水道水には塩素が含まれている、というのはご存知だと思います。
普段使っているお水って、蛇口をひねればジャーッと出てくるのあまり気にせず使っていますが、この塩素には皮膚へのダメージがそこそこあります。
ただ、塩素を除去して水の質を高めようとなると、高い浄水器を買ったりウォーターサーバーを入れたり、などという印象があって、どうしても高額になる印象がありますよね。
でも実は、塩素除去だけなら意外と簡単で安価にできるんです。
高価な浄水器やウォーターサーバーの導入は、安価な方法を試してみてからでも十分だと思います。
まずは塩素除去ってどんな感じでできるのか、簡単にできる方法をまとめてみました。
もくじ
塩素除去にはビタミンC(アスコルビン酸)
塩素を除去するにはビタミンCが有効です。これはビタミンCが塩素と化学反応を起こすからです。
化学式にすると以下のようになるそうです。
C6H8O6 + NaClO -> C6H6O6 + H2O + NaCl
科学の難しい事は良く分かりませんが、つまりはビタミンCで塩素が中和されて、結果的に塩素除去になるということです。ただの塩水になるようですね。
後ほど触れますが、中和に必要なビタミンCはごく少量です。中和後の塩分濃度はものすごく低いので、塩分の影響を気にする必要はありません。
ビタミンCとアスコルビン酸
ビタミンCのことをアスコルビン酸と言います。
塩素除去をしようとしてビタミンCを購入しようとすると、アスコルビン酸として売られている事もあり、一体どう違うんだと思ったりします。
塩素除去にはビタミンCと言われていたり、アスコルビン酸と言われていたりと色々ですが、基本的には呼び方が違うだけで同じものを指していると考えていいです。
お風呂にビタミンCを入れる場合
お風呂にビタミンCを入れる場合、塩素除去用のビタミンCはとっても安くあがります。ものすごく高い入浴剤を買わなくても、塩素除去くらいなら簡単にできます。
こういった用途に使いたい場合、ビタミンCの粉末というのが売っていますのでそれを購入すればいいです。
お風呂の塩素除去にはどのくらいの量のビタミンCが必要かというと、1回の入浴で耳かき1杯分くらい。とっても少なくて済むので経済的です。
一般的なお風呂の湯量は150~200L。その量であれば、必要なビタミンCは0.2gだそうです。0.2gとかもはや計れないくらいの量。
ビタミンCの粉末を購入すると付属の計量スプーンがついている事もありますので、そういった場合はそのスプーンを使ってもいいです。
ただ付属スプーンって、大きすぎたり付いてなかったりする場合が多いので、そういった場合には耳かき1杯程度というのが目安となります。
ビタミンC粉末は安価なものが1kgで2,000円以下で買えたりします。
1kgとかあっても邪魔なだけで何年持つのよというレベルですが、値段と品質、量の兼ね合いで選ぶといいでしょう。
ちなみに手作り化粧水に使う粉末はアスコルビン酸ではなく、ビタミンC誘導体の粉末(リン酸アスコルビル~というような名前)の方が良いです。
ビタミンC濃度には要注意
このビタミンCですが、濃度が高すぎると却って肌がピリピリしたり痒みが増したりします。
これはビタミンCを入れすぎている可能性があります。
一回の目安量が耳かき1杯程度ですから、あまりたくさんの量は必要ありません。
水道水の塩素濃度にも上限がありますので、多く入れればその分の塩素が除去されるという訳ではありません。中和されずに余ってしまったアスコルビン酸が肌の刺激になる事が考えられます。
どのくらいまで大丈夫なのかはその人の肌状態や水質によると思いますが、ビタミンCを大さじ何杯も入れればその分入浴効果が高まる訳ではありません。何事もやりすぎは要注意です。
特にゆず風呂などが肌にしみやすい場合、入れる量は増やしすぎないようにしましょう。
シャワーヘッドを変える場合
シャワーヘッドを変えて塩素除去を図る場合、シャワーヘッドにフィルターを通すことによって塩素除去をしていると思います。
各社それぞれの技術で塩素除去していて、ビタミンCだけとは限りません。
シャワーヘッドに関しては、質のいいものは値段も高くなっていきます。
抗菌仕様がついていたり、カートリッジの交換の手間や、カートリッジの質などが良いものになっていくにつれて値段が上がっていくイメージです。
シャワーの穴の奥って意外と雑菌が潜んでいますし、カートリッジの交換とかも手間がかかりますしね。
高価なものを買うのは自分の生活スタイルにシャワーヘッドでの塩素除去がどれだけ有益かを見極めてからでもいいような気がしますし、安価なものでもある程度効果があります。
また、塩素除去効果だけでなく節水効果もあるものが多く、シャワーの出方が調節できたりもいしますので、ライフスタイルに合う場合はこだわりがいのあるところ。
買う時は、値段の他にも交換用のカートリッジが付属しているかどうか、カートリッジの交換目安はどのくらいの期間があるのかにも注目しましょう。
その他の塩素除去ができる方法
