酒さと酒さ様皮膚炎は違う病気ではありますが、症状が同じなため治療法や対処法、悪化する要素などは共通している事が多いです。酒さの悪化因子はそのまま酒さよう皮膚炎の悪化因子でもあるため、悪化しやすい要素を覚えておくことは長い治療期間を乗り切る上で役立つ情報になってくれると思います。
日本では欧米より発症者も少なく未だ研究段階にある酒さですが、欧米では発症者も多くハリウッド女優さんの中にも酒さである事を公表している人もいるほど。発症者が多く本場であるという点で欧米の方が酒さ治療では進んでいます。日本ではあまり認知されていない酒さ様のスキンケア用品やメイク用品が売られていたりしますし、医薬品でも日本で認可されていない薬が積極的に使われ効果を上げているようです。
そんな酒さ治療の最先端で酒さの情報を発信しているNATIONAL ROSACEA SOCIETY(全米酒さ協会)のホームページで酒さの悪化因子がリストアップされていますので、それを訳しつつまとめてみたいと思います。
悪化要素をランキングにしてあったページも訳しました!
もくじ
食べ物
- レバー
- ヨーグルト
- サワークリーム
- チーズ(カッテージチーズを除く)
- チョコレート
- バニラ
- しょうゆ
- 酵母エキス(パンは大丈夫)
- お酢
- ナス
- アボカド
- ほうれん草
- そら豆やさやえんどう、インゲン豆
- 柑橘類、トマト、バナナ、赤プラム、レーズンやいちじく
- スパイシーかつ熱い食べ物
- ヒスタミンの高い食品
食べ物の項目が一番多く記載されていました。
乳製品
ヨーグルトがリスト入りしている点はちょっと意外です。
乳酸菌は腸内バランスを整えるので私はかなり積極的に取り入れていました。ヨーグルトで悪化したと感じたことはないのですが、チーズやサワークリームなどが挙げられているところを見ると、乳製品で悪化しやすいのかもしれません。
チーズにしても「カッテージチーズは除外」とわざわざ記載されていましたので、サワークリームなどとの共通点を考えると「脂肪分の多い乳製品」といったところでしょうか。
大豆製品
しょうゆがダメなのは日本人には辛いですが、そら豆やさやえんどうなどの豆類が挙げられているところをみると、大豆製品が悪化因子になり得るのかもしれません。
大豆がだめとなると豆腐も納豆もダメですねー。確かに大豆で悪化する、という感想も何度か見た記憶がありますが、私は大豆製品や豆類は平気でした。
香辛料
スパイシーかつ熱い食べもの、という点は「香辛料を避ける」「極度に熱いものを食べない」という感じです。特に香辛料に関しては食べると体温が上がりますし、唐辛子などは血管が広がります。治療中、特に炎症期は体温が上がるような行為や血管が広がる行為を避けた方が無難です。
豚キムチとか好きなんですけど・・・残念です。
体質に合わせて食べる
食べ物に関しては、ここに挙げられているからといって必ずしも悪化するわけではなく体質によるものもあるだろうと思います。醤油断ちあたりは日本人には厳しいですし、食生活の改善をしようとすると日本人は和食中心になりますから大豆は大いに関係してきます。
全てを鵜呑みにするのではなく、避けられるものは避けつつ自分は大丈夫だと言う製品は注意を払って取り入れていけばいいと思います。
飲み物
- アルコール(特に赤ワイン、ビール、バーボン、ジン、ウォッカ、シャンパン)
- 温かい飲み物(ホットサイダー、ホットチョコレート、コーヒー、紅茶を含む)
飲み物に関しては2項目しかない割に但し書きがたくさんありました。ホットサイダーはアメリカ的ですね。おいしいんでしょうか・・・・?
アルコール
アルコールは悪化因子として真っ先にイメージしてしまうくらいなので良くないのは分かりますが、中でも赤ワインやビールは悪化しやすいようです。ワインではなく赤ワインとわざわざ記載されていましたので白ワインより赤ワインが悪化しやすいのだと思います。もちろん、白なら飲んでもいいや、ではなく飲まないのが理想ですw
温かい飲み物
温かい飲み物に関しては体温を急激に上げない為ではないかと思います。体温や気温の上昇は酒さよう皮膚炎にあまりいい事ではありません。お風呂上りに顔が真っ赤になるのを思い浮かべるといいです。お風呂で代謝が良くなり血管も開くために起こります。
さらにホットチョコレートやコーヒー、紅茶などが特筆されているという点から、カフェインを避けた方が良いと思われます。日本だと麦茶やほうじ茶はカフェインフリーです。ちょっとクセのあるところではどくだみ茶。どくだみやはと麦などの健康茶にはノンカフェインのものがたくさんあります。緑茶には残念ながらカフェインが入っています。
薬物
- 血管拡張剤
- 局所ステロイド剤
薬に関しては血管拡張剤と局所ステロイド剤の2つが挙げられていました。
血管拡張剤は血管を広げるな、という事ですから分かりやすいですね。局所ステロイドに関しても酒さ様皮膚炎の原因がステロイドですから避けて当然で、これは酒さであっても同様ですね。「局所」とわざわざついているのは内服ステロイドによる治療が行われるからかもしれません。
医学的条件
- 過剰な洗浄
- 更年期
- 慢性的な咳
- カフェインの禁断症状
医学的に悪化しやすい条件として上記4項目が挙げられていました。
洗浄
過剰な洗浄に関しては日常のスキンケアにも応用できる部分があります。洗いすぎるな、と言っているわけですから極端な話洗わなければいいのです。酒さ様皮膚炎の観点から見ると、発症直後の炎症がひどい時には水洗顔がベストの洗顔方法です。
