酒さよう皮膚炎を発症してしまうと化粧はおろか、洗顔や化粧水、乳液などといった通常のスキンケアすらできなくなってしまいます。
そこからゆっくり肌改善を重ねていくに従ってスキンケア方法もステップアップしていく事ができます。
化粧水に関しても同様で、化粧水の最初のステップにはヒルドイドやビーソフテンなどの処方薬を使用している場合も多いです。とは言え、ヒルドイドはあくまで処方箋が必要なお薬ですので、さらにここからステップアップして通常の化粧水が使えるまでになりたいところ。
通常の化粧水では酒さ様肌に刺激が強すぎることが多いのですが、化粧水を手作りする事によって最低限の成分だけを肌につける事ができ、シンプルにスキンケアができます。
今回は市販の化粧水を使い始める前にぜひ試して欲しい、化粧水を手作りする方法とメリット、デメリットをご紹介します。
もくじ
手作り化粧水のメリット
無添加で肌に優しい
手作り化粧水のメリットは何といっても材料が全て把握でき、完全に無添加で作成できることにあります。
防腐剤などの余計な成分を加えず肌に優しい上に、原料も自分で選んで作る事ができますので自分の肌に合った化粧水を作る事が可能です。
自分に応じたカスタマイズ
また、原料を手元に置いておく事になりますので、肌状態に応じたカスタマイズも可能です。
酒さ様皮膚炎を発症してしまった場合、肌状態は目まぐるしく変化します。炎症が起こったと思えば皮剥けが始まったり、落ち着いていると思っていたら季節の変化などですぐに赤みが増したり。
手作り化粧水であればこういった変化にも対応しやすく、乾燥が進行してきたら潤い成分を足すなどの調整がすぐにできます。
安価
よほど原料にこだわらない限り、手作り化粧水はかなり安価に作成できます。基本となる化粧水を作成するのには数百円程度で作成できます。
また、ビタミンC配合やセラミド配合などの高機能なものであっても、原料を入手できれば市販品よりもはるかに安く作成することができます。
市販品には主力となる成分の他にも有効となる成分がたくさん入っていますので安易に比較はできませんが、主力成分が手に入る場合には市販品よりずっと低コストで作成することができます。
手作り化粧水のデメリット
手作り化粧水のデメリットは管理が面倒の一言につきます。
原料の鮮度
基材にする水やプラスする原料など、全て新鮮な状態に保たなくてはなりません。モノによっては冷蔵庫管理が必要ですし、消費期限が決められているものもあります。
消費期限が短いとその間に使い切らなくてはならないため、酒さ様皮膚炎の肌のように状態がめまぐるしく変わる肌には向きません。
肌状態によって化粧水を変えたり、ヒルドイドまでステップダウンさせたり、時には脱保湿を行ってみたり、と酒さよう肌がある程度改善するまで化粧水の消費量は非常に少ないものです。
そのため、消費期限の短い原料を購入すると期間内に使い切れず結局ムダになってしまうというデメリットがあります。
雑菌混入の恐れ
手作り化粧水では防腐剤を用いないため、肌にいい成分のみを使用することができます。これが最大のメリットではありますが、この防腐剤を用いない事はデメリットにもなり得ます。
防腐剤を用いないため、雑菌が繁殖しやすくなるのです。
これを防ぐため手作り化粧水はあまり作り置きせず、3日分から1週間分程度をこまめに作るのが推奨されます。
また、作った化粧水を入れる容器も煮沸消毒などで清潔に保つことが推奨されます。
はっきり言って手間隙がかかって面倒です。
面倒になってしばらく放置してしまった化粧水には雑菌が繁殖している恐れがありますので、酒さ様皮膚炎のように過敏な状態の肌につけるには向きません。
手作り化粧水の注意点
手作り化粧水の最大の注意点は鮮度と清潔さを保つことです。
鮮度を保つ
手作り化粧水の鮮度を保つには
- 原料は新鮮なものを使う
- 短期間で使いきれる量を少量のみ作る
事が大事です。
清潔を保つ
手作り化粧水の清潔を保つには
- 汚れた容器を使わない
- 短期間で使いきれる量を少量のみ作る
事が大事です。
特に短期間で使える量のみを作る事で鮮度も保てます。少量ずつ作るのがお勧めですが、作る回数が増えればその分手間がかかりますので、3日~1週間分程度を目安に作るといいでしょう。
肌に合わない可能性もありますので初回は1~2日分程度を作りましょう。
肌に合わない場合はすぐやめる
作った化粧水が何らかの肌に合わない場合は無理して使用せず、すぐに使用を中止してください。
