亜鉛は肌の新陳代謝を助けるミネラルのため、酒さや酒さ様皮膚炎の改善にも役立つ栄養素です。
肌を作るための細胞合成で消費されるため、酒さのように慢性的に炎症を起こしている肌では通常よりも多く使われるという説もあります。
その亜鉛ですが、栄養素の中でも吸収率の低い事で知られています。
そのため、海外のキレート加工された亜鉛でなくては効果がないとまで言われることも。
そのキレート加工を含め、亜鉛にも吸収率を高めるための工夫が存在します。この吸収率を高めることによって、実際に吸収される亜鉛の量には数倍の差が出ることもあります。
ここでは、亜鉛の吸収率を高める飲み方や、どのタイミングで飲んだらいいのかなどをまとめておきたいと思います。
亜鉛がどのように酒さに有効なのかについては、以下の記事にまとめてあります。
もくじ
亜鉛の吸収率
亜鉛は吸収率の悪いミネラルで、食品からの吸収率は約30%程度と言われています。
つまり、摂取したうちの30%しか吸収されず、10mgの亜鉛を摂取しても体内で使われる亜鉛は3mgにしかならないということです。
この30%という吸収率は色々なところで触れられていますが、数値に関しては研究結果によって、5~10%または20~40%とばらつきがあるようです。
とはいえ、どの研究でも亜鉛の吸収率は良くないという結果が出るようですから、吸収率が悪いミネラルだという点は確かなようです。
亜鉛の吸収部位は十二指腸です。吸収される形は,アミノ酸などの低分子との錯体がもっとも適しているといわれています。その吸収率は,5~10%あるいは20~40%と報告者によりさまざまです。
亜鉛の吸収率を高める栄養素
まずは亜鉛の吸収を高めてくれる栄養素を紹介していきます。
動物性たんぱく質
亜鉛の吸収を高めるためには、動物性たんぱく質との同時摂取が望ましいです。
そもそも亜鉛はたんぱく質の合成に使われる栄養素。たんぱく質と結合している状態の方が吸収力が高まります。
亜鉛が豊富に含まれる食材には牡蠣や豚レバー、牛肩肉など、動物性たんぱく質の豊富な食材がずらりと並びます。
また、たんぱく質の中でも動物性たんぱく質は、亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸や食物繊維の影響を軽減してくれます。
亜鉛は松の実やごま、納豆などのナッツや大豆にも豊富ですが、こういった植物性の食材には亜鉛の吸収を阻害する栄養素も同時に含まれています。
そのため、亜鉛の吸収率に関しては動物性たんぱく質との相性が抜群。
亜鉛は、肉や魚介類から摂る、もしくは同時に摂取することが望ましいです。
クエン酸
亜鉛はクエン酸と一緒に摂ることでキレート作用により、吸収が促進されます。
クエン酸キレートなんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、キレート作用とはミネラルを包み込んで吸収しやすい形に変えること。
クエン酸キレートというのは、クエン酸がミネラルを吸収されやすい形にしてくれることです。
海外のサプリメントには「キレート加工」というものがありますが、これはミネラルを吸収させやすいキレート作用を持った形をあらかじめサプリメントに施してあるもの。日本では認可されていないため、国産のサプリはこの手法は取れません。
そのため、国産の亜鉛サプリにはクエン酸を同時配合するなど、亜鉛のキレート作用を引き出すことのできる工夫がされているものが多くあります。こういったサプリであれば海外のキレート加工品と同様のキレート作用が期待できますので、吸収率も高水準です。
ディアナチュラやDHCに代表されるようなDSサプリにはそこまでの工夫はありませんので、亜鉛の吸収率に関してはかなり低水準だと予想されます。
ビタミンC
ビタミンCはクエン酸のキレート作用を助ける働きがあります。
