酒さ様皮膚炎の治療は長期に渡ることが多く、状態も様々です。炎症期と皮むけ期では肌の扱いが違って当然ですし、同じ炎症期でも腫れ方によって違って当然です。また、元々の肌質などが違う為、人によって合う方法と合わない方法があったりもします。
ネット上を調べても様々な情報があふれており、保湿一つ取っても「酒さ様であっても通常と同じように保湿するべき」という考え方もあれば「酒さ様の肌には脱保湿こそ治療への近道」という正反対の考え方もあります。
こういった情報の波に触れたとき、どうしても「どっちが正しいんだろう」や「どっちが私には合うんだろう」と考えてしまいがち。
今回はそんな情報ラッシュの中でも迷いにくくなるよう、治療中に最優先させたい指針を考えていきたいと思います。
もくじ
肌を痛ませないという視点
あまり煽り文句は好きでないのですが、酒さ様治療中の肌において大事にする事は本当にたった1つだけ。
肌が少しでも痛むことは絶対にしない
という事です。これは治療中のどんな時期でも共通で、炎症期でも皮むけ期でも、少し落ち着きを取り戻した肌でも同じです。
ずっと同じケアをする訳ではない
全期間通して肌を同じように扱う必要はありません。症状が改善していくほどに使えるアイテムが増えたり、できなかった事ができるようになったりして多少の無理が効くようにはなっていきます。
体験談からちょっとした例を挙げると、炎症期は毎日30分くらい冷やしていた私の肌も、今では冷やすことすら滅多にしなくなりました。
症状や人によって全く違うケア方法
実際のケア方法というのは千差万別で、人によって合う合わないがあったりします。先ほど紹介した「冷やす」ということ一つ取っても
- 何分冷やすのか
- いつ冷やすのが効果的か
- 冷やす方法は何がいいのか
などの冷やし方は人によって違うだけでなく、自分の肌状態によっても違います。同一人物であっても炎症し始めたばかりの肌と、炎症がおさまり始めた肌では冷やし方や冷やす時間が違って当然です。
一つの例として冷やすことを挙げましたが、ケア方法にはそういった選択肢が無数にあると言うこと。
洗顔はどういう方法がいいのか。化粧水を塗るか塗らないか、乳液は・・・クリームは・・・美容液・・・・・。
これら一つ一つにつける量や塗り方、塗る順番などがありますし、さらにその時の肌状態によっても違うとなるともうキリがありません。
大事にするのはケア方法ではなく考え方
自分の肌に合うやり方を見つけるのはとても大事なことですが、その為にまず考えたいのはどんなケア方法がいいのかという事ではありません。
どうしたら肌を痛めずに過ごせるか
という事です。酒さ様皮膚炎には水洗顔がいい、や酒さ様は何もするな、という考え方はここから来ている事が多いです。触ると悪化するからいっその事触るな。という事ですね。
触らなければ痛まない
触るな、何もするな、では改善しそうにないと思われるかもしれません。でも実はこの考え方、非常に理にかなっています。多くの人は洗顔や化粧水などで肌をこすりすぎなのです。洗顔をはじめ、薬を塗るのもそう、保湿剤を塗るのもそうです。
病院で貰った保湿剤だから大丈夫、という問題ではありません。触ること自体が肌に良くないのです。
薬なら人差し指あたりにとってくるくると塗ってませんか?
もうこの時点で触りすぎ、こすりすぎです。薬指だからそんなに力入ってないはず、と思っていたら要注意です。人差し指であろうが薬指であろうが、肌に触れている時点で触りすぎです。
薬ならすりこむことをせず、そっと乗せておくだけ、という塗り方が一番肌に優しい薬の塗り方です。これが肌の炎症が一番ひどい状態の時のケア。ここを基準に肌の改善にあわせて少しずつ変えていきます。指でくるくるできるのは肌が相当改善してから。とにかく触って悪化させることを避けていきます。
酒さよう皮膚炎の肌は傷だらけ
ステロイドの副作用に皮膚萎縮、というものがあります。酒さ様皮膚炎をごく簡単に説明するとステロイドの副作用による炎症です。当然ステロイドの副作用である皮膚萎縮も起こっています。
皮膚が薄くなっている上に、火傷のような炎症。ニキビのようなブツブツに膿。
酒さ様発症中の肌は炎症を起こしており、肌の表面は傷だらけです。見えないだけで細かくて小さな傷がいっぱいあるのです。
これは皮剥け期でも変わりません。炎症期よりも傷が少なくなっている事は確かですのでスキンケアの幅は広がりますが、普通の肌よりもろいんだ、という事は忘れてはいけません。
傷だらけの肌に化粧品を使うかどうかを考える
酒さよう皮膚炎治療中は、肌を改善させる事より肌を痛めない事を優先に考えます。ここが多くの人の勘違いポイントです。「こんなひどい状態になって・・・・どうしたら肌状態を良くできるんだろう」という悩みに陥り、あれこれとスキンケアを試したあげく却って悪化させます。
改善させようとしてはいけません。悪化させないように大事に扱うのが最優先です。
肌は何もしなくてもちゃんと改善する
肌は放っておけばちゃんと改善してくれるのに、早く何とかしたいからと言って抗炎症作用のある化粧水を塗ってみたり、赤ら顔に効くという石鹸を試してみたり。
たまたま肌に合えばいいですが、多くの場合は合いません。普段の肌だったら合う化粧品でも傷口にはしみたりしますよね。そもそも傷口には塗らないと思います。
傷口に化粧品を使うかどうか
転んで擦り傷を作ったときと同じ、と考えてみましょう。
擦り傷に化粧水を塗ろうと思いますか? 美容成分たっぷりの石鹸を使ってみようと思いますか?
