酒さよう皮膚炎と診断されたから3ヶ月ちょっと。酒さ様発症以降は3回ほど病院にかかりましたが、妊婦の為処方される薬は決まっています。初回に処方してもらったお薬をそのまま継続、という形で診察が続いており他の薬を出されることはありません。
恐らく産むまではこのまま継続すると思われますので、今回は私が処方していただいているお薬を効果の実感と共にまとめてみたいと思います。私個人の感想が大きくウェイトを占めます。
現在処方されている薬
- フラビタン(ビタミンB2)
- ピドキサール(ビタミンB6)
- シナール(ビタミンC)
- 十味敗毒湯(漢方)
- ヒルドイド
の5種類になります。ヒルドイドは保湿剤のため今回は経口摂取する4種類を見ていきたいと思います。
どれも酒さ様皮膚炎の治療に使われる一般的なものですが、妊婦の為ミノマイシンなどの抗生物質は処方されません。お医者さまは妊婦じゃなきゃ使いたそうでしたが、妊婦じゃなかったとしても「ミノマイシンの長期使用はしたくないんですよね」とはっきりおっしゃってました。
ミノマイシンは私の元々の皮膚疾患であるニキビには絶大な効果があるのですが、妊娠を期にミノマイシンが飲めなくなり、ステロイドに頼ってしまった結果酒さ様皮膚炎を発症しています。
また、初回の診察時にはロコイドというステロイドを渡されていますが、2回目以降ステロイドの処方はなくなりました。酒さ様皮膚炎はステロイドが原因の病気ですので、酒さ様にステロイドを処方する医師はいい医師ではないという意見もあります。
私の場合は、ロコイドを処方されたのも「どうしても、という時だけ。塗るのを止めないと絶対に治らないからね。」と散々釘を刺されながらでした。また、今の顔の状態がこのステロイドで起こっているんだ、というのも一生懸命説明してくださったので、ステロイドを処方されたからと言って不信感はありません。
妊娠と飲み薬
妊娠していると抗生物質が飲めないだけでなく、ビタミン剤などの飲み薬は処方されにくくなります。
私の通っていた皮膚科でも、妊娠を伝えるとそれまで飲んでいたビタミン剤の処方を止められかけました。ビタミン剤に関しては事前に産婦人科の医師に確認を取っていたため、今までどおり処方して頂ける事に。
漢方薬に関しても同様です。私は妊婦で抗生物質が飲めないため漢方薬を希望したのですが、処方して頂く際には「希望があるから処方するけど、必ず産婦人科のお医者さんに聞いてから飲んでくださいね。今日からの日数分出しますけど、実際に飲むのは先生に聞いてからですよ。」と散々念を押されました。
ビタミン剤3種
- フラビタン(ビタミンB2)
- ピドキサール(ビタミンB6)
- シナール(ビタミンC)
の3種類は処方薬ではありますが、ただのビタミン剤です。市販のビタミン剤でも代用できますし、市販のものの方が配合量が多かったりします。処方薬の方が吸収力に優れているという記事も見かけましたが、具体的にどのくらい優れているかなどは分かりません。
ビタミン剤は酒さ様になる前からずっと飲んでおり、ニキビ治療として処方されていました。ニキビに対する効果はというと、私の場合は予防的な役割を果たしてくれていました。ビタミン剤を飲んだから出てこなくなるという訳じゃないけど飲まないとひどく出てくる、という感じです。
ビタミン剤の効果
このビタミン剤の効果を簡単に理解するには
- ビタミンBは皮膚の再生を助ける
- ビタミンCは酸化ダメージを抑える
と考えるといいと思います。
どちらも皮膚に関係の深いビタミンですが、ビタミンB2は欠乏すると口角炎や口内炎を発症しやすくなるという程、皮膚と密接に関係しています。ビタミンB6はたんぱく質の分解・合成を助け、健康な皮膚や粘膜の健康維持に働くビタミンです。
ビタミンCは美肌ビタミンとして有名ですが、抗酸化作用に優れています。また消炎効果や皮脂抑制作用もあるためにきび治療にも使われており、こちらも皮膚に関係の深いビタミンと言えます。
市販のビタミン剤
手軽に摂取したい場合はマルチタイプのビタミン剤が各社から発売されており、ビタミンB、ビタミンC以外にも身体にいいものが同時に配合されています。1つで様々なビタミンを摂取できるので手軽な反面、単体のものに比べて各種の配合量は少な目です。