そのため、クエン酸とビタミンCを同時に摂取することによって、亜鉛の吸収率はさらに高まります。
牡蠣にレモンをかけて食べるというのは、亜鉛の吸収率を高める観点から非常に有効です。人間は自然に吸収率の上がるような食べ方をしているものなのですね。
また、ビタミンCは亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸と亜鉛の結合体の不溶性を低下させ、吸収効率を上げる働きがあります。
その他、ビタミンCには多くの美肌効果があり、亜鉛と共通している効果もあります。ビタミンCはコラーゲンの生成を助けて肌のターンオーバーを整え、代謝の促進にも貢献します。
そういった作用は亜鉛にも共通する作用であるため、ビタミンCと亜鉛は吸収率を高める上でも肌を作る上でも相性の良い栄養素です。
亜鉛の吸収を妨げる栄養素
さらに、亜鉛の吸収を妨げる栄養素を紹介します。吸収が阻害されるものは割と多くあり、これも亜鉛が吸収されにくいと言われる原因の一つです。
フィチン酸
穀物や豆類が原料の製品に多く含まれているのがフィチン酸です。フィチン酸には抗酸化作用の他、血液をサラサラにしてくれる作用もあります。
亜鉛などのミネラルとの相性が悪く、ミネラルとの結合力が高いため、体内への吸収を阻害してしまいます。フィチン酸と結合した亜鉛は、水に溶けなくなってそのまま体外に排出されてしまいます。
フィチン酸は以下のような食べ物に多く含まれています。
- 穀物
- 豆類
そのため、和食との相性が悪そうですが、フィチン酸は発酵させたり水に漬けておくと中和され、ミネラルと結合しなくなります。
フィチン酸を取り除く調理法は以下の通り。
- 水に一晩漬ける
- 発酵させる
- 発芽させる
穀物や豆類は水に漬けておくことも多いですし、玄米であれば発芽玄米なんてものがあります。納豆のような発酵食品なら、同じ豆類でもフィチン酸の影響を軽減させながら食べることができますね。
ポリリン酸
ポリリン酸は加工食品に多く含まれる食品添加物です。
ポリリン酸が多く含まれるものにはリン酸塩(Na)や乳化剤が挙げられます。
リン酸塩(Na)はかまぼこやハム、ソーセージなどの肉の保水性や決着性を高めるために使われます。その他、アイスクリームやチーズ、炭酸飲料などにも使われています。
乳化剤は水と油を混ぜる性質を持つため、多くの加工食品に使われている食材です。
ポリリン酸は亜鉛の吸収を阻害するだけでなく、体内の亜鉛を排出させるという性質も持ちます。
加工食品の発達や食事の欧米化に伴って日本人の亜鉛不足が問題視されるようになりましたが、それにはこういった背景も存在しています。
酒さやアトピーなどは加工食品をなるべく控えるように、と言われるのも、肌に必要なミネラルを排出させてしまうという側面があるから。
対処法としてはなるべく加工食品を食べず、自然のままの食材を調理するように心がけましょう。
食物繊維
食物繊維は腸内のぜん動運動を助け、糖質や脂質の吸収を穏やかにするという作用があります。
血糖値の急上昇を防ぐほか、コレステロールのように余分な脂質を吸着して排出し、胃の粘膜を守ったり、善玉菌を増やすことによる整腸作用もあります。
このため、酒さの肌にも効果的な場合が多く、食後に赤みが増したり食べ物で酒さが悪化する場合に食物繊維が助けになることも。
特に難消化性デキストリンに代表されるような水溶性食物繊維は、適切な量を摂取していればミネラルの吸収を促進してくれます。
難消化性デキストリンはCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)の吸収を促進することが動物実験で確認されています。
ただし、亜鉛と相性の悪い食物繊維というのも存在しており、以下の2種類の食物繊維は亜鉛の吸収を妨げると言われています。
- 穀物類の食物繊維
- 海藻類の食物繊維