手作り化粧水は自分に合ったレシピにすぐ切り替えられる事もメリットの一つです。
少量ずつ作っていればコスト的にもそれほどのダメージはないはずですので、合わなかった場合は潔く捨てましょう。
手作り化粧水基本のレシピ
まずは手作り化粧水の基本レシピをご紹介します。このレシピが基本中の基本でこのままでも十分に化粧水として使用できます。この基本レシピが最もシンプルで安全な化粧水です。
用意するもの
- 精製水
- グリセリン
- 容器
用意するものはたった3種類。材料としては2種類でどちらも安価に購入できます。
精製水
精製水は塩素などの不純物を除いた純粋な水です。不純物が含まれていないので医薬品や医療品にも使用されています。
精製水にも種類があり、製造業者によって不純物濃度などに独自の基準が設けられている場合があります。
精製水自体はかなり安く、ドラッグストアなどで最安値で購入すると500mlが100円以下で買えますが、大洋製薬という製薬会社から化粧用の精製水が販売されています。
この精製水は手作り化粧水やスチーム美顔器への使用を前提として不純物を除去してあります。安価な精製水よりは高めですが、それでもかなり安いのでできればそちらを購入しましょう。
グリセリン
グリセリンもドラッグストアで安価に購入することができます。安価ですので大容量のものも販売されていますが、少量ずつしか使わないので大容量のものは必要ありません。
グリセリンも時間が経てば劣化しますので、鮮度を保つ為にも少量のものを購入しましょう。
またグリセリンも純度があり、高品質なものほど不純物が少なくなっています。あまり安価なものよりも、不純物の少ないものを使用した方が肌が反応する確率が低くなります。
容器
ガラス製のものであれば少々値段は張りますが煮沸消毒ができます。
100均などで安価に購入できるプラスチックのものは煮沸消毒すると変形してしまうのでエタノールで消毒します。
容器にエタノールを入れてパシャパシャと振って乾かすだけですが、容器の口などを消毒し忘れやすいので要注意です。
スプレータイプのものはエタノールを数回スプレーで噴射して、ノズルやスプレー部分もきちんと消毒してください。
エタノールは肌につけると荒れる元となります。ふき取るのではなく完全に乾くまでちゃんと待ちましょう。
スプレーのノズルはなかなか乾きにくいので、ある程度乾いたら精製水を数回スプレーする事でエタノールが残るのを防ぎます。
レシピ
- 精製水 100ml
- グリセリン 5~10ml
これが基本の分量となります。グリセリンが5mlなら5%濃度、10mlなら10%濃度となります。
グリセリンの量を多くするほどしっとりしますが、グリセリンには保湿作用と同時に吸水作用があります。あまりに濃度を高くしすぎると元々肌にある水分まで奪ってしまい却って乾燥が進む原因になります。
酒さよう皮膚炎の肌は敏感ですので少量から始めてください。5%より少なくても構いませんので、炎症がひどい時などは2~3%程度から始めてみて下さい。
グリセリンが肌に合わない場合も十分にあり得ます。合わない場合は無理して塗らないようにしましょう。また、濃度を下げると塗れる場合もありますが、保湿性能は低下していきます。
化粧水の量は濃度が分かりやすくなるよう、100mlを基準としています。
手作り化粧水は少量ずつ作るのが理想ですが、100ml作るとかなり長持ちします。最初は20ml程度ずつ作ってみるといいです。
グリセリン濃度 | 精製水量 | グリセリン量 |
---|---|---|
2% | 100ml | 2ml |
50ml | 1ml | |
20ml | 0.4ml | |
5% | 100ml | 5ml |
50ml | 2.5ml | |
20ml | 1ml | |
7% | 100ml | 7ml |
50ml | 3.5ml | |
20ml | 1.4ml | |
10% | 100ml | 10ml |
50ml | 5ml | |
20ml | 2.5ml |
少量ずつ作るなら1mmずつ図れる計量スプーンや0.1gが図れるデジタルスケールがあると便利です。
この化粧水は顔だけでなく全身使えますので、計りやすい50mlや100mlなどで作って身体にもバンバン使ってしまうのも手ですね。
作り方
消毒した容器に分量の精製水とグリセリンを入れ、しゃかしゃか混ぜるだけです。
グリセリンは分離しませんのでこれだけで基本の化粧水が出来上がります。
