乳酸菌の一種であるLFKが酒さに効くという話題を目にすることがあります。
LFKは「酒さ治療剤」として特許を取得しており、臨床試験データでは酒さの改善率67%というデータを出しています。
また、LFKは11種類もの特許を取得しており、その中には「色素沈着抑制剤」や「アレルギー抑制剤」といった酒さ症状に関係の深い項目も。
そもそもLFKは製薬会社で30年以上研究・開発されており、高い信頼性と安全性を兼ね備えている成分です。
臨床試験は抗生物質(ミノマイシン)で効果が出なかった酒さ患者さんを選んで行われており、ミノマイシンよりも安全で副作用がなく、ミノマイシンが効かない患者さんにも有効です。
今回はLFKの効果や特徴のほか、酒さや赤ら顔、大人ニキビに効く理由を紹介していきたいと思います。
もくじ
乳酸菌が酒さや赤ら顔、大人ニキビに良い理由
乳酸菌が酒さに良い理由はいくつかあり、酒さ患者の特徴として腸内環境が悪いことが指摘されていたり、そもそも酒さの発症原因の一つとして小腸細菌異常(SIBO)が挙げられていたりします。
また、酒さ患者はある種の免疫異常を抱えていることも指摘されており、免疫改善が酒さ改善にも繋がります。この免疫を改善するのに重要なのも、腸内環境。
こういったことから、腸を整えることは身体の健康だけでなく、酒さ症状にも大きな関係があるとされています。
腸内環境の改善は腸内フローラを整える効果が高く、デトックスにも繋がりますので美肌に欠かせない要素です。
LFK乳酸菌(乳酸菌FK-23菌抽出物)とは
乳酸菌LFKというのは乳酸菌抽出物の1種でフェカリス菌を酵素分解したもの。乳酸菌そのものではなく、乳酸菌抽出物です。
フェカリス菌を酵素で分解してあるので乳酸菌抽出物。
そもそもLFKは、フェカリス菌を特殊処理によって細かくしたものなのです。
フェカリス菌の中でも「エンテロコッカス・フェカリスFK-23菌」を酵素分解してあります。
LFKの名前の由来もFK-23菌から来ており、FK-23を溶かした(Lysed = 溶解する)物質ということでLFKとなっています。
LFKとフェカリス菌(フェカリスFK-23菌)
フェカリス菌というのは乳酸菌の一種です。正式名称をEnterococcus faecalis(エンテロコッカス・フェカリス)と言います。(舌かむ)
乳酸菌製品というのは「生きたまま腸に届くこと」が重要視され、プロバイオティクス食品としても注目を浴びています。
生きたまま腸に届かなくても、善玉菌のエサとなってくれたり、腸の運動を活性化してくれたりするため無意味ではありません。
無意味ではないものの、生きたまま腸に届いた方が効果は高く、フェカリス菌に関しては菌の形が「球菌」という丸い形であるため、一度にたくさんの摂取をすることに適した形をしています。
その中でもフェカリスFK-23菌は健康なヒトの腸内に多く常在する乳酸菌で、フェカリス菌の特徴である丸い形状を持っています。
フェカリスFK-23菌というのはフェカリス菌のFK-23株ということ。
乳酸菌は菌の種類もさることながら、株の種類によっても効果が違います。そのためヨーグルト一つとっても多くの会社から「○○菌××株」のような商品が発売されているのです。
フェカリスFK-23菌で注目すべきは、加熱殺菌処理をしていても効果があること。そのため生きたまま腸に届きやすい乳酸菌として注目されています。
フェカリス菌は加熱殺菌されていても効果があると研究結果が出ており、そのフェカリス菌のの加熱処理を用いた研究が、このFK-23株で行われました。
その結果として、FK-23菌が免疫調整作用に関わる多くの特許を取得しており、さらに研究を進めたのがLFKということになります。
つまりどういうことかというのを一言で表すと、以下のように思えばいいかと思います。
LFKの特許:酒さ治療剤
LFKは臨床試験データに基づき酒さ治療剤としての特許を取っています。
LFKの研究を進めて特許を取っているのがニチニチ製薬さん。製薬会社で研究されているんですね。加熱処理乳酸菌の分野に詳しく、機能性食品の研究や開発を行っているようです。
LFKと酒さの臨床試験
LFKで酒さ治療剤としての特許を取るためには臨床試験が必要です。
特許を取っているデータは公開されますので、酒さ治療剤としての臨床試験データはニチニチ製薬さんのホームページで確認できます。
酒さ治療剤(特許第2944662号)
【臨床例】
皮膚科の病院に通院している、酒さと診断され、ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生剤)で治療しても効果がみられなかった33~71歳の患者15名に、LFKを含んだ製剤を毎日内服してもらいました。 28日後、主治医が著効、有効、やや有効、不変および悪化の5段階で効果を判断しました。【結果】