その他医学的条件
更年期とかはどうしようもないと思うんですが、咳やカフェインの禁断症状がリストに入ってくるのが面白いですね。咳に関しては咳き込むと血管に良くなさそうなのは確かです。
カフェインが悪いと書かれるのではなく、カフェインの禁断症状と書かれているのが興味深いところです。心理的要因のストレスなどを誘発するからでしょうか。コーヒーを飲みすぎると何かしらの身体の変化を感じる人は多いと思います。カフェイン自体を取らなければ禁断症状も出ないので、カフェインごと断ってしまえればそれが一番です。
身体運動
- エクササイズ
- 荷物の上げ下ろし
体温を急激に上げるな、という観点から激しい運動が良くないのは何となく分かっていましたが、2項目しかないうちの1つに荷物の上げ下ろしが来るとは思いませんでした。英語のニュアンス的には引越し屋さんの作業みたいな感じです。まあ・・・・無理をするな、って事でw
温度
- サウナ
- 熱いお風呂
- 過熱
- 過度に暖かい環境
温度に関しては4項目ありましたが、つまるところを考えると一つにまとまっちゃいますね。
熱くするな
です。
お医者さまからサウナや長風呂を止められた方もいると思います。お風呂やサウナに関しては新陳代謝を良くして汗をかくことができるので、デトックスという意味では効果的です。但し、酒さや酒さ様皮膚炎の場合には血管拡張作用が悪く働く可能性も高いです。デトックスの良い効果より血管拡張の悪い効果の方が勝ってしまうんですね。
急激な温度変化、特に熱くする方への温度変化はなるべく避けましょう。
天気
- 日光
- 強風
- 寒さ
- 湿気
天気に関しても分かりやすい4項目が挙げられていました。
日光
日光はそのものずばり、紫外線ですね。紫外線に関しては悪影響しか及ぼさないため、積極的に防止していきたいところですが、ここでくどくど言わなくてもあらゆるところで取り上げられています。酒さよう皮膚炎の観点からは以前に記事にしましたので参考にして下さい。
強風と寒さ
強風は乾燥を促しますし肌の温度変化も誘発します。寒さも同時に挙げられていますが、前述した温度の項目とも関係があります。熱くなるを避ければ寒くなるほうは避けなくても良いわけではありません。本来はどちらの温度変化も避けた方がいいのですが、熱くなるほうがより悪化しやすいため温度として特筆されています。寒さに対する温度変化にもなるべく注意していきましょう。
湿気
湿気も良くないとリストアップされています。乾燥の方が良くなさそうですが、過度な湿度も良くないのだと思われます。濡れると皮膚が弱くなりますしね。具体的な湿度が書かれていないのでどの程度かは分かりませんが、湿気が多すぎるのも悪化因子の一つのようです。加湿器の使いすぎには要注意ですね。
感情面
- ストレス
- 不安
感情面はまあ・・・・・そうですよね、という2項目がリストアップされていました。言ってる事は良く分かるのですが、この顔自体がストレスで不安要因な件はどうすれば・・・・。
開き直りと気にしすぎない姿勢が大事なんでしょうね。んなもんわかっとる、とつっ込みたくなった方はいませんか。私はつっこみました。
スキンケア製品
- 一部のコスメやヘアスプレー(特にアルコール、ウィッチヘーゼル、香料を含むもの)
- ハイドロアルコールまたはアセトン物質を含むもの
- 赤みを引き起こす全ての物質
化粧品を選ぶときはアルコールフリーのものを選んだほうが良さそうです。香料なども避けた方が無難。ウィッチヘーゼルとか出てくるあたり、アメリカっぽいですよね。
アセトン物質は意味が分からないかもしれませんが、除光液やリムーバー、スプレーペイントや染み抜きなどに含まれています。顔につける商品には使われていないような気がしますが、表示名としては「ジヒドロキシアセトン」などと表記されているようです。
一番注意したい点としては、「赤みを引き起こすものは全て避けろ」とわざわざ明記されています。アルコールや香料を含まない製品であっても、自分の肌が赤くなった場合には使ってはいけないという事です。この「悪化させない努力」というのは酒さ様治療にとても大事な観点となります。
まとめ
全米酒さ協会のホームページから酒さが悪化する要因となるとリストアップされている物質をまとめてみました。アメリカの資料なので日本ではあまり馴染みのないものも含まれていますが、アルコールや日光など共通する物質も多いので大変参考になります。
欧米が治療の最先端とは言え、現地で使用されている医薬品や化粧品などを入手するのは輸入などの手段を使うしかありませんし、日本人の体質にも合うという保障はないので不安も大きいものです。改善に役立つ情報ならばいくら輸入しても身体的な影響はないので、できれば積極的に取り入れていきたいですね。言葉の壁という数十メートル級の壁が立ちふさがりますが・・・・。
コメント
海外の情報ありがとうございます。このような情報はあまり無いのでありがたいです。
taroさん、コメントありがとうございます!
酒さ治療に関しては海外の方が情報が豊富かと思いますが、英文記事を読めるほどの英語力がありませんので比較的理解しやすいページの翻訳になってしまいました。
こういった情報がお役に立つようでしたら今後も折を見て発信していきたいと思います!
貴重なご意見を頂きありがとうございました!