分量さえ量ってしまえばとても簡単にできるのですが、容器の消毒や分量の計測がとても面倒です。
容器にテープなどでラインを引いて目印にすると計測の手間が少し省けます。
使用期限の目安
大体1週間程度を目安に使い切ってください。冷蔵庫に入れておいても2週間程度。防腐剤などを入れていないので短ければ短いほどいいです。
冷蔵庫に入れるのは保存期間を延ばす意味だけでなく、酒さ様皮膚炎で炎症を起こしている肌へのクールダウンとしてもお勧めです。
容器の消毒にも使えるエタノールを足して防腐剤代わりにする事もできるのですが、酒さ様の肌にアルコールは高確率で反応するのであまりお勧めしていません。
プラスアルファの一品
基本の化粧水に対して、さらに肌にいい成分をプラスする事ができます。自分の肌に合う成分のみを選んで使える事は手作り化粧水の最大のメリットです。
プラスできるアイテムとしてはアロマオイルやビタミンC、尿素、セラミドなど多岐に渡ります。
中でも尿素は安価な上手作り化粧水の原料としても有名ですが、軽いピーリング作用があるため酒さ様皮膚炎の肌にはあまりお勧めできません。
どういったアイテムを足したら良いかを1つ1つ紹介するのは長くなりすぎますので別の機会に書きたいと思いますが、酒さ様肌の改善を目的としてとりあえず選ぶならセラミドを足すのがいいと思います。
セラミド
セラミドは最強の保湿剤として現在注目を浴びています。どういったものかというと、角質層の水分保持を担っている成分です。
肌表面の角質層は肌のバリア機能を担っていますが、酒さ様皮膚炎の場合このバリア機能が低下し、めちゃくちゃになっています。
角質層には角質細胞が何層にも渡って積み重なっていますが、その角質細胞のすき間を埋めるように満たされているのが「セラミド」という成分です。
つまりセラミドは人体に存在する物質なのです。
このセラミドは細胞間資質といって、水と結びつきやすい性質を持っています。スポンジのように水分をぎゅっと保持して肌の潤いを保ちます。
また、外部刺激から肌を保護するバリアとしても機能しています。
酒さよう皮膚炎の場合は肌が極端に薄くなっており、水分を保持する能力も貧弱で肌のバリア機能も極端に低下しています。
セラミドは酒さよう皮膚炎でボロボロになっている肌には最適な成分です。
セラミド&プラセンタ原液
リバテープという製薬会社からセラミドとプラセンタが一緒になったプラセラ原液という商品が発売されています。リバテープさんは絆創膏を作っている事で有名ですね。
セラミドは前述の通りですが、プラセンタは胎盤のこと。組織修復作用や抗炎症作用があるためこちらも酒さよう皮膚炎の肌を改善に導きやすい成分です。
商品として化粧水に混ぜて使うことが紹介されていますので、手作り化粧水にもぴったりです。
原液のままでも塗れるようですが、酒さ様皮膚炎の肌にいきなり原液を塗るのはあまりお勧めしません。まずは手作り化粧水に少量ずつ加えてみて下さい。1回分の化粧水に1滴たらしてみる程度から始めると刺激を避けつつ商品を試してみる事ができます。
初回限定で1000円程度で購入できますので手ごろな価格ですし、手作り化粧水の原料とするなら消費量も少量ですので初回限定のものが相当長く持つはずです。
まとめ
酒さよう皮膚炎を発症してしまい、化粧水が使えないとお悩みの方は多いです。
頼みの綱のヒルドイドには血行促進作用がありますので、酒さ様皮膚炎の肌には逆効果に働く場合もあり、そうなると何をつけていいか分かりません。
肌状態によって脱保湿で改善する場合もあるのですが、保湿をした方がいい場合もあります。
保湿はしたいけれどもヒルドイドが塗れなかったり、皮膚科への通院ができなくてヒルドイドが切れてしまったりなどの場合にも手作り化粧水の基本を抑えておくとシンプルなスキンケアが可能になります。
また、いつまでも処方薬に頼るわけにはいきませんのでいずれはヒルドイドから卒業しなくてはなりません。
そういった時のファーストチョイスとして手作り化粧水という選択肢も覚えておくと、酒さ様皮膚炎のような敏感な肌であってもスキンケアの助けになるかと思います。
酒さよう皮膚炎の肌はとてもデリケートで日々状態も違います。その時々にあったスキンケア法を選択して肌を少しでも良い状態に持っていけるといいですね。
コメント
ろーざさん、お久しぶりです。
しばらく間があいたので、てっきり、ご出産されたのかと思ってました(*^.^*)
ろーざさんの肌、白くなりましたね♪赤みも後少しというところですね!