患者15名中著効と判断された患者は2名(全体の13%)、有効と判断された患者は4名(全体の27%)およびやや有効と判断された患者は4名(全体の27%)で改善率は67%でした。一方、症状が悪化したと判断された患者は一人もいませんでした(表1)。
被験者は皮膚科医に「酒さ」と診断を受けた立派な酒さ患者で、28日間の服用ののち、主治医によってきちんと効果の判断が行われています。
その結果としてどのくらい改善したかが以下の表のとおり。67%の人は程度の差こそあれ改善したようです。さすがに悪化したと診断された方はいませんね。
改善度 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
著効(とても改善) | 2人 | 13% |
有効(改善) | 4人 | 27% |
やや有効(やや改善) | 4人 | 27% |
変化なし | 5人 | 33% |
悪化 | 0 | 0 |
LFK被験者と酒さ治療におけるテトラサイクリン系抗生物質
LFKの酒さ治療剤としての特許は、テトラサイクリン系の抗生物質が効かなかった人を選んで行われています。
被験者に抗生物質を投与しても改善が見られなかった人を選んでいる点も、酒さ治療剤として新たな可能性が見える点かと思います。
ミノサイクリン(テトラサイクリン)系抗生剤というのはミノマイシンやビブラマイシンという抗生物質のこと。酒さや酒さ様皮膚炎で皮膚科にお世話になるとほとんどと言っていいほど処方されるので、多くの酒さ患者さんが服用した経験があります。
酒さや酒さ様皮膚炎で炎症やブツブツを抑えるために用いられますが、長期服用になってしまう点が懸念されていますし、副作用もきついうえ、効き目にも個人差があります。
LFKで酒さ改善がされれば抗生物質の長期連用や耐性菌、副作用などのデメリットが解消されます。
ただし、効果のなかった患者さんも33%いらっしゃいますので、特効薬にはならなそうですね。
LFKの特許は酒さやスキンケアに関係が深い
LFKは酒さ治療剤のほか、間接的に酒さやスキンケアに関係する作用で多くの特許を取っています。
例えば「色素沈着抑制剤」として取得している特許は、酒さのシミや炎症後色素沈着の対策に役立ちます。
また「抗アレルギー剤」として取得している特許は、アレルギー反応を起こしがちな酒さの体質改善に役立ちます。アレルギー反応は酒さの悪化要因でもありますので、アレルギーを抑えることで酒さの悪化を防ぐことができます。
酒さの改善につながるLFKの特許:シミ対策
LFKは酒さ特許だけでなく色素沈着抑制剤としての特許も取っています。(特許第4326905号)
色素沈着剤としても有効であるということはシミやそばかすの改善が見込めるということです。
酒さと関係のある部分では、炎症後色素沈着。
長い間皮膚が炎症していると肌が赤黒くなってしまいますが、これが炎症後色素沈着です。
酒さや酒さ様皮膚炎の治療には長期の期間が必要とされており、炎症後色素沈着も起こりやすいです。
LFKは直接的に酒さ症状の改善をしてくれる他、酒さの結果として起こってしまう可能性の高い炎症後色素沈着にも有効、という結果を持つため、酒さ患者には期待の大きい乳酸菌です。
酒さの改善につながるLFKの特許:抗アレルギー
酒さを発症しているとアレルギー反応を起こしがちであり、アレルギーは酒さの悪化要因のひとつでもあると言われています。
LFKは「抗アレルギー剤」としての特許を取っていますので(特許第3040744号)、酒さで起こしやすいアレルギー反応を抑え、酒さを悪化しにくくする効果があります。
抗ヒスタミン剤と併用することによってアレルギー反応の抑制効果が高まるというデータが出ていますので、酒さのかゆみや掻きむしり対策にも繋がります。
酒さの改善につながるLFKの特許:免疫活性
酒さは未だに原因のはっきりしない皮膚疾患であり、体質的な要素が大きく関わっていると言われています。
原因のひとつとして挙げられているのが「免疫異常」。
酒さの患者さんはある種の免疫異常を抱えているため、皮膚常在菌のバランスが保てず炎症を起こしてしまうという説です。
LFKは感染防御剤としての特許(特許第2969017号)も取っており、免疫を活性化させることが実証されています。
免疫が上がることによって酒さの原因である免疫異常が起こりにくくなるため、間接的に酒さの改善が期待できます。