そのため、玄米や全粒粉などの未精製穀物や、海苔など食物繊維の豊富な海産物にも要注意。
玄米はビタミンを多く含むため肌に良いという説と、ミネラルを排出するため避けるべきという説の両方がありますが、こういったことを考えるとそれはどちらも正解。
こういった食物繊維は適度な量の摂取であれば問題にならないことも多いので、食事やサプリなどから過度に摂取するのは止めましょう。
タンニン
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれる渋みを感じさせる成分です。タンニンはポリフェノールの一種で、殺菌作用や抗酸化作用などの優れた効果があります。
亜鉛や鉄などのミネラルとの相性が悪く、ミネラルとくっついて吸収を妨げる性質があります。
タンニンを多く含む食品は以下の通り。
- 緑茶
- 紅茶
- 赤ワイン
- コーヒー
- 柿
多くがお茶やワインなどの飲み物ですが、柿のように渋みのあるものにも多く含まれています。
亜鉛サプリはお茶やコーヒーなどと一緒に飲まず、なるべく水で飲むようにしましょう。
シュウ酸
シュウ酸もミネラルと結合しやすいため、フィチン酸と同様に注意が必要です。
代表的な食材には
- ほうれん草
- モロヘイヤ
- さつまいも
- ブロッコリー
- トマト
- 緑茶
- 紅茶
- コーヒー
- ココア
- ナッツ
- 枝豆
などがあり、シュウ酸を含む食材は豊富にあります。
とはいえ、シュウ酸は茹でるだけで水に流れ出るので、ホウレン草やモロヘイヤなどの食材は茹でて調理することで亜鉛の吸収阻害を軽減することができます。
カルシウムなど他のミネラル
カルシウムに限らず、ミネラルというのは体内で一度に吸収できる量が決まっています。
カルシウムなら何ミリまで、亜鉛なら何ミリまで、と個別に吸収量があるわけではなく、ミネラル全てで一つのレセプター(受容体)を使っています。
つまり、亜鉛はそれほど摂取していなくても、カルシウムやマグネシウム、鉄など他のミネラルを大量に摂れば亜鉛は吸収されなくなるということ。
過剰摂取にさえ注意していればそれほど気にすることはありませんが、サプリなどで量が過剰になりやすい場合には要注意です。
亜鉛サプリの飲み方
亜鉛はビタミンCやクエン酸、動物性たんぱく質と同時に摂ることで吸収率が上がります。
そのため、食べ物が消化される際に亜鉛を吸収できるよう、食事の15分前くらいがベストだと言われています。
亜鉛の成分が15分程度で吸収されますので、それに合わせた食事もしくはサプリの服用が最も効率的です。
また、その際にはタンニンやシュウ酸を含むお茶や紅茶、コーヒーなどで飲むことはせず、白湯か水で飲むことが推奨されます。
また、亜鉛というのは吸収力が悪く、体内に蓄積しづらい栄養素です。吸収力が悪いため、一回で吸収される量もある程度限られており、亜鉛を体内に蓄積しておく仕組みも豊富ではありません。
そのため、1日のうちで大量に摂取するよりも、こまめに複数回に分けて摂取する方が効率的です。
まとめ
亜鉛は吸収率が悪いため、体内に吸収させるには様々な工夫が必要なようです。
海外のキレート加工品を飲んでみるのも一つの手ですし、クエン酸やビタミンCと同時に摂取するだけでも数倍の効率が上がります。
動物性たんぱく質との摂取でも数倍の効率と言われているため、吸収率を意識しながら飲むことによって亜鉛の効果が出やすくなります。
個人的にはサプリの飲み方(一日何回、や食前食後)などよりも、吸収率を意識した飲み方の方が効果の実感が出やすいように思います。
サプリの飲み方もこだわり始めると2時間おきくらいに何かの栄養素を摂らなくてはいけないサプリ地獄にはまるので、まずは吸収率を意識しながら飲んでみて下さい。
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