酒さよう皮膚炎を発症してしまったら直ちにステロイドを止め、スキンケアなどは何もせずに過ごすのが改善への近道です。毎日のスキンケアだけでなく洗顔にもその考え方を取り入れたのが水洗顔です。
酒さよう皮膚炎の体験談を見ていても水洗顔で改善したという話はたくさん目にします。今回は、なぜ水洗顔が酒さ様に良いと言われているのかを考えてみたいと思います。
もくじ
水洗顔が良いと言われる理由
酒さ様皮膚炎の症状も時期によって様々ですが、とりわけ初期の炎症期に水洗顔は適しています。脱ステロイド直後は顔が腫れあがり、火傷のような炎症と共に膿を持った発疹が至るところに現れます。
炎症がひどいため、クレンジングや石けんの成分が刺激になります。特に界面活性剤は肌の角質を剥がれやすくするため酒さ様治療中には避けたい成分です。ところが、石けんやクレンジングには必ず界面活性剤が入っています。何故かというと、界面活性剤は汚れを落とす効果があり、石鹸やクレンジングの洗浄機能はこれを利用しているからです。これは無添加石鹸でも同様で、そもそも石けんというものが界面活性剤そのものです。
酒さ様皮膚炎の治療中に最優先するのは念入りなお手入れではなく刺激を避けることです。顔につけるものもシンプルなものほど良い、と考えるといいと思います。
成分をなるべくシンプルに、と考えた場合に水洗顔なら界面活性剤はありません。塩素などで刺激になる可能性まで考えると使えるお水は精製水や浄水器の水しかなくなりますが、水道水でも石けんやクレンジングなどの界面活性剤よりはるかに刺激は少ないはずです。
水洗顔がいいと言われる理由は、スキンケアなどを行うことができない酒さ様の肌でも刺激を与えずに洗える方法だからです。
水洗顔の方法
それでは水洗顔の具体的な方法はどのようなものでしょう。石けんとか使わないで水だけで洗えばいいんでしょ、と思った方はいませんか。私は思いました、ハイ。
一口に水洗顔と言ってもやり方は人によって様々ですが、酒さよう皮膚炎の治療を考えるならなるべく刺激の少ない洗顔法を取り入れるべきです。いきなり水をすくってバシャバシャやらないように注意しましょう。私はやりましたけど・・・・後悔してます・・・・。
Step1
最初は手のひらにすくった水に顔をつけるだけにします。汚れが落ちないように感じますが酒さ様発症直後の炎症期にはそれでいいです。刺激を与えないことの方が優先です。
Step2
慣れてきたらすくった水の中で顔を動かします。水を当てるだけよりはすっきりします。手の指が当たらないように要注意。当たっても汚れを落とそうとして肌をこすってはいけません。
Step3
パシャパシャとゆすげるようになるのは最終段階。ゆすぐ回数を徐々に増やしていきます。水を顔にぶつけるような勢いまでは必要ありません。シャワーを顔に当てるのも止めましょう。冒頭の女性の写真は悪い例ですねw
水洗顔時の温度
水洗顔という言葉からはついつい真水を連想しますが、水洗顔時の温度はぬるま湯を保ってください。少し水温が高いくらいの方が皮脂などの汚れは落ちやすくなります。真水の温度で洗ってしまうと皮脂が落ちない為、ついついこすってしまったりなど、洗い過ぎの原因となります。
どの程度の温度がいいかというと37~8℃。体温より少しだけ高い程度が理想です。体温より高くすることによって皮脂は落ちやすくなりますし、熱いお湯ではないので肌を痛めにくくなります。
実際の37℃のお湯を触ってみると分かりますが、ぬるい、までいかないくらいの湯温です。ちょっと冷たいかも?と感じる程度です。私の感じた感覚なので人によって違うかもしれません。お湯で洗うのに慣れすぎちゃってるんでしょうねー。
俗に言う「ぬるま湯」だとちょっとだけ熱すぎ、それよりもう少しだけ低い温度が理想です。
水洗顔の注意点
石けんやクレンジングでの洗顔に慣れていると水洗顔では物足りず、ついつい汚れを落とそうとしてしまいます。酒さ様治療中、特に初期の炎症期ではこの汚れを落とそうとする行為によって余計に肌が傷つきます。
洗顔時には顔を指を当てないように意識しましょう。
それじゃ汚れどころか膿やリンパ液も落ちないので気になりますが、落とさなくていいです。酒さ様治療中では、肌が汚れていることよりも汚れを落とそうとする行為の方が肌へのダメージとなります。
外出や仕事柄などの理由で落とす必要がある場合にはクリームなどを優しくくるくるとして汚れを浮かせるようにして落とし、肌をこすらないようにして下さい。
水洗顔からの脱却
少し肌が強くなったら、水洗顔からステップアップしてコールドクリームのような肌に優しい洗顔も視野に入るようになります。石けんも肌に優しいものを選べば使えるようになりますし、皮むけ期に入ると顔にくっついている皮を落とす手段があった方が気持ちが楽になります。
無理して落とさなくて良い、という考え方はどの期間でも共通ですが、酒さ様の治療には長期間必要です。どうしても顔をさらして外出しなければいけない用事くらいできるのが当然です。そういった時に落とせる手段があるのと、水洗顔しかできないのとでは気の持ちように雲泥の差があります。
水洗顔を続けたい場合
水洗顔が肌に合った場合には無理して石けんなどを使用する必要はありません。そのままずっと水洗顔でも構いません。
肌断食とか角質培養という美容法があるくらいですし、肌の刺激になる物質を避けることによって美肌になるというのは納得のいく話です。
酒さ様治療中に関して言えばこの考え方が大いに近く、石けんで悪化させるくらいなら水洗顔のままでいいです。
洗浄力の強いクレンジングやピーリングは使用しない
コールドクリームや石けんを使用できるような肌になったとしても、洗浄力の強いクレンジングは使わないほうが無難です。
石けんよりもクレンジングの方が界面活性剤の量が多い傾向にあります。
ピーリングなどはもっての外。やってはいけない行為の一つです。
まとめ
酒さよう皮膚炎に水洗顔がいいと言われる理由を見てきましたが、とにかく肌に刺激を与えないことを考えると水洗顔にいきつく、という感じですね。
私自身の経験からも酒さ様の肌にあれこれとスキンケアを行う事には賛成しかねるので、水洗顔は理にかなった洗顔法だとも言えます。
大事なのは洗顔法ではなく肌を痛めないこと。水洗顔はその手段の一つで、特に酒さ様皮膚炎を発症したばかりの炎症期にはとても効果的な手段だと感じます。