思いませんよね。石鹸は使うにしてもそーっと汚れを落とすだけにするでしょうし、石鹸の泡が傷口につかないように注意する人だっていますよね。
酒さ様皮膚炎の肌はまさに擦り傷だらけなのに、顔だからという理由で化粧品で改善させようとする人が多すぎます。
酒さ様皮膚炎は化粧品で治らない
化粧品で酒さよう皮膚炎は治りません。傷を治すのに化粧売り場で化粧品を買い求めませんよね。「この擦り傷、治せる化粧水ください」と美容カウンターのお姉さんに言わないですよね。
傷を治すのは病院の領域です。化粧品で改善させるの美肌の領域。酒さ様皮膚炎は傷を治す事から始めます。化粧品を使いたいなら使えるような肌になるまで我慢しましょう。
治療中の全期間通して全ての化粧品が使えないわけではありません。最初は精製水しか塗れないような肌状態でも、使える化粧品は徐々に増えていきます。
何よりも大事な視点:悪化を防ぐ
もちろん改善を促す素晴らしい化粧品も存在するかもしれませんし、そういったものに巡り会えた方はわざわざ止める必要はありません。でも、多くの場合はそういった化粧品には巡り会えません。傷だらけの肌は、化粧品で改善するより悪化する可能性の方が高いからです。
悪化するくらいなら何もしない
というのは遠回りなようでいて、実は一番の近道です。
肌が悪化するようなことは絶対にしない。悪化するくらいなら触らない、塗らない。こういった視点を一番に持っている事が大事です。こうした視点をちゃんと持っていれば、石鹸を使ってみたときや、化粧水を塗ってみた時などに自分の肌状態を良く観察することができます。
その結果、石鹸を使っていい状態かまだ待つべきか、化粧水をつかっていい状態かまだ待つべきか自分で判断できるようになります。
ここで大事なのは「抗炎症作用があるから」とか「抗菌作用もあるし」、「アトピーだった人も使えたみたいだから」などの様々な「使う理由」を自分で断ち切れるかどうかです。どんなものでも「悪化するくらいならやめとこう」と考えられる視点を持つ事が酒さ様皮膚炎の改善には一番大事になります。
まとめ
酒さ様皮膚炎を改善していくために様々なスキンケアを試してみる方が多いと思いますが、実はそれが逆効果。まずは傷を治すことを考えよう、という観点からお話させて頂きました。何もしないというのは不安だし、何かしたくなってしまうのが当然の心理なのですが、それが却って肌の改善を遅らせている場合もあります。
酒さ様の場合は顔だからか、化粧品でどうにかしようと考えてしまうことが多いように思います。それが却って悪化を招き、深みにはまる。そうすると次に考えることは・・・・・
あっちの口コミでいいって言われてた商品の方を試してみよう!
