難消化性デキストリン(食物繊維)の効果。酒さの改善につながる理由や効果的な飲み方などのまとめ。

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色とりどりの野菜

酒さを改善させるための食事内容には、食物繊維を多く含む食品を摂るように言われていたりしますよね。これは酒さに限らずアトピーや脂漏性皮膚炎など、皮膚病全般にも言える話。

肉を避けて野菜を食べる、というのはどこでも聞く話ですね。

その食物繊維を効率的に摂るため、天然のデンプンから作られたのが難消化性デキストリンです。

この難消化性デキストリン、上手に使うと酒さの悪化を防ぐだけでなく改善も促します。

食物繊維というとお通じの改善のような整腸作用や、ダイエット効果だけをイメージしている方も多いのですがそれだけではなく、酒さの改善につながる様々な要素があります。

個人的には安価で入手できるのに結構すごいやつ。厚生労働省がトクホとして認めるだけはあります。

この難消化性デキストリン、効果的に飲まないとちょっと効果を発揮しにくかったりしますが、特性さえ知っておけばそれほど難しい話ではありません。

今回は難消化性デキストリンの効果や効果的な飲み方などを紹介していきたいと思います。

効果は知ってるからどんな風に買うといいか知りたい、って方は以下の記事へ。

難消化性デキストリンのオトクな買い方。ドラッグストアや、アマゾン、iHerbで入手できる商品をまとめてみました。
難消化性デキストリンは食後の血糖値や中性脂肪の上昇を抑えてくれるため、酒さの改善や悪化防止に繋がります。 血糖値や中性脂肪の上昇は食後の顔...
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難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンの代表的商品

難消化性デキストリンというと良く分からないものかと思いがちですが、実はとても身近な商品です。

ドラッグストアなんかで「食物繊維」として売っている「イージーファイバー」。これは難消化性デキストリンを個包装にしたもの。トクホ製品で小林製薬が販売している定番商品ですね。

最近はやりの「ソイジョイ」や「バランスアップ」も、難消化性デキストリンを配合した食品。

置きかえダイエットや栄養補助食品として人気を集めていますね。

飲み物では「からだすこやか茶」やトクホマークの「メッツコーラ」。今時は炭酸飲料までトクホ商品になるのかと思いますが、これは難消化性デキストリンが入っているからです。

以上の商品はほんの一例ではありますが、難消化性デキストリンは様々な食品に加工されて使われています。

こういったトクホマークがあって「食物繊維」を売りにしているような商品は、裏面を見ると「難消化性デキストリン」と書かれていたりします。つまり、難消化性デキストリンは食物繊維のことです。

難消化性デキストリンは水溶性の食物繊維

難消化性デキストリンというのは、水溶性の食物繊維です。

食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、水溶性の食物繊維は粘性と保水力が高く、胃の中で食べ物を包みゆっくり移動します。このため糖分の吸収が穏やかになり血糖値の急激な上昇を防いだり、脂肪の吸収を抑えたりする働きがあります。

対する不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維です。水分を吸う力が強く、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、便のかさましをしたり、腸のぜん動運動を盛んにするほか、有害物質や老廃物を排出する働きがあります。

難消化性デキストリンができた理由

この難消化性デキストリンは、慢性的に不足しがちな水溶性食物繊維を補うために開発されました。

摂取しやすい不溶性食物繊維と違い、水溶性の食物繊維は食事から摂ることが難しいです。また、日本人の食生活が欧米化したことによってさらに水溶性食物繊維が摂りづらくなり、慢性的に不足しがちです。

不溶性食物繊維ばかりが多くなってしまうと、便が硬くなり便秘がちになることも。

こういった不足を補うことを目的として、様々な食品に応用できるような加工がされたのが難消化性デキストリンです。

無味無臭で甘みはほとんどなく、水に溶かすとほぼ透明で耐熱性や耐酸性にも優れており、ミネラルの吸収も阻害しないという優秀っぷりで、さまざまな食品に応用されています。