その他の塩素除去の方法として、炭を使うやり方や、お茶の出がらしを使うやり方などもあります。
ビタミンCが手っ取り早くて簡単な上、一度買えば相当長持ちしますので、他の方法はごく軽く触れておきますね。
炭で塩素除去
炭には浄水機能がありますので、お風呂に入れておけば塩素除去をしてくれます。
100均なんかの安価な浄水器には炭がちょこっと入っていたりしますよね。
100均のものがどのくらい浄水効果を発揮してくれるかはともかく、炭が余っているような場合にはいいと思います。
お茶で塩素除去
出がらしのお茶を入れておくと塩素除去になるという方法です。
お茶にはビタミンCが豊富なことや、お茶は殺菌作用が高い事から肌に合えばいい方法だと思います。
出がらしのお茶がらで十分ですから、新品のお茶は飲みましょう。
ゆずやレモン、柑橘類で塩素除去
ゆずやレモンなどの柑橘類は良くお風呂に入れるイメージがありますよね。
これも柑橘類にビタミンCが豊富なことが理由の一つです。
余り物の皮で十分ですので、実ははおいしく頂きましょう。
一番風呂を避けて塩素除去
お年寄りは一番風呂に入れるな、という話を聞いたことがありませんか。
年を取ると肌が弱くなっていきますので、塩素に反応しやすくなるんですね。
塩素は人の皮脂やたんぱく質で分解されるので、一番風呂は一番塩素濃度が高いです。
そのため、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒のお風呂を使う機会がある人は、気を使って一番風呂に入ってもらおうとして逆に断られた、なんて経験もあるようです。
私も一番風呂を断られた経験があります。
他の人に先に入ってもらった方が、お湯が柔らかくなっていいんですって。一番風呂に入ると、肌がピリピリするそうです。
汲み置きで塩素除去?
塩素というのは、放っておくと勝手に抜けていきます。そのため、汲んでおいでしばらくすれば塩素が抜けていると言われることもあります。
でもこの方法、どのくらい放置すれば塩素が抜けるかというと、日光の当たる屋外に6時間以上置いてやっとカルキが抜けたなどという話があります。
そもそもお風呂でこれをやろうとすると、追い炊きが必要になります。経済的な面でも時間的な面でもあまり現実的ではありません。
酒さや酒さ様皮膚炎と精製水
酒さ肌に精製水が有効な理由
酒さや酒さ様皮膚炎の方々で、精製水をお使いの方は結構いらっしゃいます。
そもそも肌に何も塗れない、水道水ですら刺激になってしまう人もいますし、肌に塗る成分のシンプルさを追い求めると手作り化粧水にたどり着きます。
この手作り化粧水も、水道水よりも精製水で作ることの方が多いと思います。
また、洗顔そのものを精製水で行っているような方もいますし、普通の洗顔を行った後に精製水で不純物を洗い流している方もいらっしゃいます。
精製水がどうしてこんなに使われるのかというと、塩素などの不純物が除去してあるので、肌への刺激になりにくいからに他なりません。
刺激物をとことん排除してあり、安心して肌につけれる数少ない水ですので、精製水は酒さや酒さ様皮膚炎の肌にとても頼もしい存在です。
精製水だと意外と面倒な部分
この精製水、安価ですし近所のドラッグストアで入手できるので手軽ですが、毎日使っていこうとすると意外と負担になってきます。
500mlで売られているのが一般的ですが、毎日使おうとすると、そのボトルを毎回何本か買って帰ってこないといけません。
私は酒さ様皮膚炎発症直後、精製水をめちゃくちゃ使いましたので、買うたびに面倒だなと思いながら買ってました。
空けなければ劣化しないので、安い時に買いだめもできますけれど、毎日の事となるとほんの少しの事が意外と負担になるんですよね。
そもそも精製水って顔に塗りにくいですし、詰め替えなどをしてしまうと、「不純物がなくて新鮮な水である」というメリットが減るじゃないですか。
手作り化粧水にはやっぱり精製水がいいと思うんですが、それ以外は精製水だと面倒だったり手間だったりする部分もあるんですよね。
毎日のお水に悩んでいる方ほど、手軽に塩素除去できる方法が有益なんじゃないかと思います。
まとめ
シャワーとかお風呂に関わるようなお水ですが、こういう生活習慣に根付いてしまっているものって、自分では意外と悪化要因になっているなんて気づかない部分でもあります。
化粧水はコットンでつけた方がいいのか手でつけた方がいいのか、なんて記事も書きましたが、生活習慣って、もう当たり前と思っていて見直しもしなかったりするんですよね。
最近立て続けに塩素除去のお話をさせて頂いたりして、塩素も気づかずに肌を悪化させてる要素があり得ると感じました。
お風呂もシャワーも塩素除去だけなら意外と簡単にできます。シャワーはこだわるとやっぱり高くなっていきますが、まず最初のとっかかりとしては安いものでも十分です。
水道水ですら肌につけれなかったり、水が合わないように感じてたりする方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
塩素除去でお水が柔らかくなるのは、意外と実感できますよ。