酒さと酒さ様皮膚炎。似ているけれど違うこの病気。どこを分けて考えて、どこを一緒に考えればいいか。

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酒さと酒さ様皮膚炎は違う病気です。

ほとんど同じような症状が現れるとは言え、厳密に言えば違う病気のため、それぞれの患者さんで、互いの症状をどこまで参考にしたらいいのか、迷いが生じます。

酒さの方は酒さ様皮膚炎患者の、酒さ様皮膚炎の方は酒さの、それぞれの情報を見ても、でもこれ、自分と違う方の病気だしな・・・と考えてしまったり。

そんな迷いも手伝って、なかなか酒さや酒さ様皮膚炎の情報が集まらない事にやきもきしてしまいますよね。

そんな迷いに少しだけでも指針ができれば、と思いましたので、酒さと酒さ様皮膚炎の患者はどこまで情報を共有できるか、考えてみました。

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もくじ

酒さと酒さ様皮膚炎はどう違う?

酒さと酒さ様皮膚炎の違いは意外と単純です。

ステロイドの離脱症状

これがポイントになってきます。

以前の記事にも書いたのであまり細かくは触れませんが、もう一度おさらいしておきましょう。

  • 酒さ ・・・・・・・・ 原因不明の慢性皮膚疾患
  • 酒さ様皮膚炎 ・・・・ ステロイドの副作用による酒さとそっくりの症状
酒さと酒さ様皮膚炎の違い
「酒さ」と「酒さ様皮膚炎」。似たような名前、というよりほぼ一緒の名前です。どっちも同じじゃないの?と思われがちなこの2つの病気ですが、実は違...

ざっくりしすぎなのは承知の上で一言でまとめますと、酒さか酒さ様皮膚炎かは、ステロイドの離脱症状があるかどうかがポイントです。

酒さ様皮膚炎とステロイド

ステロイドの離脱症状というのは、ステロイドを塗らないと顔が腫れるが、塗るとキレイになる、というような症状です。

これはステロイドで抑えていたものが、突然中止することで抑えがきかなくなっている状態です。

酒さ様皮膚炎の原因というのは、もうステロイドの長期連用につきるので

ステロイドを塗っていて、なおかつ、塗りやめたら顔が腫れる

というのが酒さ様皮膚炎の特徴になります。

酒さ様皮膚炎の原因
酒さ様皮膚炎の原因はステロイドの慢性的な使用によるもの、とはっきりしています。ステロイドの副作用として生じる皮膚炎ですので、元々何らかの原因...

※プロトピックの副作用としても酒さ様皮膚炎が報告されていますが、ここではあえてステロイドで説明しています。

プロトピックの副作用で酒さ様皮膚炎?プロトピックと酒さの関係をまとめました。
プロトピックとはステロイドと同様に炎症を抑える働きのある塗り薬です。 ステロイドの副作用が懸念される場合などに処方されることのあるお薬で、...