難消化性デキストリンは天然成分

サプリには化学成分が含まれることもありますが、難消化性デキストリンは天然もの。でんぷんから精製され、消化しにくい成分を抽出して作られています。

トウモロコシのでんぷんを分解して得られる「難消化性成分」が主になっています。

消化されにくい食物繊維のため、腸にまで届きやすい構成となっています。

 難消化性デキストリンの安全性

難消化性デキストリンは3つの作用で特定保健用食品(トクホ)に認定されています。

難消化性デキストリンを使用した食品にはトクホのマークをつけることができ、一定の機能表示がされます。

厚生労働省がきちんと検査して安全性を認めたからこそのトクホマーク。

また、FDA(アメリカ食品医薬品局)では一日の上限量を定める必要がない、とされるほど安全な食品と認められています。

難消化性デキストリンの効果

難消化性デキストリンには主に5つの作用があります。そのうち3つはトクホとして厚生労働省に認められた機能です。

  1. 整腸作用(トクホ)
  2. 食後血糖値の上昇抑制作用(トクホ)
  3. 食後中性脂肪の上昇抑制作用(トクホ)
  4. 内臓脂肪、中性脂肪の低減
  5. ミネラルの吸収促進

整腸作用(トクホ)

難消化性デキストリンの持つ整腸作用はトクホに認定されている効果です。

主には、2つの性質によるものです。

  1. 水分を抱えこんで便を柔らかくする
  2. 善玉菌のエサとなる

難消化性デキストリンには、水分を抱えこんで保持する性質があります。水分を吸収して腸内の便を柔らかくし便の量を増やすため、お通じの改善に役立ちます。

また、善玉菌のエサとなって乳酸菌やビフィズス菌を増やすことで、腸内細菌叢(腸内フローラ)を改善します。

腸内環境を整える事で便秘だけでなく下痢も改善し、便の硬さが丁度良くなることで排便がスムーズに行えます。

食後血糖値の上昇抑制作用(トクホ)

難消化性デキストリンが持つ、食後血糖値の上昇抑制作用もトクホにも認められた効果。

その名前の通り、食後の糖の吸収速度を遅くする効果があります。食後の血糖値上昇やインスリン分泌を穏やかにします。

難消化性デキストリンは粘度の高いゲル状の溶液で食物を包み込み、胃から小腸へゆっくりと移動します。

このゆっくりした移動により、摂取した食物は緩やかに消化され吸収速度が緩和されます。

難消化性デキストリンには、麦芽糖の分解を抑制する働きもあり、この働きと吸収速度を緩和する働きにより、血糖値の上昇が抑えられます。

食後中性脂肪の上昇抑制作用(トクホ)

難消化性デキストリンには、食後の中性脂肪やコレステロールの吸収速度を遅くする作用も認められています。この作用もトクホに認められていますね。

食後の中性脂肪の上昇が抑えられ、脂質代謝が高まります。脂質の代謝が高まると血液中にコレステロールが留まりにくくなり、血流の改善にも繋がります。

こういった中性脂肪の上昇抑制や後述の内臓脂肪の低減などにより、ダイエットに効果的とも言われています。

内臓脂肪、中性脂肪の低減

難消化性デキストリンは内臓脂肪や中性脂肪、コレステロールを低減する効果が認められています。

難消化性デキストリンの摂取を続けることにより、高かった中性脂肪やコレステロール値が低下したというデータがあります。

前述の食後中性脂肪の上昇抑制効果と併せて、脂質代謝異常(高脂血症)の改善に繋がります。

難消化性デキストリン9g含む茶飲料あるいは通常のお茶をBMI23以上の成人男性36名に摂取させた試験で、難消化性デキストリン摂取群では内臓脂肪および中性脂肪の有意な低下が確認されました。
(出典:難消化性デキストリンの内臓脂肪蓄積に及ぼす影響。肥満研究 Vol13 No1 P34-41 2007)

ミネラルの吸収促進

難消化性デキストリンは、ミネラルの吸収を促進する効果が動物実験で確認されています。

特にCa(カルシウム)Mg(マグネシウム)Fe(鉄)Zn(亜鉛)のように、肌に欠かせないミネラル類の吸収を促進します。

ミネラルの吸収率を高めることで、ミネラルそのものだけでなく他の栄養素の吸収効率も上がります

難消化性デキストリンとデキストリンの違い

水溶性食物繊維の中には「難消化性」のつかないただの「デキストリン」というものがあります。

このデキストリンもでんぷんから精製されますが、加工された「糖質」が『デキストリン』、「食物繊維」が『難消化性デキストリン』となります。

つまり、「デキストリン」はただの糖質であり、難消化性デキストリンに認められているような作用はありません。

それどころか体内で消化できる糖質ですから、血糖値も上昇させますし難消化性デキストリンのようなダイエット効果もありません。

お菓子なんかの裏側に「デキストリン」と書いてあるのと「難消化性デキストリン」と書いてあるのでは雲泥の差ですから、名前が似ていても間違えないようにして下さい。

ただ、成分的にはでんぷんから得られる天然の糖質ですから白砂糖などよりはマシですし、添加物というわけではありません

難消化性デキストリンの効果的な飲み方

難消化性デキストリンの特性が分かると、効果的な飲み方や摂りかたも分かってきます。飲むタイミングを間違えると糖と脂肪への作用が低下してしまうので、摂りかたには注意しましょう。

