酒さよう皮膚炎の症状改善は非常にゆっくりでした。まずは炎症の状態が徐々に良くなっていきます。真っ赤に腫れ上がって大やけど状態の肌は相変わらずですが、よく見ていると少しずつ、少しずつ変化していきます。本当に注意して見ていないと分からない程度の改善です。
私の場合、治療開始後大体7日間くらいで炎症の状態が1段階良くなったように感じたました。今回はその7日間で肌がどんな風に変化していったのかの体験談です。
もくじ
発症後すぐー赤紫で膿を持ったお岩さん肌
発症直後の肌は赤を通り超して赤紫です。紫といってもきれいな色ではなく、黒に近く、赤黒いといった表現した方がいいかもしれません。炎症を起こした上に内部でうっ血してる感じです。
その上肌はガサガサでなめらかさの欠片もなく、膿を持ったブツブツまであります。リンパ液が出ている箇所もあり、肌のいたる所にリンパ液が固まった黄色い塊が張り付いています。何もしていなくても顔が熱く、何かのはずみでリンパ液の塊が取れるとそこからまた汁が出て来ます。
これが発症直後の地獄のような肌状態です。肌の赤みは長いこと取れないのですが、ここまでひどい肌状態は発症直後だけです。ただ改善は非常にゆっくりで良く観察しないと分からない程度にしか改善していきません。何かのお手入れをしたり、食事に気をつけたりしてみても次の日起きたら肌が良くなっているなんて奇跡は起きず、期待を込めて鏡を見ては絶望する日々です。
発症後4日ー紫から赤へ
数日経つとうっ血したような赤紫の黒ずみが徐々に「赤」に変わっていきます。マシになったかと言われたら別にマシにはなっていません。ほてりや膿、リンパ液などは相変わらずですなので辛さも特に軽減されてはいません。
よく見ると黒ずみが軽減して赤になっているのですが、自覚がない程度の軽減具合です。毎日何回も鏡を見てはため息をついています。とにかく真っ赤な大やけど肌に絶望しているので何度も鏡を見ている割には気づきませんでしたが、ほんの少しだけ良くなっているんです。
赤紫より赤の方が健康的です。50歩100歩、どっちも病的なので健康な肌を見慣れていると分かりません。周りの人はほぼ全員健康的な肌ですから、どうしても比べる基準をそこに置いてしまいます。多少のニキビや肌荒れ、アレルギーは酒さ様皮膚炎の発症直後に比べたら健康そのものと思ってしまうくらいです。(そういった症状をお持ちの方でも重度の方はたくさんいます。病気自体を比べてどちらが辛い、というような意図はありません。)
周りの人の肌と比べるのは精神的に良くありません。酒さ様はこういったほんの少しずつの改善を積み重ねて徐々に徐々に良くなっていきます。「50歩100歩じゃん」程度の改善しかしないんですが、ゆっくりゆっくり、でも確実に良くなっていくんです。
発症後7日ー赤のガサガサ肌
発症してから1週間が経つ頃には初日の黒ずんだ感じはなくなっています。鮮やかな赤が顔全体に広がっている感じです。ここからさらに数週間経てばピンクと言える程度まで改善しますが、1週間ではまだ「赤」です。顔が真っ赤な事には変わりありません。
膿やリンパ液も相変わらずですが、初日よりは黄色いポツポツが減っています。ゴワゴワしていたお岩さん肌がどんどんガサガサになっていきます。ここからもう少しすると皮剥け期が始まります。
私の場合は処方して頂いた十味敗毒湯という漢方が効いたのか、ニキビ肌の頃よりは膿の引きが早かったです。早いといってもステロイドを塗った時のような劇的な改善はありません。「あれ、いつもだったらもうちょっと長く膿んでるんだけどなあ」程度です。期間にしたらほんの2~3日程度の差ではないかと思います。
この時の感想を次回の診察時(1ヶ月ほど先になります)の担当医に話したところ「漢方だけじゃなくて、ビタミン剤との相乗効果だと思うよ。」とおっしゃってました。
これも、その程度の改善では50歩100歩で意味がないと捉えるか、ほんの少しの改善でも進歩だと捉えるかは人それぞれだと思います。
ただ、この病気に言える事は、どんなに身体にいい事をして肌に気を使っていても、数日から1週間程度の短期では50歩100歩の改善しかしないという事です。1ヶ月ですら治療期間を考えたら短期です。
少々の改善を無駄だと切り捨ててしまうと、結果的には積み重ねていけば数ヶ月で完治したはずの症状が1年かかった・・・という事にもなり得ます。ただし、こればかりは同じ人間、同じ状態で試せない以上体感レベルでしかないのは否定しません。どういった改善法をするかは結局のところその人次第です。
まとめ
酒さようは本当に少しずつ、分からない程度にしか改善していかないので毎日が辛く、出口が見えない苛立ちと絶望で明るい気分になどなれません。ですが、本当は目に見えて良くならないだけでちょっとずつ改善しているんです。
短気を起こして肌を痛めつけるのが一番いけません。まずは炎症を抑えるのが一番大事です。炎症期の乗り切り方は前回記事にしましたので興味があれば参考にして下さい。この時期はとにかくお手入れらしきものは一切やめて肌をいたわるのが先決です。
どんなに悪い状態に見えても、今日より明日、明日より明後日の肌の方がきれいです。本来、人の持つ自然回復力はすごいんです。酒さ様皮膚炎はその回復力のバランスが崩れてしまった病気なので気長に回復させるしかありません。
私が記したこの7日間での改善も、人から見たら改善に入らない程度かもしれません。それでもちゃんと見れば初日より7日後の方がマシな肌状態です。炎症期真っ最中には自分自身でもこの事に気付いていませんでしたが、数日おきに自分の肌の写真を撮っており、久しぶりに見てみたらほんのちょっとだけ改善している事に気がつきました。
「今より少しでもマシになる」この繰り返しは本当にとても大事です。このペースでいくと治療記も大分長くなってしまいそうですが、化粧ができる程度に改善した現在の様子まではどうにか記事にしていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
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