ビタミンCと言えば美肌ビタミンの王様です。食べても塗っても肌に良い効果をもたらし、美白作用や抗酸化作用といった美肌のための効果が目白押し。
ビタミンBと並んで皮膚科でも処方されるビタミン剤で、皮膚治療薬としての実績もあります。そのため、酒さや酒さ様皮膚絵の治療でビタミンBと共に処方されることも。
そんなビタミンCを飲んだり食べたりした場合、どんな効果があるかを紹介したいと思います。
成分としてのビタミンCや、ビタミンCとビタミンC誘導体の違いに関しては以下の記事をご覧ください。
もくじ
ビタミンCとは
ビタミンCは水溶性ビタミンに分類されるビタミンで、水に溶けやすい性質を持ちます。
水に溶けやすいため汗や尿で排出されやすく、過剰に摂取した分は体外に排出されると言われていますので、過剰摂取の心配があまりありません。
ビタミンCは体内で合成することができないため、主に食事やサプリなどで外部から摂取しなくてはなりません。
ビタミンCの特性として、強い酸性を持っていることや、非常に壊れやすいことが知られています。
酸にもアルカリにも弱く、熱や光や酸素によっても破壊されてしまいます。また、飲酒や喫煙、ストレスなどでもビタミンCは消費されていきます。
このようなことから、肌のためだけでなく身体のためにも積極的に摂取しておきたいビタミンの一種です。
ビタミンCの効果
ビタミンCの効果には以下のようなものがあります。皮膚に関係した項目が非常に多く、美肌ビタミンとして注目される理由が分かります。
- 抗酸化作用
- 美白作用
- コラーゲン生成促進
- 抗炎症作用
- 皮脂分泌抑制
- 疲労回復
抗酸化作用
ビタミンCには優れた抗酸化作用があります。抗酸化作用というと分かりにくいですが、分かりやすい言葉に置き換えるとアンチエイジング。
抗酸化作用というのは細胞の活性酸素を防ぎ、酸化を防止します。細胞の酸化は例えると細胞が錆びてしまうこと。良く言われる錆びにくい身体を作る、ということですね。
酸化は細胞の老化を促進するものですので、これを防ぐことによって老化を防ぎ、アンチエイジング効果が期待できます。
また、酒さ肌には大敵の紫外線も活性酸素を発生させます。そのためビタミンCの抗酸化作用は、紫外線ダメージの軽減も期待できます。
美白作用
ビタミンCの美白作用もとても有名です。
ビタミンCはメラニン色素の生成を抑えるだけでなく、優れた還元作用によってメラニン色素の色を元に戻します。
メラニン色素に対して2つの面からアプローチできるため、非常に高い美白作用を持ちます。
コラーゲン生成促進
ビタミンCはコラーゲンの生成を促進します。
コラーゲンは肌の真皮にあり、肌の弾力とハリに大きな関係を持ちます。ビタミンCはそのコラーゲンの生成を助けているため、ビタミンCが不足するとコラーゲンの生成がうまくいかず、シワやたるみの原因ともなります。
そのため、ビタミンCにはシワの予防や改善の効果が期待できるだけでなく、肌の弾力、ハリ、キメを改善する効果も期待できます。
抗炎症作用
ビタミンCには抗炎症作用があり、ニキビの炎症を抑えてくれます。
活性酸素を分解するという抗酸化作用とともに働くことで、ニキビ跡の色素沈着も防ぎます。
皮脂分泌抑制
ビタミンCには皮脂分泌を抑制する作用もあります。毛穴の皮脂分泌を抑え、ニキビをできにくくします。
皮脂分泌を抑制することで皮脂腺が広がるのを抑えるため、毛穴の改善も期待できます。
抗炎症作用や抗酸化作用と共に働くことで高い美肌効果が期待できます。
疲労回復
ビタミンCには疲労を回復させる働きがあります。
ストレスを感じると活性酸素が発生します。疲れがたまった状態では大量の活性酸素を発生させると言われています。
ビタミンCは優れた抗酸化作用でこの活性酸素を除去してくれるとともに、疲労回復に役立つ副腎に働きかけ、鉄分の吸収を助けて血流の改善も図ります。
副腎はストレスに抵抗するために副腎皮質ホルモンを分泌しますが、ビタミンCはその生成を助けます。
また、ビタミンCには鉄分の吸収を助けて貧血を予防する作用がありますので、赤血球の生成に関わり、疲労やだるさを予防することができます。
ビタミンCの欠乏
ビタミンCは元々壊血病に関係のあるビタミンとして発見されました。