私は脱ステから3ヶ月ちょっと経ちました。皮剥けのピークは終わり赤みは最初に比べれば、だいぶマシになったと思います!
2ヶ月経つ頃から脱保湿を初めました。ヒルドイドを塗っても赤みが増すだけだったので、この際全部やめてしまえという感じで(;^_^Aそれからは夜の水洗顔のみです。
何もしない難しさですが私には合ってるかもしれません。
つうさん、お久しぶりです!
どうしてらっしゃるか気になっていました。遊びに来て下さって嬉しいですヾ(〃^∇^)ノ
肌が白くなったのはきっと寝てばかりいたから・・・・・w
これで赤みが取れれば言うことないんですけど、すぐにどうこうなるもんではないですね(;´∀`)
まともなスキンケアができておらず結果的に脱保湿気味になっていますけれども、悪化しなかったのが幸いです。
つうさんも一番辛い時期を乗り越えられたようで、皮剥けのピークが終われば大分楽になりますよね。
脱保湿で肌が改善していく時期が私と似ているような気がします。
使っているアイテムを減らすって意外と勇気がいるんですが、ご自分の肌状態を観察した上での判断ができて素晴らしいと思いますよ。
これからも一緒に改善を目指していきましょうね。
ありがとうございます(*^^*)
でも少し良くなると欲が出て、このまま赤みもなくなってと肌への改善に焦りが出てきちゃうますね!
酒さ用皮膚炎で色々、検索していたら大阪にある阪南中央病院の佐藤健二先生が出てきて私はアトピーではないんですがアトピーの脱ステ脱保湿が有名らしく本も出してるというので買って読んで見ました。(詳しい漢方名までは載ってませんでした)その中で漢方もステロイド作用を有する。と書いてあったので漢方薬もやめてしまいました。
今は何が1番、正しい治療方法かはわかりませんが、この病気が治った時に、わかるんでしょうね♪
欲出ますよね! 最初は炎症さえ引けば・・・とか思ってるんですけど、炎症が引いてきたら赤みも消したくなりますしw
佐藤先生は脱ステで有名な先生ですよね。
脱ステというとアトピーのイメージがありますが、酒さ様も強制的に脱ステさせられるんでとても参考になりますよね。
漢方は確かに「甘草(カンゾウ)」という成分がステロイドに似た働きをするんです。
ですのでどの漢方が、というよりも甘草が入っている漢方薬にステロイドと似た働きがある、という事ですね。
だからと言って甘草とステロイドとは違いますし、飲むものと塗るものでも全く違いますので漢方自体を極端に避ける必要はないのですが、不安を抱えながら飲むくらいなら辞めてしまってもいいと思いますよ。
一度全部やめると、少し経って振り返った時に「そう言えばあれを飲んでた時はこんなところが良かったな」なんて振り返ることができるようになります。
個人個人で体質が違いますので誰にでも合う正解というのはないのですが、自分に合う正解は見つけていきたいですよね。
さすが!ろーざさん↗↗やっぱり佐藤先生の事ご存知でしたね(^^)
以前、漢方薬を間違えて処方された時に皮膚科の先生が「別に間違えて飲んでも大丈夫」という言葉が漢方薬をやめたきっかけかもせれません。患者は1ヶ月後、少しでもマシになってるようにと切なる願いで飲んでる薬を心配するどころか誠意のない言葉が引っ掛かっていたのかと思います。
でも実際には漢方薬で酒さも良くなってる方もいるようなので、もしかしたら飲んでる方がいいのかもしれませんね(^^;
くだらない話ですが先日、家にゴキブリが出て必死に格闘したら顔が赤くなってました((T_T))
こんな事で赤くなるようじゃ、まだまだですね(–;)
お医者さまに適当な対応されると萎えますよね(´Д`。)
せめて、間違えた薬と本来の薬の説明をしてくれた上で、「こうだから今回は大丈夫ですよ」みたいに言ってくれれば・・・。
適当にされるとどれ飲んでも一緒みたいに聞こえちゃいますよね(;><)
バトルお疲れさまです。興奮すると血流が良くなるのはおかしい事じゃないんで、顔の赤みはあまりお気になさらず。
あれとバトったら私もきっと真っ赤な顔で半べそかいてますのでw
ミニエピソードにちょっと和んでしまいました。大変な思いをされたのにすみません。ありがとうございます(●´∀`*●)