  • 食事の前(炭水化物やたんぱく質の前)に摂取する
  • 毎食ごとに摂取する
  • 一回の目安量は5g程度とする商品が多い

難消化性デキストリンは糖と脂肪の吸収を穏やかにしてくれる性質があります。

つまり、糖や脂肪を含んだ食事の前か、一緒に摂ることで効果を発揮してくれます。一方、食後にとっても整腸作用はあるものの、糖と脂肪に対する効果はほとんどありません

ダイエット法や血糖値を上げない食事方法でも、野菜(食物繊維)→たんぱく質(肉、魚)→炭水化物(米、パン)のような順番で食べるように推奨されています。

これは食物繊維の力でお腹を膨らませ、あとから食べる糖や脂肪の吸収を緩やかにするとともに食べすぎを防ぐ役割も果たしています。

その性質上、一度に多くの難消化性デキストリンを摂取するよりは少量ずつに分け、食事のたびこまめに摂取する方が効果的です。

また、食物繊維は一日の摂取量の目安が20~25g以上摂ると良いとされており、(不溶性食物繊維) 2: (水溶性食物繊維)1の割合で摂取することが望ましいとされています。

水溶性食物繊維の難消化性デキストリンは一回当たりの摂取量を5g前後に設定してある商品が多いですが、糖や脂質への効果を考えると毎食ごとに飲む方が効果的です。5gを3食飲んでお腹が緩くなってしまう場合は、適度に調整しながら飲むようにしましょう。

前述のイージーファイバー以外に、大容量のものを買っておくとコストパフォーマンス的に〇。アマゾンや楽天でコスパの良いものが購入できます。

難消化性デキストリンと酒さへの効果

この難消化性デキストリン、いわゆる水溶性食物繊維の何が酒さにいいかを解説していきます。

極端な話、難消化性デキストリンの全ての作用が酒さの改善、または悪化防止に繋がります。

整腸作用と酒さ

まず整腸作用ですが、言うまでもなく腸内環境と肌には密接な関係があります。腸は最大の免疫機関でもあり、お通じは最大のデトックスでもあります。

酒さは免疫異常が疑われたり常在菌のバランスが狂っているとも言われており、腸を整える事は免疫を整えるだけに留まらず肌を整える事に繋がります。

肌の改善を身体の内側から取り組んでみよう、と考えた時に腸内改善は優先度が高く、かなり真っ先に思いつきますよね。

参考酒さの腸内改善に関係する記事の一覧はこちら

糖代謝と酒さ

酒さの特徴の一つとして、良く「毛細血管の拡張」が挙げられますね。

食事をすると血糖値という血液中の糖分の値が上がりますが、この糖分の上昇が酒さの赤みを引き起こしているという説もあります。

血糖値の急激な上昇は血管に影響を与えます

血液中に糖分や脂質が増えれば血流が悪くなります。血管の異常が疑われる酒さでは丈夫な血管を作り、流れる血液の質を良くすることが大事

食後に酒さの赤みがひどくなる方も多いですが、これも血糖値の急上昇が影響している場合があります。

この血糖値の上昇をゆるやかに抑えてくれるのが難消化性デキストリンですから、糖代謝に異常がある方や血糖値の上昇によって酒さ症状がひどくなる場合に効果的です。

脂質代謝と酒さ

糖代謝と同じく、脂質の代謝も酒さに関係があります。

食べ物の脂質を上手く代謝できないと、血液中にコレステロールや中性脂肪がたまり、いわゆる「血液ドロドロ」状態になります。

血液サラサラは健康促進のためにも推奨されるだけでなく、酒さの肌状態にも影響を与えています。

血糖値の項目でも書いたように、血液の流れが悪くなると酒さ症状の悪化にも繋がります。停滞した血流は毛細血管を拡張させますから、酒さの赤みが増しますね

それが常態化すれば血液の停滞した部分で炎症が起こりやすくなりますから、血液をうまく流すことは酒さにとっては重要です

脂質をたくさん摂っていないのに血中コレステロール値が高い場合は、脂質の代謝がうまくいっていない可能性も。

脂質というと太っている人をイメージしますが、やせ型の人でも脂質代謝がうまくいっていない人は大勢います。脂質の代謝がうまくいかないと、少量の脂質でも血液中のコレステロール値が上がってしまいます

