし、ろ過して、太陽と風で乾かしたシンプルなもの。粘土の吸着力が肌の汚れを取り除き、ミネラルが顔や髪、身体をしっとりとなめらかに洗い上げ、整えます。
固形と粉末の違い。どっちを使えばいいか。
ナイアードさんから販売されているガスールには、粉末と固形の2種類があります。
粉末タイプは、固形タイプを粉々に砕いただけのもの。ものは同じですので効果に違いはありません。
固形タイプは飛び散りにくく使いやすい、粉末タイプは少量ずつ使え肌触りが滑らかという特徴があります。
粉末 | 固形 | |
---|---|---|
肌ざわり | 滑らかなペースト | 少しざらつきが残る |
待ち時間 | 水を加えてすぐ | 水を加えて2~3分 |
値段 | 800円(税抜)/150g (固形より少し高価) | 700円(税抜)/150g (粉末より少し安価) |
メリット | 少量ずつ使える 手早く溶かせる | 飛び散りにくい 持ち運びや保管も便利 |
デメリット | 飛び散りやすい 計量が面倒 | ざらつきで肌を傷めやすい 水が染み込むまで少々待つ |
ナイアードの公式サイトにも粉末と固形の違いが分かりやすく載っているので参考にして下さい。
酒さや敏感肌には粉末タイプ
では、酒さや敏感肌にはどちらのタイプがお勧めかというと、答えは粉末タイプ。
固形タイプよりも滑らかなペーストができるので、肌への負担がありません。
ガスールのデメリットのひとつにクレイの粒子が肌を傷めやすいという点がありますが、このデメリットは粉末の方が少なくなります。
粉末の方がお勧めな点に関しては、ナイアードさんの公式Twitterからメッセージを頂きましたのでご紹介します!
ガスール洗顔の方法とやり方
さて、ガスールで洗顔する方法はとっても簡単です。
用意するもの
- ガスール 5g
目安として・・・固形:欠片4個、粉末:大さじ1/2 - 精製水 10ml
エッセンシャルオイルを入れたり、フローラルウォーターで作っても〇
ガスールは固形タイプなら欠片が4個ほど、粉末タイプで5g(大さじ1/2)程度が目安です。
この目安ぴったりでなくても良いので、自分で心地よいと思う分量を適当に量るのがこういった手作りコスメを続けるコツ。大体の目安が分かったあとは目分量でも良いです。
上記の分量で多すぎたり少なすぎたりした場合は、以下の割合を目安に作ってください。
(ガスール) 1: (水)2
ガスールの溶かし方のコツ
ガスール洗顔はクレイを水で溶かすだけの簡単なものですが、少しだけコツがいります。
固形タイプでは、水を入れて数分置くことでガスールが膨らんできますので、その間は触らず放置。
水を吸い込む前に触ってしまうとそれ以上溶けなくなり、ガスールの芯が残ってしまいます。
粉末タイプは失敗しにくいようですが、一気にたくさん溶かすとガスール全体に水が行きわたらなくなるようです。
多くの粉末タイプを溶かすときは、容器に水を最初に入れておいてから粉末を加えることでまんべんなくガスールが溶けるよう。
溶かし方のコツは、ナイアードさんの公式ブログにも記載されていますので参考にして下さい。
ガスール洗顔の方法
- ガスールに水を加える
- (固形の場合は2~3分待つ)
- 顔を軽く濡らす
- 溶かしたガスールを濡れた顔に馴染ませる
- 軽くマッサージ(注:肌が荒れている場合はしない)
- 乾いてしまう前に洗い流す
ガスールで洗顔する方法は、溶かしたガスールを軽く顔に馴染ませて洗い流すだけのシンプルケア。
たったこれだけのステップですが、酒さや赤ら顔などの敏感肌では色々な部分で注意が必要です。
酒さや敏感肌でガスールを使う時の注意点
ガスールの使い方は以前にもTwitterでつぶやいてますが、ブログではもう少し細かく見ていきたいと思います。
洗浄効果はかなりある。落としすぎないように注意しよう、
ガスールは天然のクレイ(粘土)でケミカル成分は一切入っていませんが、これで天然100%なのか?と思うほどしっかりと汚れを落としてくれます。
ガスールの洗浄効果はクレイに汚れの吸着効果があるからですが、天然成分だからといって侮ってはいけません。
「肌に優しい」「天然由来」の洗浄剤って、汚れ落ちが良くないことが多いですよね。
でも、そのイメージに引きずられてガスールを扱うと、とんでもない肌荒れを起こします。
ガスールは、かなりしっかり汚れを落としてくれます。
酒さや敏感肌の場合、汚れが落ちないと嫌だから・・・と長時間肌に乗せるのはやめましょう。短時間で手早くパパっと、が必要な皮脂まで取りすぎないポイントです。
クレイの粒子に気を付けて。ザラザラ感がスクラブ代わり。
ガスールは、水に溶かした時にクレイの粒子が残ります。
