酒さにもいいと言われているオメガ3ですが、健康ブームのためかオメガ3系のサプリって巷にあふれかえっています。
ドラッグストアで簡単に入手できるものから、少しハードルは高いけど個人輸入で入手できる大容量タイプまで様々。
溢れすぎていてどれを選んだらいいか分からなくなりますが、少しだけコツを抑えるとどういったものが自分に合っているか分かりやすくなりますのでまとめてみました。
※オメガ3関連の記事は以下にまとめてあります。
もくじ
オメガ3の一日の摂取量
まずは一日に必要なオメガ3の摂取量を抑えておきましょう。
オメガ3の摂取量目安
厚生労働省によると、オメガ3は推奨量や上限量が定められておらず、どの程度の量を摂取するのが望ましいかの目安量が定められています。
年齢と性別によって少し変わってきますが、食事として摂取する場合の目安量は一日2g程度。魚の油や亜麻仁油から摂取するものですね。ここから代謝が行われ、魚油ならDHAやEPAに、亜麻仁油ならαリノレン酸に変換されます。さらにαリノレン酸は一部がDHAやEPAに変換されます。
さらにEPA、DPAとしての摂取量は一日1g(1,000mg)以上の摂取が推奨されています。
サプリを選ぶ際には、まずこの推奨されている基準値を頭に入れておきましょう。
ω3を食事から:2g(2,000mg)を目安に
EPAとDHA合計:1g(1,000mg)以上
DHA、EPAの過剰摂取
過剰摂取については明確な上限値は設定されていませんが、極端に過剰な摂取は避けるように、と言われています。
DHA、EPAは1日3g以上の摂取で凝血作用(血液が固まること)が低下し、出血しやすくなる可能性があるなどというデータもあります。
アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)では、1日の摂取量を3~4gまでなら安全だと保証しているようですが、アメリカ人と日本人では体質や体格も大きく違いますね。
海外のサプリには極端に過剰な量が入っているものもありますが、1日の適切な量を考えながら摂取しましょう。
多くても3gまでに抑えるとすれば、食事などからも摂取することを考え、サプリからの摂取は2g程度までに抑えておけば安心かと思います。
αリノレン酸の過剰摂取
αリノレン酸は一部がDHAやEPAに代謝されますが、1日3g程度を10か月間摂取し、その後摂取量を4.8gに増加してもLDLコレステロールを始めその他の血液検査に異常がなかったという報告があります。
ただし、これも過剰な摂取は前立腺がんのリスクとなるのではないか、という研究も進められており極端に過剰な摂取は勧められません。
厚生労働省のデータから考えて、3g程度までなら比較的安心して摂取することができるでしょう。
オメガ3摂取量目安詳細
オメガ3の摂取量目安は厚生労働省によって発表されています。抜粋して表にしておきますので、年齢による細かい詳細を知りたい方は参考にして下さい。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
15~17歳 | 2.3g | 1.7g |
18~29歳 | 2.0g | 1.6g |
30~49歳 | 2.1g | 1.6g |
50~69歳 | 2.4g | 2.0g |
70歳以上 | 2.2g | 1.9g |
この表は抜粋したものですが、厚生労働省のPDFには全年齢の目安摂取量が記載されています。リンクを置いておきますので、さらに細かいものが見たい場合は厚生労働省のPDFをご覧ください。
参考厚生労働省 - 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
オメガ3サプリの選び方:魚由来か植物由来か
まず、魚由来のオメガ3を摂るか植物由来のオメガ3を摂るかを考えましょう。
オメガ3というと魚由来のフィッシュオイルが一般的ですが、亜麻仁油由来のフラックスシードオイルというものもあります。