難消化性デキストリンには食後の中性脂肪の上昇を抑える働きがありますので、脂質代謝も助けてくれます。

内臓脂肪、中性脂肪と酒さ

内臓脂肪や中性脂肪も、脂質代謝や血液中のコレステロール値に関わります。

中性脂肪は過剰な糖質が肝臓で蓄えられたものでもありますが、この蓄えられた中性脂肪が血液中の脂質血を高めて血液ドロドロ状態を作り出します。

つまり、脂質代謝は糖質の代謝にも関係してくるということ。糖質は中性脂肪を作り出す原料のような働きをしています。

難消化性デキストリンは糖質の代謝だけでなく脂質の代謝も上げてくれるので、中性脂肪の元となる糖質と脂質の両方にアプローチできます。

酒さでは血液ドロドロになりやすいオメガ6系油脂を控え、オメガ3系油脂を積極的に摂るように言われますが、それも脂質代謝を上げることに繋がっているのでしょうね。

参考オメガ3に関係する記事の一覧はこちら

ミネラルと酒さ

肌にいい栄養素はビタミンBやビタミンCが取り上げられやすいですが、実はミネラルもかなり重要な役割を果たしています。

ミネラルの一種である亜鉛は細胞分裂を促進しますから不足すれば肌を作ることができませんし、カルシウムやマグネシウムも肌を作る基礎となります。

酒さでは肌を作る亜鉛が取り上げられやすいですよね。亜鉛は確かに肌と密接に関係しているミネラルです。

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また、カルシウムは骨だけでなく、肌の細胞を作る酵素を活性化する役割を持っているので美肌には不可欠です。カルシウムとセットの関係にあるマグネシウムも細胞分裂や代謝に関係があり、不足すれば角質層が薄くなってバリア機能が弱くなります

また、ミネラルにはビタミン類と併せて吸収を促進する作用もありますし、そもそもミネラルがないとビタミン類が上手に働きません。いくらビタミンを摂っても、それに必要なだけのミネラルがないと、きちんとした働きをしてくれないんですね。

ビタミンやミネラルは単体で働くだけでなく、相乗効果で力を発揮します。

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そのミネラルですが、ビタミンに比べて吸収率が悪く、サプリで摂ってもなかなか必要量が吸収されません。そのためキレート加工という、吸収率を上げる工夫がされたサプリが人気ですよね。

酒さは糖質や脂質以外にも代謝異常を抱えていることが多く、消化吸収がうまくいっていなかったり、自己免疫システムがうまくいっていないなどの問題がある場合も多いです。

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難消化性デキストリンでミネラルをきちんと吸収させてあげる事により、ビタミンだけでなくその他の栄養素の消化吸収効率が良くなり、必要な栄養素が肌に届きやすくなります

まとめ

難消化性デキストリンは、色々な方面から酒さにアプローチできる優れた食材です。

サプリに分類していいと思いますが、性質上完全に天然のものから作られているので食品と言ってもいいですね。

多くの効果が期待できる難消化性デキストリンですが、飲んだり飲まなかったりするよりも継続する方が効果的はあります。

もちろん、普段の生活に食物繊維が足りている場合は、糖質と脂質が多そうな外食時にだけ使用する、といった方法でも良いかと思います。

血糖値や血中脂質のことも考えると、食後に顔が赤くなってしまう方はしばらく試してみてもいいかもしれませんね。

ただし、難消化性デキストリンさえ飲んでいればどんなに脂っこいものや甘いものを食べても大丈夫、という訳ではありません。

暴飲暴食や過度な糖分は控え、脂質はオメガ3を中心とした良質な油を摂ることはなるべく意識していきましょう。

難消化性デキストリンのオトクな買い方。ドラッグストアや、アマゾン、iHerbで入手できる商品をまとめてみました。
難消化性デキストリンは食後の血糖値や中性脂肪の上昇を抑えてくれるため、酒さの改善や悪化防止に繋がります。 血糖値や中性脂肪の上昇は食後の顔...
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