そのザラザラ感がスクラブ代わりになるので、軽くマッサージするだけでスクラブ洗顔のような洗い上がりが体験できます。
スクラブ洗顔はニキビがちな肌や角質が貯まりやすい部分には優れものではありますが、酒さや敏感肌の場合は注意が必要。
ザラザラとした感触で肌をこすることになりますし、肌の薄くなっている酒さで角質の取りすぎは禁物。スクラブ洗顔代わりに使うなら全顔は避け、小鼻の横などの気になる所のみ行うようにしましょう。
酒さや敏感肌の場合、スクラブ感は少なくても良いので公式さんがお勧めするように粉末タイプを使って滑らかなペーストを作るのが良いです。
固形タイプしかない!という方は(私がそうです・・・・)、ガスールを混ぜる時にとにかくよく混ぜるとザラザラ感がマシになります。
マッサージは最小限に。肌が弱っている時はそのまま流そう。
上記のスクラブ洗顔とかぶるところがありますが、ガスールを使った洗顔は粒子のざらつきをいかに制御するかがポイントのひとつ。
肌が荒れすぎている場合、洗顔時のマッサージはせずに流してしまう方が負担がありません。
肌が弱っている時にはガスールの粒子だけでなく、手指の刺激も負担になります。
マッサージする場合はこするのではなく、優しくなでるように行いましょう。
また、軽くマッサージしないと汚れ落ちが気になる、という場合はガスールパックと同じ要領で、少々の時間顔に乗せておけば汚れの吸着効果も高まります。
パックは最短時間で。肌に乗せすぎると乾燥する。
汚れ落ちを求めてパックをする場合でも、ガスールの吸着効果を忘れないようにして下さい。
ガスールはミネラル成分が豊富ですし、初めて洗った時はそのしっとり具合に感動すら覚えるほど。
パックすればもっと良いのでは・・・と思っちゃいますよね。
その勢いで長時間乗せていると、びっくりするくらい乾燥してしまいます。
短時間にとどめましょう。
(というか、パックしすぎて荒れたことあります、ハイ。。。。)
わたしの酒さであれば1~2分が限度かな、と感じますが人によって、またレシピによっても違いますので参考までに。
レシピ・・・?と思う方にご説明しておくと、ガスールは溶かす水を変えたり、ヨーグルトやはちみつを加えて+αのケアをしたりと、手作りコスメ好きにはたまらないアイテムだったりします。
厚塗り推奨。「乾く前」に流そう。
ガスールで洗顔する際には、厚めにたっぷりと塗りましょう。
薄く塗り広げるパックのやり方も紹介されていますが、薄く塗ったガスールはすぐに乾燥してしまいます。
肌の上で乾燥したガスールはべったりと顔に貼りつき、洗い流しにくくなるうえに乾燥する際に肌の水分まで奪ってしまいます。
粘土って乾くとベタっとしますよね。ガスールもあんな感じになります。
先述のようにガスールには粒子がありますので、乾燥して肌に貼りついてしまったガスールは洗い流すときに肌を傷つけます。
また、ガスールが乾燥しきってしまうと肌の水分がガスールに奪われてしまい、水分で満たされるべき角質層が乾燥してしまいます。
ガスールでの洗顔は、怖がらすにたっぷり塗って、乾いてしまう前に洗い流しましょう。たっぷり塗っておくことで乾くまでの時間も長くなります。
目安としては肌がきちんと隠れるくらい。肌がところどころ見え隠れしているのは薄すぎます。
以下、ナイアードさんの公式ブログから、ガスールの扱い方について。
ガスールを薄く塗ってパックする方もいらっしゃいますが薄く塗ったガスールは、すぐに乾燥してしまいます。
肌の上でガスールが乾いてしまうと、貼りついたような状態になってしまい
洗い流す時に肌を傷つける等、負担をかけてしまいますので、ご注意ください。
洗い流しに注意。こすらないことを意識しよう。
酒さや敏感肌の場合、肌に本来必要な皮脂や角質まで取ってしまわないよう短時間で済ませるのがコツではあります。
ただ、短時間で済ませようとするあまり、こすりすぎないように注意して下さい。
ガスールの粒子は肌を傷めやすいので、洗い流すときにも注意しないとこすりすぎになってしまいます。
すすぎは20回以上行い、ゴシゴシと洗い流すのではなく、ゆっくりとこすらないように流してください。
溶かしすぎ注意。ゆるすぎると水で流れて目に入る。
ガスールは水を入れすぎると、シャバシャバになってしまいます。
あまりゆるくし過ぎると、洗顔している最中から水が流れ落ちてきて目に入ります。
特に酒さの場合は眼型酒さなんてタイプもあるくらいで、眼の弱い方も多いです。
洗顔時はすぐ流すのでおでこを最後にすればいいか、と考えますがパックの時は致命的。
溶かしすぎてしまった場合は、ガスールを足して調整しましょう。