酒さとステロイド

一方、酒さ患者さんもステロイドを塗ったことがある方が多いです。

酒さは認知度が低く原因も不明であることから、医者も酒さという診断を出したがりません。

他の皮膚疾患を併発している事も多いため、ニキビやアトピー、脂漏性皮膚炎などという診断がついている事も多くあります。

明確な区分がない病気ですので、見分けることも非常に難しい上、脂漏性皮膚炎と酒さを併発している、というような事も珍しくありません。

このような背景から、酒さという診断がつくまでに何件も皮膚科を訪ねる方も珍しくありません。

大抵の皮膚疾患で、炎症を抑えるために有効なのはステロイドです。

そのため、酒さ患者さんでもステロイドを使った経験がある、という方がほとんどです。

自分が酒さか酒さ様皮膚炎か知るには

自分の今の状態が酒さか酒さ様皮膚炎かを理解するポイントは、ステロイドを使った事があるかかどうか、ではありません。

現在ステロイドの離脱症状があるかどうか

がポイントになってきます。

この部分を意外と勘違いされる方が多く、ステロイドを使ったことがあるから酒さ様皮膚炎なのかしら、と悩まれる方もいらっしゃいます。

中には何年も前に使ったステロイドの影響を懸念して、酒さ様皮膚炎なのか酒さなのか、と悩んでおられる方も。

酒さ様皮膚炎になった場合、ステロイドの離脱症状はすぐに表れます。昔使ったステロイドが、現在になって初めて影響するというような事はありません。

一部、そういった不安を煽るような情報もありますので注意して下さい。

酒さと酒さ様皮膚炎、どこまで情報を共有できるか

では、酒さと酒さ様皮膚炎患者はどこまでの情報を共有できるのでしょうか。

違う病気とは言え、酒さ様皮膚炎は「酒さの様な」と名前にまでなっているほどの皮膚疾患。参考にならない訳がありません。

酒さと酒さ様皮膚炎の違いがどこかさえ分かれば、その違い以外は全て参考になると思っていいです。

酒さ様皮膚炎はまず脱ステロイド

では、違いというのは。

酒さ様皮膚炎の患者さんというのは、脱ステロイドを行っている事と思います。ここが大きな違い。

酒さ患者さんは脱ステしている訳ではありませんので、脱ステ初期の顔が赤く腫れあがったような炎症ですとか、その後の鬼のような皮剥けというものがありません。

似たような症状を起こしている事は確かですが、脱ステはしていないんですね。※以前に脱ステしたことがある、という酒さ患者さんはたくさんいらっしゃいます。

酒さ様皮膚炎患者は、まずこの脱ステロイドというのをある程度進めて、肌を小康状態に持っていく必要があります。

ここが最大にして最強の難関ですね。

脱ステの苦しみはここで取り上げ始めるとキリがないので触れませんが、ステロイド離脱という一点においては、酒さよりもアトピー患者さんなどの情報も参考になると思います。

脱ステ後の赤みは酒さなのか

さて、脱ステロイドの炎症や浸出液、皮剥けまで終わるとある程度きれいな肌が表面に出てきます。

肌触りもどんどん自分の本来の肌に近づいていって、肌の厚みも戻ってくると思います。

それでも、顔の赤みはしつこく残る場合があります。

私もそうなのですが、脱ステ1年経って随分と肌も回復しましたが、肌の赤みは残っていますし、調子によっては逆パンダだったところが目だったりもします。

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脱ステ中のような明らかに炎症している肌ではないので、ふと忘れそうになるんですが、やっぱり普通の肌状態ではないんですよね。

火照るし、チリチリというかムズムズというか、何とも言えない感触もたまにありますし、ちょっと油断するとニキビもひどくなります。

この状態が酒さなのか、と言われると正直分かりませんが、酒さの特徴は兼ね備えていると思います。

そのため、やっぱり酒さのスキンケアとか、酒さの腸内改善とかは一定の効果があると思います。

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酒さという診断

今の状態で私が他の病院を受診して、酒さという診断がつくかというと、それも分かりません。

うちの医師はタヌキなので、診断名とかあまり言わないんですよ。

酒さ様皮膚炎発症前から通っている事もあり、顔の赤みの話にはなるんですが、酒さだからどうの、という話になる事はありません。

ロゼックスやアゼラインのようなお薬を処方できる性質の病院ではありませんので、この病院はこれでいいかと思っています。

また、酒さという診断をつける事にも別に拘ってはいませんので、特に診断名を聞くこともありません。

ロゼックスを処方して頂ける病院がとても気になるので、もし転院するような事があればその時は色々と聞くと思います。

私にはこういった背景がありますが、脱ステ後の赤みもやっぱり血管拡張の結果には違いないので、酒さという診断を下す医師もいるでしょうし、そうでない医師もいるように思います。