酒さの改善につながるLFKの特許:デトックス
LFKは「毒素軽減剤」としての特許を取っています。(特許第3040699号)
毒素の分解を行う腎機能の障害や体重減少を抑え、腎臓の組織減少観察でも腎機能の障害が抑えられたというデータを提出しています。
毒素を軽減する役割があるのでデトックスにつながり、間接的にスキンケアにも役立ちます。
酒さの改善につながるLFKの特許:血圧降下剤
酒さの原因や症状の一つに、毛細血管の拡張が挙げられます。
酒さは毛細血管が異常に拡張した結果、常に炎症を起こして皮膚のバランスが崩れてしまう病気でもあります。
そのため、酒さと血管や血流には重要な繋がりがあります。
高血圧症や高脂血症などの血管異常は酒さの悪化につながりますし、血中の糖分や脂質を抑えることは酒さの改善につながります。
LFKは血圧降下剤としての2種類の特許を取得していますので、高血圧気味の場合には血管への負担を抑え、丈夫な血管を作ることで酒さの改善効果が期待できると考えられます。(特許第2889481号)(特許第2889491号)
LFKの特許一覧
LFKには上記の特許も含め11種類の特許があり「血圧降下剤」では2種類の特許を取っています。
特許一覧は以下のようになっています。
特許名 | 症状 |
---|---|
酒さ治療剤 (特許第2944662号) | 酒さ、赤ら顔 |
色素沈着抑制剤 (特許第4326905号) | シミ・老人性色素沈着 |
抗アレルギー剤及びその製造法 (特許第3040744号) | 花粉症、各種アレルギー症状 |
感染防御剤 (特許第2969017号) | 免疫活性 |
毒性軽減剤 (特許第3040699号) | 腎機能障害、毒素排出 |
血圧降下剤 (特許第2889481号) (特許第2889491号) | 高血圧 |
Ⅱ型肺胞上皮細胞活性剤 (特許第5451703号) | 肺炎 |
C型肝炎治療剤 (特許第2712000号) | C型肝炎 |
抗腫瘍剤及びその製造法 (特許第3040711号) | ガン |
白血球減少治療剤 (特許第3272023号) | 白血病 |
LFKのメリット、デメリット
LFKのメリット
- 酒さ、赤ら顔、ニキビの改善ができる
- 抗生物質が効かないタイプでも効果が出る
- 副作用の心配がない
- 長期服用が可能
- 腸内フローラが整う
LFKは直接的にも間接的にも酒さや赤ら顔、大人ニキビの改善に役立つ成分です。
抗生物質が効かないタイプの酒さにも効果が出る可能性がありますし、酒さそのものだけでなくシミや体質改善にも役立ちます。
また、抗生物質やステロイドのように副作用を心配する必要がなく、安心して摂取することができます。
副作用がないため長期間服用することも可能で、うまく使うことによって酒さの症状をコントロールできる可能性が高まります。
また、抗生物質のように腸内細菌を殺してしまうことがなく、却って腸内フローラを良くしてくれるので間接的もあらゆる体質改善に役立ちます。
LFKのデメリット
- 成分が高額
- 配合量を増やすと経済的負担も増す
- LFK配合商品が少ない
LFK、FK-23菌はニチニチ製薬が独自に研究・開発、製造を行っている乳酸菌抽出物です。
一般的に広く普及している種類の乳酸菌株ではないため、成分が高価です。
LFKやFK-23菌を使用した商品を販売する際にはニチニチ製薬への特許料が必要になるため、一般的な乳酸菌よりも高額になる傾向があります。
また、大きな効果を得るためにはLFKの量を増やすのが一番ですが、成分が高価なためLFKの量を増やすと経済的な負担が大きくなるというのも難点です。
そのためLFKを配合した商品は種類も少ない上、あっても高額か少量かという問題が控えています。
まとめ
LFKが酒さに効く理由はきちんと臨床試験に基づいて行われています。
ただでさえ乳酸菌は腸内フローラを整えて免疫改善にも繋がり、その結果としての酒さ改善も見込めます。
そうなるとせっかく乳酸菌を取るのであれば、乳酸菌の中でもLFKを摂取したくなると思います。
LFKを配合している、というサプリはすでに発売されていて酒さ対策サプリとして有名です。
一定の効果を感じる方も多く、効いているか分からなかったけれど止めたら悪化した、というような話も聞きます。
サプリというのは薬と違って効き目が穏やかですから、効いている時は分からなかったとしても、飲み止めると調子が悪くなったりするんですよね。
酒さ対策に腸内改善を考えている方や乳酸菌の摂取を考えている方は、まずはLFK配合の乳酸菌サプリから試してみるといいかと思います。
LFKを配合して酒さ対策の乳酸菌サプリとしているのが