フラックスオイルと言われていたりフラックスシードオイルと言われていたりしますが、つまりは亜麻仁油のことです。
どちらでもオメガ3は摂れますので、どちらを選ぶかは好みでいいです。
植物由来の油から摂れるαリノレン酸は体内でさらにDHAやEPAに変換されます。変換するためには代謝を行わないといけません。
αリノレン酸自体もオメガ3ですのでオメガ3として摂取したいならどちらでも構いませんが、DHAやEPAの効果を期待するのであればフィッシュオイルの方が効率的です。
魚由来と植物由来の両方が入っているサプリもありますので、ここはそれほど悩まず、魚由来と植物由来があるんだ、という認識があれば大丈夫です。
フィッシュオイルの方が流通が多いので、良く分からない場合はとりあえず魚由来のものを選んでおけば種類も豊富な中から選べます。
魚はたくさん食べてるんだよな、という方や魚の重金属が気になる方、アレルギーのある方は植物由来のものにしましょう。
ちなみに、それなりに質のいいサプリは魚の重金属をきちんと取り除いてあり、〇〇認定、だったり☆いくつ、だったりといった安全性が謳われています。植物由来のものはオーガニックかどうかで値段が上がりますが、魚ほど水銀や重金属の心配をしなくていいですね。
オメガ3サプリの選び方:配合量
魚由来と植物由来の違いが大雑把に把握で来たら、次は配合量です。
オメガ3脂肪酸は、体内で代謝されてDHAやEPA、αリノレン酸になります。つまりオメガ3の量ではなく、DHAやEPA、αリノレン酸の量を見比べたいところ。
フィッシュオイルのDHA、EPA配合量
魚由来のサプリは流通も多いだけあって、DHAやEPAの量が書いてあるものが多いです。
ここで注意したいのが、「DHA含有魚油」とか「EPA含有魚油」という表示。これはDHAやEPAそのものの数値ではなく、DHAを含んだ魚油がどれだけ含まれているかを示しているに過ぎません。
その魚油から代謝されてDHAやEPAになるのですが、厚生労働省が1,000mgの摂取を勧めているのはDHAとEPAの合計値です。
ですから、本当に大事なのはDHA値とEPA値。この表示は大抵の場合、裏面にきちんと書いてあります。
フィッシュオイルのDHA,EPA配合量の見方
DHA、EPAの確認方法
DHA含有魚油とDHA値、良く分からないかもしれませんので、私が前回口コミした、みやびのDHA&EPAオメガプラスを例に挙げてみますね。
まず表面には「DHA含有魚油」とか「EPA含有魚油」っていう文言がありますが、配合量は書かれていません。
なので、裏面を見てみます。
するとDHA含有魚油:520g、EPA含有魚油:260mgという表示が見当たります。
そしてここからさらに代謝されるので、実際のDHA量は243mg、EPA量は85mgと記載されています。本当に見比べるべきなのはこの数値。
***
ちょっと分かりにくいんですが、DHA含有魚油とかEPA含有魚油、なんていうややこしい表記をどこかのメーカーが始めると、その他のメーカーも同じようにしないと配合量で劣っているように見えてしまいますよね。
そのため、国産サプリではこういったややこしい表記も当たり前になっちゃってます。
ネット販売なんかで迷った場合、含有魚油だけ記載してあって、DHA量やEPA量を記載していないサプリは問答無用で買わなくていいです。
普通のメーカーは小さくてもどこかに必ず記載してあります。ネットならホームページにもきちんと掲載されています。
今紹介したみやびのDHA&EPAオメガプラスは定期購入をすると30日分1,666円、通常購入でも1,851円で購入できます。ちょっとこの価格を覚えておいてください。
ドラッグストア販売のサプリでも:魚油変換率に注意
これは何もネット販売のサプリに限った事ではなく、ドラッグストアで売っているサプリにも言えます。
よくドラッグストアで見かける小林製薬のオメガ3サプリ。これは手元にないので、アマゾンさんからお借りします。以下のようなやつですね。
