酒さや酒さ様皮膚炎を発症していると、通常の肌に対するスキンケアなどの効果が全く発揮できなかったり、時には逆効果に働く場合があります。
具体的には保湿が逆効果に働いたり、石けんで洗顔すると肌の赤みが増したりなどなど。一般的に「肌にいい」とされる事をすると、どういう訳か却って肌を痛めてしまう事があるのです。
これは酒さや酒さよう皮膚炎の肌が、通常の肌と大きな違いがあるからです。
今回は酒さ様肌は一般的なお肌とどう違うのか、その特徴を見ていきたいと思います。
もくじ
酒さ様皮膚炎の肌状態
酒さ様皮膚炎の原因はステロイドの慢性的な使用です。このステロイドの副作用が顔に表れ、その他の特徴にもつながります。
酒さ様皮膚炎の場合特に注意したいのは以下の点です。
皮膚が薄くなっている
酒さ様皮膚炎の場合はまず間違いなく、皮膚が極端に薄くなっています。
ステロイドは細胞の増殖を抑える働きがあります。酒さ様皮膚炎の場合はステロイドの長期使用により、皮膚細胞の増殖が抑制され、皮膚が薄くなっています。
俗に言うビニール肌のような状態で、角質層が薄くなっており、角質が剥がれてキメがなくなってしまっています。
そのため、細胞がやせており細胞をつなぐ細胞間脂質も減少しています。
角質層自体が未熟ですので、細胞が水分を蓄える力も余分な皮脂を排出する力も弱く、肌の全ての機能が低下しています。
こういった状態ですので、保湿をしても水分を蓄えることができずに、肌に起こっている炎症によって却って保湿が逆効果になる事もあります。
また、石けん洗顔は未熟な角質層にとっては洗浄力が強すぎ、角質を取りすぎてしまいます。
こういった事から、酒さ様肌では汚れを落とすことよりも肌を痛めない事を優先した洗顔を行う必要があります。
毛細血管が拡張している
ステロイドの強力な抗炎症作用によって、毛細血管の拡張が起こります。
肌に炎症が起きると毛細血管が拡張し、湿疹ができたり、腫れが起きたり、時にはじゅくじゅくとした浸出液が出てきます。
ステロイドはこの拡張した毛細血管を収縮させて皮膚の炎症を抑えます。
一見していい作用に見えますが、これは炎症が治まった時にステロイドを止めてこそ。
常にステロイドで毛細血管を収縮させていると、今度は身体が反発して毛細血管を拡張させようとします。
イメージとしては以下の感じですね。
↓
毛細血管が拡張する
↓
ステロイドで毛細血管が収縮する(抗炎症作用)
↓
(長期間の連用すると・・・)
↓
血管を収縮している反動で、毛細血管を拡張させようとする
ひどい状態になるとクモの巣状の毛細血管が透けて見え、赤い糸くずのような状態で肌に見える事もあります。
拡張した毛細血管が元に戻るのは時間がかかる場合があります。ステロイドをやめても顔の赤みが残ってしまうのは、こういった事も原因となっています。
ニキビのようなブツブツ
酒さ様皮膚炎ではニキビのようなブツブツに悩まされる事も少なくありません。このブツブツは時には膿んだりする事もあります。
これは皮膚が薄くなっている事に起因するもので、角質が薄くなっているので水分量が極端に少なく、油分をうまく排出できないために皮脂が多く感じます。
全ての原因が皮膚が薄い事にあるため、一般的なニキビ肌用の化粧品や脂性肌用の化粧品を使用すると却って肌を悪化させる可能性があります。
ニキビ肌用の化粧品は角質が剥がれる手伝いをするものが多く、皮膚が薄くなっている酒さ様肌には厳禁です。
脂性肌用の化粧品は本来肌に必要な油も取ってしまおうとする傾向にあります。
酒さ様肌の場合、実は排出が上手くいっていないだけで油分の量は問題ない場合が多いため、脂性肌用の化粧品も肌が悪化する可能性があります。
赤ら顔
皮膚が薄くなった上に毛細血管の拡張が起こるため、ステロイドの離脱症状が治まっても顔の赤みが残ります。
顔の中では特に鼻や頬の皮膚が薄く、赤みが残りやすい部位です。
この赤みはなかなか取れず、数ヶ月から数年という長期に渡って向き合っていく必要があります。
また、顔の赤みは完治が難しく慢性的に繰り返す事もあります。
入浴や寒暖差の激しい部屋の出入りなど特定の状況で頬の赤みが増しやすいため、赤みをいかにコントロールできるかという事も治療の上で大事になってきます。
難治性とはいえ、適切にお手入れすれば赤みは次第に薄くなっていきます。一朝一夕の効果を期待せず、長期的に肌を作っていくという視点が大事です。
まとめ
酒さや酒さ様皮膚炎の場合は、どういったスキンケアを行い、どうやって肌状態を改善していったらいいか分からなくなる事が多々あります。
難治性の病気であり慢性疾患であるにも関わらず原因がはっきりしない事から、日本ではあまり研究が盛んではありません。
酒さ様肌に対しての理解は、お医者さまであってもあまり進んでいない場合もあります。
まずは酒さや酒さ様皮膚炎の肌がどういう状態になっているかを知っておく事はとても大事です。
そうする事で、一般的なスキンケアであっても酒さ様肌では避けるべきであるという事が何となくでも分かるようになります。
このようにして自分の今の肌状態を把握しておくことで、今の自分にはどういったスキンケアが合っているか、どういったスキンケアはしてはいけないかの仮説を立てることができます。
このように自分の肌と向き合った上で、現在の状態に応じた適切なスキンケアや体質改善を行っていくようにしましょう。
スキンケアができる程度に肌が回復したら、まずは敏感肌用の低刺激スキンケアを
コメント
遅くなりましたが、ろーざさん明けましておめでとうございます(^o^)
赤ちゃんの、お世話いかがですか?
