胃の不調や消化器の不調から酒さの症状が悪化する事もあるようですが、そんな胃の不調の原因となるピロリ菌。
酒さと直接の因果関係は認められていませんが、ピロリ菌が引き起こす胃腸の不調は酒さ症状を悪化させるとの論文が出ています。
酒さに限らず内臓的な不調を促進するピロリ菌ですが、明治乳業から出ているヨーグルト『LG21』にピロリ菌の静菌効果があります。
ヨーグルトだけで完全な除菌ができるわけではありませんが、ピロリ菌の活動を抑制し、除菌の成功率を上げることができるという優れものです。
もくじ
LG21とは
LG21は東海大学医学部の古賀教授の研究によって、ピロリ菌の活動を抑制させる効果があることが分かった乳酸菌です。
LG21はラクトバチルス属に分類される乳酸菌で、ラクトバチルス属には抗ピロリ菌効果が認められています。
そのラクトバチルス属の中でも高い効果を持つのが、LG21乳酸菌。
ラクトバチルス属の菌株に抗ピロリ菌作用があることを確認した古賀教授が、明治乳業とわかもと製薬の協力を得てさらに研究を進めて開発されました。
明治乳業が持つ2,500種類の乳酸菌の中から、様々な指標で実験を繰り返し、最もピロリ菌の制菌効果の高いものを選びました。
それが『乳酸菌LG21株』。
正式名称は『Lactobacillus Gasseri(ラクトバチルスガッセリー)OLL2716株』というそうです。
明治乳業との共同研究なので、LG21ヨーグルトも明治乳業から製品化されています。入手困難なものでもなく、普通にスーパーで売っています。
LG21ヨーグルトはピロリ菌に強い
さて、そのLG21のどんな点がピロリ菌に強いのかというと。
LG21は酸に強い
LG21は酸に強く、胃の中で生き残る力が強いです。明治乳業のLG21ヨーグルト公式サイトでも、真っ先に「胃で生き残る力が強い」と出てくるほど。
胃の中は強力な酸性で普通の菌は生きていることができませんが、ピロリ菌はその胃酸の中でも生きられるという強力な菌です。
LG21はそのピロリ菌よりも耐酸性に優れており胃酸に強いため、ラクトバチルス属の持つ抗ピロリ菌作用を十分に発揮できます。
LG21に限らず高い効果を発揮するプロバイオティクス食品には、胃酸に強く、生きて腸まで届くという特徴があります。
LG21は胃の中に留まりやすい
LG21は胃の上皮細胞への接着機能に優れています。
つまり、胃の粘膜にくっつく力が強いので、すぐに消化されず長く胃の中に留まって効果を発揮してくれます。
ピロリ菌は胃の中に住み続ける菌ですが、LG21も胃の中に長くとどまるため、ピロリ菌に対して高い効果を発揮します。
LG21は乳酸菌の生産量が多い
LG21は乳酸菌の生産量が多く、胃の中で多くの乳酸菌を増殖させるため、ピロリ菌に対して優れた殺菌作用を持つ乳酸菌がたくさん作れます。
LG21は低栄養でも増殖できる
加えてLG21は、低栄養でも増殖できるという特徴があります。加えて高い増殖力もあるため、栄養の少ない胃の中でもしっかりと増殖できます。
LG21は副作用がない
一般的にピロリ菌の除菌には、高濃度の抗生物質を1週間ほど服用し続けます。これは強力な胃酸の中でも生き続けるピロリ菌を除菌するために避けて通れない道です。
そのため、抗生物質の副作用で下痢や軟便、味覚異常、人によってはアレルギー反応などを起こすこともあります。
抗菌薬によって腸管が刺激され腸内細菌のバランスが大きく崩れますので仕方ないのですが、この副作用はピロリ菌除菌の大きなネックとなります。
LG21は薬と違ってプロバイオティクス食品のため、そういった副作用のリスクなくピロリ菌にアプローチできます。
LG21ヨーグルトで行ったピロリ菌除菌の臨床結果
LG21では、ピロリ菌に対する効果の臨床試験を行っています。
対象:ピロリ菌の感染者30人
方法:LG21を含むヨーグルトと含まないヨーグルトを連続で食べて、ピロリ菌の活動を比較する
期間:8週間ずつ
量:ヨーグルト90gを1日2回
上記のような条件で臨床試験を行ったところ、LG21ヨーグルトを食べた後では、食べる前よりもピロリ菌の活動が抑制された上、胃の炎症が改善されました。
LG21ヨーグルトを食べたピロリ菌保菌者の67%に改善が見られたそうです。
こういった結果を踏まえると、LG21によるピロリ菌の抑制作用や胃粘膜の炎症改善効果には、一定期間継続して摂取することが望ましいとされています。
LG21とピロリ菌除菌の併用で除菌成功率が上がる
さらに通常のピロリ菌除菌にLG21ヨーグルトの摂取を併用すると、除菌の成功率が上がるということも分かっています。