元々、酒さという診断ってつきにくいですし、診断名をつけることよりも、自分の状態を理解して治療や毎日の生活に活かしていける事が大事かと思います。

ただ、日々の暮らしに活かしていく上でも医師の診断が欲しい、という部分もありますので、難しい部分ではあるんですよね。

一つ言えるのは、診断内容が納得いかなくて転院するのと、酒さの診断をもらうためだけに転院するのとは違うということ。

酒さという診断が欲しいがために転院を繰り返しているような方は、少しだけ立ち止まってみて下さい。

また、酒さという診断が下りなかったとしても、脱ステ後の肌は酒さに近い状態ではあります。

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元の皮膚疾患と酒さを併発していたという可能性

酒さ様皮膚炎はステロイドを塗って起こる皮膚炎ですから、ステロイドを塗るような何らかの要因があったという事なんですよね。

私の場合はニキビでしたが、昔の写真を見ると、もう途中から酒さも併発しているように見えます。

当時は酒さという知識もありませんでしたし、何がいけないのか私も医師もさっぱりわかりませんでした。

医師の言うとおりにやっても治らず、余計にひどくなっていって、とうとう匙を投げられたなんて経験もあります。

酒さ様皮膚炎というのは酒さの素養がある人がなりやすい、という見解もあって、そうだとすると、ステロイドやプロトピックを塗っても酒さ様皮膚炎にならない人がいるのも説明がつくんですよね。

この見解は多くの医師が持っているようですが、インターネットで情報を発信してくれているのはこのブログでも何度も取り上げているわたなべ皮膚科の先生。

私は、酒さ様皮膚炎というのは既に存在する酒さがステロイドの外用によって修飾、増悪したものと考えています。

(中略)

同じようにステロイドを塗り続けても、どうして酒さ様皮膚炎ができる人とステロイド座瘡ができる人に分かれるのか、酒さ様皮膚炎が顔にステロイドを塗り続けて起こる単純な副作用と考えると説明ができないのです。酒さ様皮膚炎は、酒さにステロイドを塗り続けて酒さが修飾され、増悪して酒さ様皮膚炎になると考える方がはるかに合理的です。

引用:わたなべ皮フ科・形成外科 – 赤ら顔

皮膚疾患と酒さが併発してしまっているとやっかいです。ただでさえ診断が貰いにくい酒さなのに、元の皮膚疾患が邪魔をしてそちらでの診断ばかり下ってしまいます。

私がお聞きした中でも、元の皮膚疾患と酒さが併発していたというタイプの方が相当多いように思います。

酒さか酒さ様皮膚炎か以外にも元の皮膚疾患でも違う

脱ステを行って肌が回復してきても、元々患っていた皮膚疾患は残ることがあります。

私の場合ですとニキビですし、脂漏性皮膚炎からなった方、化粧品かぶれアトピーからなった方と様々です。

この部分が違うと、当然合うスキンケアなどは変わってきますよね。

そこも一つの問題で、酒さだから、酒さ様皮膚炎だから、といっても色々なタイプの肌状態があります。

そのため、外側から与えるタイプのケア、特にスキンケアに関してはほんとうに千差万別。

ある程度の指針にはなるんですが、全く同じ通りにしたからと言って全く同じ過程をたどってくれる訳ではありません。

ほんと、やっかいですよね。

叫びたくなりますが、ここはもう、そういうものだと割り切るしかありません。

だからと言って他の方の取り組みが全然参考にならない訳ではなく、自分に取り入れられそうなところはどんどん取り入れていくといいと思います。

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まとめ

酒さと酒さ様皮膚炎と、明確な区分ができるのは脱ステロイド中かどうか、という一点に集約されるように思います。

脱ステ中なら、まずはある程度まともな肌を取り戻すために、脱ステを完了させることが優先事項

そうでなければ、今の自分の酒さ状態と併発している皮膚疾患を見て、どこを重点治療していくかを考える。

その上で、酒さの取り組みや酒さ様皮膚炎の取り組み、ニキビ肌の取り組み、脂漏性皮膚炎の取り組み、と色々な取り組み方がありますので、自分に合ったやり方を探っていく。

自分に合ったやり方、というのが本当に人それぞれであるため、正解というのはなくても、情報の共有ができる事で色々な方法を知ることができます。

酒さだから私とは違うかな、酒さ様皮膚炎だから私とは違うかな、というような事ではなく、全て参考にはなりますので、上手く取捨選択して自分に取り入れていきましょう。

そこがかなり、大変なんですけどねw

焦らずいきましょうね。

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