まず、こういった考え方はやめましょう。私は身に覚えがありすぎて自分の耳が痛いです・・・・。
えらそうに言ってますけど私も化粧品とか試したことがありますので気持ちは分かるんですが、自分自身が改善したのは「何もしないこと」でした
。何もしないのがどうして肌改善に繋がったんだろうと考えた時に、酒さ様の肌がどんな状態かを調べてみたのです。その時に化粧品では改善しない理屈が何となく分かりました。
今回はそういった体験を元に自分で調べた結果もまじえて記事にしてみました。拙いまとめ方でしたが、どなたかの参考になれば幸いです。
コメント
コメント失礼します。
失礼ながらも、率直に質問させていただきたいのですが、例えばなんですが、肌のかさつきが酷い、夏の紫外線、などそういったときも何もせず、過ごされてきたのでしょうか?少しでも防ぐために何か気をつけていたことはありますか?上手く質問を伝えていることができているか、不安なのですが、返答していただけると幸いです。
酒さ様皮膚炎で、調べるとやはり化粧品を使用してはいけないという文章を沢山読んできました。私も皮膚科にてステロイドを使用してしまったが故に、今では火傷のように酷い赤みとニキビのようにぶつぶつとでてしまい治まりません。去年別の皮膚科でこのような、病名と判断され、それから何もせず、いたのですが、どうしても未だに肌の赤みや、ぶつぶつが酷いのです。紫外線も気になってかさつきもあり、どうしていいのかわからず、我慢できず日焼け止めや化粧品を使ってしまっていたりします。やめたほうがいいのだと思うのですが、どうしても変わらないこの状態が今後どうなってしまうのか不安で仕方がないのです。
長々と長文本当に失礼しました。
それでは失礼しますっ。
うさぱんちさん、こんばんは。
コメント頂いてありがとうございます!
脱ステ直後からしばらくは、スキンケアや紫外線防止などを何もしないというよりは、何もできない時はムリしてまでしない、という感じでしょうか。
上手く伝えられていなくてすみません><
保湿にしても日焼け止めにしても、肌の調子を見ながら試してみて、ダメそうだったら無理して塗ろうとしなかったり、触らないように気を付けたり、ということを実践していきました。
後は体内からの改善で、生活を見直してみたり口に入れるものを見直してみたり、といったことも同時に行い、外から与えるプラスのケアよりも悪化する要因をマイナスするケアを優先しました。
紫外線に関しては何か塗れるような肌状態でない時は、物理ガードのみでどうにかしていましたが、回復と共にスキンケア用品も日焼けどめも塗れるようになっていったので、都度取り入れてきた形です。
化粧品を塗ってはいけないと言われるのは、化粧品を塗ることによって肌が悪化する可能性があるからであって、肌状態がひどい時は化粧品の成分だったり塗るときの物理刺激だったりで肌を痛ませやすいからです。
化粧品を上手に使って脱ステされた方もいらっしゃいますし、自分には今何ができて何ができないのか、ということを把握するのが大事なように思います。
保湿をして脱ステした方の体験談は以下の記事になりますので、良かったら読んでみて下さい!
脱ステの体験談を頂きました!保湿をしたって脱ステできる。肌に合う保湿は助けにもなるという見本のようなお肌。
化粧品を使って肌が改善するのなら遠慮せず使っていいと思いますし、日焼け止めを塗っても刺激にならなければ塗ってもいいかと思います。
紫外線の悪影響はかなりのものですしo(TヘTo)
何もしないのが大事なのではなく「肌が痛むことだけはしない」という風にとらえて、何かをしてみてダメだったらそれはしないようにしていきます。
逆に、大丈夫であったら肌の様子を見ながら続けていくといいです。
化粧品や日焼け止めを塗ること自体が悪いのではなく、塗って悪化するにも関わらず塗るのがいけないだけですね。
この辺りは、どこまでできてどれができないか、自分で探していくしかないのでやっかいです(;><)
このような返答でお役に立てるかどうか分かりませんが、もし何か分からないことや不安なことがあったらいつでも遠慮なく書いていって下さいo(-`д´- o)
こんばんは。
ご返答の方、本当にありがとうございますっ!
すごく、丁寧な説明をありがとうございましたっ!元々の酒さ様での文章でもわかりやすく書いてありながら、また質問のほうも同様に丁寧な説明をしていただき大変感謝しておりますっ!!(嬉泣)
このろーざさんの返答を元に、今日から色々と自分の肌に対して調子をみながらゆっくりとケアしていきたいと思いますっ(*^^*)これから新たに始めていきたいと思いますので、また何かの際には質問をしてしまう事があるかもしれませんが、そのときはまた宜しくお願い致しますっっm(_ _)m
本当に助かりましたっっ!!(泣)ありがとうございますっ!!
うさぱんちさん、こんばんは。
お役に立てたなら本当に嬉しいです!
何もしない、とかいうようなことは本当に抽象的で迷ってしまいますよね。
自分に合ったやり方を見つけるのが一番なのですが、何もするなとか、化粧品を塗るな、と言われるとそれもそうだよな、と深みにはまってしまいます。
なかなかお伝えしにくい部分ですので、コメントで聞いて頂けて良かったと思っています。
うさぱんちさんが自分に合った方法を見つけるお手伝いができればとても嬉しく思いますので、いつでも遊びにきて下さいね!