ビタミンCが欠乏するとコラーゲンが作られなくなり皮膚が正常に機能しなくなります。そのため、歯ぐきから出血したり歯が抜けるようになったりなどの症状が見られるようになります。
更に欠乏症が進むと精神障害も引き起こすことが知られています。
そこまでいかなくてもコラーゲンの生成に関わるという特性上、不足すると肌のハリや弾力を失いシワやたるみの原因になる他、肌の老化も招きます。
ビタミンCの摂取量
ビタミンCを栄養素として摂取する際に必要な量は、15歳以上の成人で1日の推奨量が100mg、妊婦では110mg、授乳婦では145mgとされています。これは推奨量で、これだけ摂っておけば大丈夫、という基準です。
必要量 | 推奨量 | |
---|---|---|
15歳以上の成人 | 85mg | 100mg |
妊婦 | +10mg | +10mg |
授乳婦 | +40mg | +45mg |
では、上限量はどうかというと、ビタミンCは水溶性ビタミンで相当の大量摂取を行っても過剰摂取は起こらないとされています。こういったことから日本ではビタミンCの上限量が定められていません。
ただし、一度に3~4gのビタミンCを摂取すると下痢や腹痛など、胃腸への影響が認められたそうです。
参考厚生労働省 - 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
ビタミンCの効率的な摂りかた
ビタミンCの豊富な食材
ビタミンCの豊富な食材には以下のようなものがあります。
- パプリカ
- ゆず
- アセロラ
- パセリ
- 芽キャベツ
- レモン
- ケール
- ピーマン
- モロヘイヤ
- いちご
- ブロッコリー
- 水菜
- カリフラワー
野菜や果物は新鮮なものを
ビタミンCに限らずですが、ほとんどの栄養素は収穫されてから時間が経つと量が減っていきます。
そのため、野菜や果物はなるべく新鮮なものを選んで購入することでより多くのビタミンCを摂取することができます。
主には葉や茎が変色していないか、しなしなしていないかなどをチェックし、鮮度の高いものを購入するようにしましょう。
ビタミンCを含む食材の調理方法
ビタミンCは熱に弱く、加熱するとすぐに壊れてしまいます。
ビタミンCを多く含む野菜を調理する時はこの注意点を踏まえ、加熱時には素早く仕上げるようにしましょう。
またビタミンCは水溶性のため、茹でる時間が長くなればなるほどビタミンCが流れ出てしまいます。
茹でるときも炒めるときも、なるべくさっと済ませらるように調理方法を工夫すると効率よく摂取できます。
ビタミンCを食べる時間
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、血中濃度を保つためにも一度に大量に摂取するよりも、複数回に分けてこまめに摂取する方が効率的です。
また、ビタミンCは食事などから摂ることが前提ですので、複数回に分けるという観点からも3食の食事の後に取り入れるのが理想的と言えます。
とはいえ、毎日そのように意識するのも大変だと思います。
サプリから摂取する場合はタイムリリース型というゆっくり溶けるタイプのサプリがありますので、それを利用することで意識しなくても効率の良い摂取ができます。
また、1日に1回しか摂取しないのであれば、寝る前が効果的です。寝ている間は排泄機能が低下しますし、血中濃度の低下もゆっくりになります。
トイレにもいかないので排出もされづらく、効率よくビタミンCの吸収ができます。
まとめ
美肌ビタミンの代表とも言われるビタミンCですが、さすがに多くの作用を持っています。
ビタミンBも皮膚の正常化には欠かせないビタミンですが、ビタミンBと並んで肌に取っては積極的に摂りたいビタミンではないでしょうか。
皮膚科のビタミン剤にはビタミンBとビタミンCが選ばれているということからも、いかに肌にとって重要なビタミンか分かるのではないでしょうか。
酒さや酒さ様皮膚炎では、顔の皮膚に直接炎症を起こしている事も多く、美肌という観点でなく治療という観点からもビタミンCの摂取をしていきたいところ。
サプリに限らず食事からも積極的に摂取できるよう、心がけていけるといいかと思います。