夜は長く寝てくれると嬉しいですよね
ようやく酒さと診断を受けて5ヶ月が経ちました。相変わらず水洗顔と脱保湿継続中です!
正月明けに頬に1個赤ニキビができ格闘しましたが、やっと落ちついてところです(((^_^;)
まだ赤みと皮剥けが残りますが数ヶ月前の保冷剤で冷やしてた時を考えたら、だいぶ楽になりました!お化粧はできないかな~とレイチェルワインを部分的に試してみたんですが皮剥けが治まってないので逆に目立ってしまい、お化粧はまだ先のようです
((T_T))
今、ろーざさんは皮剥け終わってますか?
今年も、ろーざさんの記事にお世話になります宜しくお願いしますm(__)m
つうさん、こんにちは!
あけましておめでとうございます。
夜はまだ全然寝てくれないので、4時間でいいからまとめて寝たいなぁ・・みたいな事ばっかり考えてますw
5ヶ月良く辛抱されましたね。
水洗顔と脱保湿というシンプルケアを続けるというのは意外と気合がいることで、どうしても化粧水塗ったりメイクしたりしたくなっちゃうんですよね(;´∀`)
素晴らしい姿勢だと思います!
そのまま継続されて、ファンデーションは皮剥けが治まったあたりから少しずつ再開できるといいですね。皮むけ期のファンデはどうしても粉ふきが目だつだけで終わりますので(T-T )( T-T)
アイメイクだけするとメイクしてる感で少し楽しめますよ(‐^▽^‐)
私はどういう訳か皮剥けが長引かず、4ヶ月経ったあたりで皮剥けが治まったと思ったらそのまま肌が整っていきました。
小康期:治療開始後12週間
その代わりニキビに悩まされたりしたので、元の肌質によって色々と違いがあるのでしょうね。
情報発信が遅くなってしまいますが、時間を見つけて更新していきます。
こちらこそ、これからもよろしくお願いしますd(´・ω-*)
こんにちは(^o^)/
毎日、寒いですね〜風邪などひいていませんか?
ろーざさんの記事拝見して、納得です。私のはだは細かいぶつぶつがいっぱいです。
皮膚が薄いせいですね………( ´△`)
どうしたら強い皮膚になるのかな…今、悪化して痒みとヒリヒリでマスクが更に辛いです。酒さになって9か月過ぎました。いつ終わるのかな…メンタル弱ってます。
この間、記事にされてた、クロロヒィルは、10年以上前ですが行ってました。ニキビや、シミぶつぶつにはとても効果ありました。その時はまだ酒さではなかったので、不安もなく通っました。
ろーざさんの記事はとっても参考になります。忙しい中ありがとうございます( ̄▽ ̄)ゞ
たまさん、こんばんは。いつもコメントありがとうございます!
風邪こそ引いていないものの、毎日寒さがこたえます(;´∀`)
肌の厚みは皮膚の再生が要なので、時間をかけて取り戻していくしかない部分があります。
そのためにも最初は何もせずにいる事で肌を痛めないようにするんですね。
肌が薄すぎると石けんの刺激や化粧水をつけようとする指の動きまで刺激になってしまう可能性があるので、それをとことん排除するのが最初の段階です。
少し肌が元気になってきたらスキンケアやメイクなども楽しめますが、まずはヒリヒリしない程度まで改善することを目指さないとですねo(-`д´- o)
冬は冷気や乾燥で肌状態も悪化しやすいです。
どうしても長期にわたる病気ですので、少々の悪化はあまり気に留めないようにしてくださいね。
治療も始められているので、一歩ずつでも前に進んでいるはずですよ!
お互い、無理しない程度に頑張りましょうΣ(σ`・ω・´)σ