この商品の表面には大きくEPA含有精製魚油:453.2mg、DHA含有精製魚油:721.1mgとあります。すごく配合量が多そうに感じますよね。シソ油も入っているので、植物由来のオメガ3も摂れますね。
さて、その小林製薬オメガ3サプリの裏面。DHAとEPAに変換されると、EPAは156mg、DHAは344mgになります。
小林製薬さんのオメガ3に関してはこれが本来のDHA、EPA値です。
Amazonさんで裏面の表示もじっくり見れますので、興味のある方は確認してみて下さい。これで35日分が3,000円近くします。
良心的なサプリメーカーも当然ある
こういう見せかけの含有量に流されないメーカーもちゃんと存在します。身近なところで、DHCのサプリは表面にきちんとDHA配合量やEPA配合量を記載しています。
ディアナチュラも、ちゃんとDHA値とEPA値の記載です。
見せかけの数値を上げてしまった方が売れるという事実もありますので、サプリ業界がこういった表示をしてしまうのは仕方ない部分もあります。
フィッシュオイル系のサプリを選ぶ際には、魚油の含有量ではなくきちんとしたDHA値やEPA値を確認するようにしましょう。
フラックスオイルのαリノレン酸配合量
植物由来のフラックスシードオイルの場合、変換値が書かれていないものも多いです。
食品として摂取する際の目安は2g以上ですから、まずはその数値を意識して選びましょう。
米国の製品であれば、裏面に必ずどのくらいのオメガ3が摂れるのか記載があります。これは米国の法律で成分表示が義務付けられているからですね。
ただ、αリノレン酸への変換値が書かれているかどうかは商品次第。
国産サプリの場合も表記がまちまちで、きちんとαリノレン酸値を表記している場合もあればオメガ3としてざっくり書かれている場合も。
一日の目安が2g(2,000㎎)というのを基準に、どの程度の植物油を摂りたいかで考えるといいです。
サプリであればカプセル化されていますので、生の亜麻仁油を食べるよりもはるかに新鮮な状態で摂取することができます。
オメガ3サプリの選び方:抗酸化の工夫
オメガ3は酸化に弱い
フィッシュオイルにしろフラックスオイルにしろ、オメガ3は熱や酸化に弱いです。
熱は加熱調理をしないようにするとしても、酸化の方は空気に触れているだけでも酸化してしまいます。
その酸化防止の工夫がどれだけされているか、というのもオメガ3サプリを選ぶポイントです。
そもそもオメガ3は質の良い亜麻仁油でも買ってきてオイルごと飲んでいれば、小さじ1杯程度で一日の目安量の2gは賄えます。
それでもサプリの方ががいい点は、カプセル化することでオイルを酸化から守り最大限の効果を発揮しながら摂取することができるからですね。
酸化したオメガ3脂肪酸は本来の力を発揮せず、いくら摂ってもDHAやEPA、αリノレン酸といった重要な成分に変換されません。それどころか、酸化した油は毒にもなると言われているほど。
オメガ3の摂取時は、この抗酸化にも注目したい点です。
オメガ3を酸化から守る一般的な工夫はビタミンE
カプセル化されているだけでも瓶に入ったオイルを飲むよりも新鮮なオメガ3を摂ることができますが、その他の工夫がされているメーカーも多いです。
まず、一般的に酸化防止にはビタミンEを使います。原料が安価でそれなりの抗酸化作用が期待できるからですね。
このビタミンEを少量配合してあって、サプリ自体の酸化防止と体内の抗酸化を兼ねている商品も多くあります。
その他の原材料や成分にビタミンEやトコフェロールなどの表示があれば、それはビタミンEで酸化防止を図っているということ。
当然、ビタミンEが入っていないメーカーのものより効率的にオメガ3を摂取できます。
米国製品でも「Vitamin E」の表示や「tocopherol」の表示があれば抗酸化にビタミンEを使っています。「other ingredients」(その他の成分)の辺りに書いてあることが多いです。
さらに上の抗酸化作用を持たせたものも
抗酸化の工夫はビタミンEが安価で一般的ですが、どうせなら体内の抗酸化作用も高めようとさらに上の抗酸化成分を配合した商品もあります。