対象:229人のピロリ菌感染者比較:通常の除菌治療のみのグループと、通常の除菌+LG21(90gx1日2回)のグループ
期間:治療を行う前3週間と治療期間中の1週間、LG21ヨーグルトを食べる
こちらも同じ教授による臨床試験ですが、ピロリ菌除菌治療にLG21ヨーグルトを併用しています。
LG21を食べていないグループより、食べたグループの除菌率が10%ほど上回る結果が出ました。
ピロリ菌の一次除菌に成功する確率は7割程度とされていますから、それが10%押し上げられるとなるとかなり効果的ですね。
LG21ヨーグルトの効果的な摂りかた
効果が出たと言われている臨床試験では、1回90gのヨーグルトを1日2回食べています。
これを市販のLG21ヨーグルトに置きかえると、カップ約2個弱。1個が112gですので、やっぱり1日2カップ食べるのが望ましいですね。
これをなるべく継続的に摂取していきたいところです。
ピロリ菌の除菌率が上がったとされる臨床試験では、除菌治療の3週間前からLG21を食べています。
そのため、これに倣って除菌治療3週間前から食べ始めるのが効果的と言われています。
ただ、ピロリ菌の除菌は計画的に行う場合もあればそうでない場合もあり、何らかの検査でピロリ菌が見つかったので除菌しよう、となる場合も多いです。
急にピロリ菌除菌に踏み切る場合は3週間前から食べることはできませんので、気づいた時から食べ始めるようにしましょう。
また、除菌判定を待つ間に食べて少しでもピロリ菌の抑制効果を高めたり、1次除菌失敗後に食べて2次除菌の成功確率を上げるようにしてもいいです。
無事にピロリ菌の除菌に成功した後も、続けていくことによって再発のリスクが減少します。
ずっと1日2カップ食べ続けるのは金銭的な負担も大きくなってくるため、除菌成功後は量を減らしてもいいように思います。
LG21ヨーグルトの種類とコスパ
LG21には低脂肪タイプやアロエ入りタイプ、ドリンクタイプと多くの種類があるので自分の好みにあったものを選んで食べることができます。
私は脂質制限もしなくてはいけないので、主に低脂肪のタイプをチョイス。アロエ入りのものは果肉も入っておいしいです。
最近は食欲がなく食べるのがおっくうなので、そういう時にはドリンクタイプがいいですね。スプーンがいらないので洗い物をしなくていいという利点もあります。
値段は地域によっても変わると思いますが、うちの近所のスーパーで1つ120円程度。
1日2カップ食べ続けようと思うと月に7,200円かかる計算になります。そこらのサプリ顔負けのお値段・・・。サプリで出してくれないものでしょうか・・・。
1日1カップで3,600円かかりますので、プロバイオティクスの乳酸菌サプリと同じくらいのお値段になってきますね。
酒さのプロバイオティクスとLG21
酒さ、酒さ様皮膚炎に対してのプロバイオティクスというと、顔の赤みに対して特許を取っているLFK乳酸菌が気になるところです。
LFK乳酸菌に関しては、顔の赤みや腸内改善に役立つという側面があります。
腸内環境が整うと肌へも好影響が出ますから、酒さで腸内バランスを整えるのであれば、第1選択肢が酒さ特許を取っているLFK乳酸菌になってきます。
LG21乳酸菌はLFKと違い、ピロリ菌の静菌作用に特化した乳酸菌。ピロリ菌が酒さの悪化要因となっている場合は、LFKよりも効果を発揮することも考えられます。
酒さは原因や体質が個人によって全く違うため、同じ酒さであっても効くものと効かないものが違います。
胃の不調や消化器系の不調から顔の症状がひどくなっている場合には、LG21を試してみてもいいかもしれません。
LFKとLG21を併用しても問題はありませんので、除菌期間中だけは併用してみるなどの工夫もできるかと思います。(ずっとだと金銭的に辛いです・・・・)
まとめ
ピロリ菌除菌中なので、少しでも除菌率を上げるためにLG21を摂取しているのですが、私の場合、お通じの改善効果はカルグルトの方が高いです。
酒さの肌を整えるためにもヨーグルトのような乳酸菌(プロバイオティクス)は欠かせませんが、ピロリ菌除菌と並行しようと思うと色々と難しいです。
酒さ対策のプロバイオティクスを意識して摂るか、胃腸を整えることを意識するか。
どちらにせよ、整腸作用や胃腸の改善などが見られない場合はその菌種が自分に合っていない可能性が考えられます。
ピロリ菌の除菌が落ち着くまではLG21をメインで取りつつ、顔の赤みやお通じの改善効果も感じているLFKはサブで、という形でやっていこうかと思います。