ろーざさん
お久しぶりです!
私は以前何もしないケアでコメントしましたが、あれから1ヶ月間ミノマイシンを服用しましたが、効かないことに気づき、別の抗生物質を処方されました。
が、その薬は自分が今飲んでいる心臓の薬に影響する可能性があるということで、飲まないことにしました。
悩んだ結果、まず食生活から変えました。
基本は蒸し料理で、野菜中心です。4日間で赤みがかなり引きました。
が、この2週間親が日本に遊びに来ていて、外食とインスタント物の連続で、ニキビがひどくなりました…体重も右上がりです(笑)
いつもは小さいブツブツだけだったのに、この2週間の間の食生活ですごいニキビができたので、食生活の見直しはとても大事!ということに気づきました。
という話をシェアしたかっただけです(笑)
ちなみに、ろーざさんに質問があります><)
MTメタトロン、ファーストステップローションという化粧水、知っていますか?
ろーざさんから頂いた返事で確か保湿が大事だと言ってくれまたが、
食生活の改善をしていた時に、「やっぱり保湿した方がいいのかな」と思ったんですね。
このファーストステップローションはレーザー治療の後によく使われますが、鎮静タイプで炎症を抑えてくれる働きがあります。実は私が脂漏性皮膚炎になったきっかけはこのMTメタトロンの活性タイプの美容液だったんですね(元々敏感肌というのもあると思います)。
だから、MT全般の商品を使うのが怖かったです。当時どれが鎮静なのかどれが活性なのか、目的はなんなのか知らなかったですね…
でも、このままじゃ、薬が効かない、食事の改善ではまだまだ先が見えない、試しても損はないという気持ちになって、買ってみました。
結果、すごいです!2日間使用して、すごい変化がありました!!
続ければ、治るんじゃない!って思ってしまうぐらい!
そのあと、親が来日して、顔がとんでもないことになってしまいましたが(笑)
で、親が国に帰ったので、食事改善とファーストステップローションをまた使おうと思っています!また経過をコメントしますね!
まるさん、おひさしぶりです!
まるさんはミノマイシンが効かないんですね><
私はルリッドが効かなくなってしまったのですが、ミノマイシンはブツブツにすぐ効きます。
効く抗生物質が分かっていても飲み続ければいつか効かなくなりそうなので、いつまで効いてくれるかが不安ですがw
抗生物質の効き目は体質にもよると思うのですが、効かないのであれば副作用の懸念だけが残りますから早めに他のものに変えたいところですよね。
その変えた抗生物質が、今度は別のお薬と競合するとなるとなかなか合う抗生物質が見つかなくて大変ですよね(´Д`。)
食生活の変化で赤みの引きが分かるほどの良い結果が出たならぜひ続けたいところですね!
私は病気をした時に野菜中心の油を使わない蒸し料理ばかり食べていましたが、良い方向への変化はありませんでした><
この辺も人によって違う部分なんでしょうね。
まるさんには蒸し料理が合っているようですから、なるべく蒸し物を増やすメニューを工夫していって、そのうち意識せずに実践できるようになれば自然と生活習慣の一部になりますから、肌にも反映されていきますね。
親御さんがいらっしゃったなら外食や生活リズムの変化があるのは仕方ないです(笑)
でも、それでニキビが増えたり肌の調子が悪くなったりという経験をされて、まるさんの体質的には何に気を付けるべきかを把握されたので、この経験は無駄にはならないと思いますよ!
MTメタトロンは知りませんでした!
幹細胞にアプローチできる化粧品なんですね。
すごい変化があるとおっしゃるくらいまるさんに合っているようで良かった・(*ゝ∀・*)ノ
肌に合う化粧品が見つかっているとスキンケアもぐっと楽になりますし、それだけすごい変化があったのであればもうケア商品はMTメタトロンを中心に考えていけば良さそうですね。
私も機会があれば試してみたいと思います!
こうしてお話させて頂いていると、自分の知らなかった商品ややり方を教えてもらえるのでとても助かります。
色々と細かく経緯を教えて下さってありがとうございます!
まるさんの書き込みはコメント欄を見て下さる方の参考にもなると思います。
まるさんが食生活を改善しつつローションを使用した経緯、楽しみです!
また気が向いた時に教えて下さるのを楽しみにしてますΣ(σ`・ω・´)σ