ビタミンEの数千倍の抗酸化力を持つと言われるアスタキサンチンあたりが有名。商品によってまちまちですが、ルテインなんかも使われていますね。
こういったサプリは体内での抗酸化作用も期待できますが、アスタキサンチンはビタミンEの数倍の値段がするため、その辺りも価格に反映されてきます。
ビタミンEとアスタキサンチンでどのくらい値段が違うかというのは、DHCのサプリでも見て比べてみると分かりやすいです。
ビタミンEが60日分で数百円なのに対し、アスタキサンチンは20日分で1,000円超になります。(2017年1月時点)
第3のオメガ系脂肪酸ークリルオイルやDPA配合
フィッシュオイルと言えばDHAやEPAが一般的ですが、最近ではクリルオイルやDPAといった第3のオメガ3も出てきています。
クリルオイルが配合されているかどうか
クリルオイルにはDHAやEPAと同じタイプのオメガ3の他に、化学構造の異なるオメガ3が含まれています。
クリルオイルのオメガ3はリン脂質結合型オメガ3と言われていて、レシチンと結合しています。そのためクリルオイルは吸収率が非常によく、少量でも効果を発揮してくれます。
また、原材料である「南極オキアミ」という生物にアスタキサンチンが豊富なため、天然由来のアスタキサンチンも含有することができます。
クリルオイルは原料が高いため、ドラッグストアサプリにはあまり含まれません。
クリルオイル単体のサプリも存在しますが、通常のフィッシュオイルよりは高価です。
DPA配合かどうか
DPAはドコサペンタエン酸といって、主な効果はEPAと同じであるものの、効果はEPAの10倍とも言われます。つまり、少量しか配合されていなくても多大な効果を発揮してくれるフィッシュオイル。
原料の魚に含まれるのはほんのわずかで高価なため、これが配合されているサプリは値段が上がります。
ライフエクステンション(Life Extension)のセサミン入りオメガ3がこのDPA配合タイプ。Amazonの画像は旧商品のためかDPA配合になってないですが、iHerbで確認するとDPA配合なのが分かります。
オメガ3サプリの選び方:製造品質
オメガ3は酸化に弱いため、製造品質が悪いとすぐに劣化してしまいます。
また、フィッシュオイルの方は魚由来の成分ですから水銀などの重金属やダイオキシン、放射能などの有害物質が取り除かれているかどうかも品質に関わってきます。
フィッシュオイルは魚をぎゅっと凝縮したサプリですから、魚の持つ有害物質が取り除かれていなければ、サプリにもその有害物質が凝縮されてしまいます。
そのため、オメガ3サプリでは、水銀や放射能を取り除いてある証明を第三者機関から取っているかどうかや、GMP認定工場で生産を行っているか、などで製造品質を確かめます。
きちんとしたサプリメーカーなら販売ページに製造品質に関する記載があります。
米国製品であれば「GMP」という文字や「Third Party」(第三者機関)などの文字があれば、きちんとした製造を行っていると思っていいでしょう。※あくまで目安ですので、そういた文字があるからと言って100%安全ではありません。海外製品の品質を知るなら英語を読んだりメーカーのHPを見たりという努力が必要になります。
また、「IFOS」というのが「国際フィッシュオイル機関」というフィッシュオイル製品の純度を評価する第三者機関です。米国製品はIFOSの基準をどの程度満たしているかを表示しているものも多いので、iHerbなどで個人輸入する際には一つの目安になります。
まとめ
大分長くなりましたのでまとめますと、オメガ3サプリを選ぶ際のポイントは以下のようなもの。
- 魚由来か植物由来か
- DHAやEPA、αリノレン酸の配合量
- 抗酸化の工夫
- 第3のオメガ3(クリルオイルやDPA)配合
- 製造品質
オメガ3は酒さにも良いとされていますし、血液サラサラ効果で健康にも良い成分です。オメガサプリを選ぶ際の参考にでもして頂ければと思います。