固形タイプは足してしばらく経たないと水を吸い込みきってくれませんが、粉末ならばすぐに調整可能。その代わり粉末は湿気を吸いやすいので、お風呂場などに持ち込むには不向きです。
ガスール洗顔で使えそうなアイテムたち
ガスールを使ったパックですと肌に乗せておく時間も長いため色々なレシピがありますが、洗顔だとすぐに洗い流してしまうためそれほどこだわる必要もないかと思います。
その中でも、わたしが使っているものをご紹介しておきます。
エッセンシャルオイル
エッセンシャルオイルは、ガスールを溶かすときに加えます。
酒さのように肌が弱っている場合は1回の洗顔につき1滴でも多いと感じますので、私はエッセンシャルオイルを入れてある手作り化粧水でガスールを溶かしたりします。
酒さにおススメなのは、以下のあたり。
- ラベンダー:抗炎症作用に優れて初心者でも扱いやすい
- ティーツリー:抗菌作用に優れて初心者でも扱いやすい。カビ、ダニ由来の酒さ向け。
- サイプレス:収れん(血管収縮)作用に優れている。毛細血管拡張型の酒さ向け。
- ゼラニウム:皮脂分泌の調整ができ、肌に潤いを与える。血行促進作用があるのでうっ血型の酒さ向け。
- フランキンセンス:抗炎症作用と収れん(血管収縮)作用があり、皮膚の再生を促す万能精油。
アロマは向き不向きがありますし、植物の化学物質が凝縮されたものという側面もあります。アレルギーの出やすい酒さでは特に気をつけて使いましょう。
ウィラードウォーター
ウィラードウォーターも、ガスールを溶かすときの定番品。わたしは原液をiHerbから購入しています。
化粧水というよりただの水なのですが、アベンヌウォーターやターマルウォーターのような鎮静効果がある上、原液で買うとかなり安価に済むので大のお気に入り。
ぬるま湯洗顔の時も洗面器に入れたりして使っていまし、洗顔後はまずウィラードウォーターをスプレーして肌を落ち着かせています。
フローラルウォーター
エッセンシャルオイルを作る際に蒸留に使ったお水がフローラルウォーター。エッセンシャルオイルの副産物として出来上がります。
水の中に極微量のアロマ成分が含まれているのが最大の特徴。
精製水にエッセンシャルオイルを入れて手作り化粧水とする場合も多いと思いますが、フローラルウォーターなら最初から精油成分が溶け込んでいます。
ナイアード 朝摘みバラ水
ナイアードさんなら「朝摘みバラ水」というローズウォーターがありますので、それが良さそう。ガスールと同じナイアードなので、商品同士の相性も抜群ですね。
ローズウォーターは化粧水として非常に優れており、肌タイプを選ばず使うことができるうえ、収れん作用や血管収縮作用、抗炎症作用もあるので酒さにも最適。
また、バラの香りは女性ホルモンのバランスを整えますし、精神バランスを整え不安を抑制するのに効果的です。
Heritage Store, ローズウォーター
iHerbからは、Heritage Storeのローズウォーターなどいかがでしょうか。
レビュー900件越えの大人気商品で、わたしのウィッシュリストにも入っております。
高い波動を加えた磁化水をベースに使っているそうですが、何の波動なのか良く分かりません(笑)。磁化水というからには浸透も良さそうな気がします。
定期的に農薬の残留をチェックしており、品質的にも安心。
グリセリンなしとグリセリン入りがあります。グリセリンは入っていない方が色々なことに使えておススメですが、化粧水として使うだけならグリセリン入りでも。
グリセリンなし
グリセリン入り
へちま水
ヘチマの茎を切って、水分をとり出しただけ。超シンプル&天然素材のへちま水。
へちま水にも優れた保湿効果と抗炎症作用がある、新陳代謝を促進してくれるので肌のターンオーバーを整えます。
また、人の肌が弱酸性なのに対し、へちま水も弱酸性。刺激を感じにくく肌との相性も良いです。
ウリ科ですからメロンやスイカ、キュウリなどにアレルギーのある方は注意が必要です。
まとめ
洗顔するにも一苦労なのが、酒さ(様皮膚炎)の悩みですよね。
ガスールを始めとしたクレイでの洗顔は、コツこそいるものの界面活性剤を使用していない完全ノンケミ洗顔が実現できます。
コツさえつかめばそれほど難しくはないのですが、知らないと使いすぎてしまって肌荒れや乾燥をさせてしまうのが一番やりやすい失敗ではないでしょうか。
メイクをしたり日焼け止めを塗ったりするようになると、毎日水洗顔だけしているわけにもいきませんし洗顔方法の選択肢も増やしておきたいところ。
ガスール洗顔は、酒さでも水洗顔以上の洗浄力を求めているけど、界面活性剤は避けたい!という方にはぴったり。
ノンケミ洗顔に興味のある方やクレイに興味のある方なども、ぜひ試してみてください。