配合量の高いものを選びたいなら単体タイプ。ビタミンB2とビタミンB6はビタミンB郡として、ビタミンCはそのものが単体で売られています。これらはサプリメントとして一般的な薬局で簡単に入手することができますし、ビタミン剤はそれほど値段も高くありません。
十味敗毒湯
十味敗毒湯は酒さ様皮膚炎にも良く処方される漢方薬です。読み方が良く分かりませんがジュウミハイドクトウと読みます。漢方薬に関しては体質改善も図れるので、治療が長期に渡る酒さよう皮膚炎との相性は非常にいいです。
十味敗毒湯の効果としては製薬会社のツムラさんのホームページが分かりやすいのでそのまま引用します。
「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、『華岡青洲(はなおかせいしゅう)』という江戸時代の医師が考案した漢方薬で、発赤、腫脹、疼痛、熱感があったり、あるいは化膿し始めの「化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期」、「じんましん」、「湿疹・皮膚炎」、「水虫」に用いられています。
効果・効能
体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:
化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫
効果に皮膚疾患と堂々と記載されており、発赤、化膿や皮膚炎なども酒さ様皮膚炎の症状にマッチしています。
十味敗毒湯の感想
私は今でも飲んでいるのですが、発症直後の膿には非常に良く効きました。私は元の皮膚疾患がにきびの為、ブツブツが膿みはじめるとどうなるか大体の予想がつきます。酒さ様発症直後はありえないくらいの炎症とブツブツに見舞われるのですが、十味敗毒湯を飲んでいたためか膿み自体も小さくブツブツの先端にちょっとだけ。膿もにきびの時よりも早く引いていきました。
だからと言って膿まない訳でもブツブツができない訳でもないのですが、上記3種類のビタミン剤に関しては酒さ様皮膚炎発症前にも飲んでいたので膿に対するアプローチに関してはこの漢方薬のおかげかな、と思っています。2回目の診察時に担当医に聞いてみたら「ビタミン剤と漢方薬の相乗効果だと思うよ」とおっしゃっていました。
十味敗毒湯の効能にはしっかりと「化膿」と記載されていますし、発赤があり化膿することのある皮膚疾患に用いられるという特性からも酒さ様皮膚炎の症状にはぴったりの漢方薬だと思います。特に酒さ様発症直後の炎症と膿がひどい時期に効果が期待できそうです。
まとめ
酒さよう皮膚炎を発症してしまった時に妊娠している場合、抗生物質などの飲み薬は止めたとしても、サプリや漢方薬などはできれば飲んで症状を少しでも改善したいところです。ところが、妊婦だと飲み薬は全くと言っていいほど処方して頂けません。私が処方して頂いている4種類の飲み薬も、産婦人科に確認を取っていなければ処方をストップされるところでした。
酒さ様皮膚炎は治療に時間がかかる上に、妊婦だと抗生物質による治療が行えない為なおさら時間がかかる傾向にあります。
お医者様の立場としては「産んでから治療に専念」というものなのでしょうが、現実を考えると産んだら治療どころじゃありません。産んですぐは授乳などによる睡眠不足でまとまった睡眠時間は2~3時間と予想されるのに、規則正しい生活も何もあったもんじゃありません。産んでから、は他人事の理想論です。産んでしばらくすれば落ちつくのでそれから治療なんていっていたら一体いつになるんでしょうか。
妊婦だとしても行える治療はありますし、サプリや漢方で体質改善を行っていく事もできます。皮膚科のお医者さまはお腹の子に責任を取りたくないので、薬の処方に関しては消極的なのです。皮膚科のお医者さまに産婦人科の領域の事を任せるのは嫌がられます。それは当たり前の事ですので、産婦人科のお医者さまにきちんと確認を取りながら行える治療は行っていきたいですね。