酒さや赤ら顔治療に用いられる加味逍遙散。効果や効能と3ヶ月飲んだ感想をまとめました

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加味逍遥散

赤ら顔治療や酒さ治療に用いられる漢方の一つに加味逍遙散(カミショウヨウサン)というものがあります。ツムラさんだと24番の漢方薬です。

酒さの方だけでなく、酒さ様皮膚炎の発症時にも処方されているようで、酒さ様皮膚炎の治療で加味逍遥散を処方されたお話も良く聞きます。

今回は加味逍遥散という漢方薬と酒さへのアプローチ、さらに私自身が服用して3ヶ月近くなりますので感想なども交えてご紹介したいと思います。

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加味逍遙散の効果・効能

まずは加味逍遥散の効果と効能がどのようなものかを見ていきます。ここはいつもお世話になっているおくすり110番さんから引用。

【働き】
漢方では、血流の異常を”お血”(おけつ)および“血虚”(けっきょ)という概念でとらえます。”お血”は血流停滞、“血虚”は血流不足とみなせます。女性の月経トラブルを含め、いやゆる“血の道症”には、そのような血流異常を改善する方剤が使われます。

その一つが加味逍遙散(カミショウヨウサン)です。血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。どちらかというと女性向けで、体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感をともなうときに向きます。

具体的には、手足の冷え、のぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応します。また、そのような症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも好適です。

【組成】
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。加味逍遙散には、血流をよくして体をあたためるもの、上半身の熱をさますもの、痛みをやわらげるもの、無駄な水分を取り除くもの、あるいは滋養作用をもつ生薬などがいろいろと配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  • 柴胡(サイコ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 蒼朮(ソウジュツ)
  • 当帰(トウキ)
  • 茯苓(ブクリョウ)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 牡丹皮(ボタンピ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 生姜(ショウキョウ)
  • 薄荷(ハッカ)

引用:おくすり100番 – 加味逍遥散

加味逍遙散は血の異常を改善する事に主眼を当てた漢方です。

血流の停滞や血液不足などの改善が期待できるため、毛細血管の拡張が見られる酒さ様皮膚炎に合いやすい漢方と言えます。

また、身体を暖める効果があり、上半身の熱を冷ますことから顔のほてりやのぼせの改善が期待できます。

生理不順や生理痛などの月経トラブルを改善するほか、更年期障害や自律神経失調症などとも合致しますので、更年期の女性が多い酒さへの効果が出やすい漢方です。

加味逍遙散と酒さ様皮膚炎

酒さや酒さ様皮膚炎に対しての加味逍遙散の働きは、ホルモンバランスと血流異常を整え、結果として赤ら顔や酒さへの改善を図るというアプローチのようです。

更年期の女性に多い特徴を改善することの他、ほてりやのぼせ、血流改善など、酒さの症状に合致した症状の改善も期待できるため、酒さや酒さ様皮膚炎の治療に良く処方されています。

特に酒さや酒さ様皮膚炎はほてりを伴う血流の異常ですから、加味逍遙散との親和性は高いと言えます。

また、酒さは更年期の女性がかかりやすい皮膚疾患のため、更年期障害や女性特有の月経トラブルとの親和性が高い加味逍遙散が体質改善のきっかけとなってくれる可能性があります。

加味逍遙散が合う人

加味逍遙散の特性上、更年期の女性や月経トラブルを抱える女性に合う傾向があります。

  • 生理の周期に合わせて肌荒れを繰り返す方
  • 生理痛などの月経トラブルのある方
  • 酒さと共に更年期障害の症状がある方
  • 冷え性の方

どちらかというと女性向けの漢方に見えますが、男性が飲んではいけないという事はありません。

加味逍遙散の注意点

偽アルドステロン症

甘草(カンゾウ)が含まれていますので、他の漢方薬と一緒に飲む時は「偽アルドステロン症」という副作用に注意して下さい。

偽アルドステロン症とは甘草や甘草の主成分であるグリチルリチンをたくさん摂りすぎると起こす可能性のある副作用で、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され、高血圧やむくみなどを起こす症状です。

倦怠感や吐き気

加味逍遙散に限ったことではありませんが、漢方薬は身体に合わないと強い倦怠感や食欲不振、吐き気や発熱などが起こる事があります。

こういった症状が現れた場合は無理をせずにすぐに服用を中止し、医師に相談するなどして下さい。

加味逍遙散の服用方法

お薬は服用方法が明記されているので必ずその指示に従います。一般的に漢方薬は一日2~3回、食前もしくは食間に服用します。

私は2.5gを1日3回処方されているので一日7.5gですね。量は医師によって違うと思いますが、西洋的なお医者さまだとこの7.5g/日が一つの基準になりそうです。

加味逍遙散の入手方法

加味逍遙散は一般的なドラッグストアでも入手可能です。

皮膚科医の診察を受けていれば相談して処方して頂くほうが安く済みます。また、かかりつけの漢方医がいる場合、まずはそちらに相談してみてください。

十味敗毒湯のようにレシピ違いの処方が存在するわけではないようです。

処方薬だと顆粒タイプや煎じ薬が処方される傾向にありますが、市販薬であれば錠剤も選べますので漢方の味や匂いが苦手な方は錠剤で試してみる事もできます。

市販薬の場合はツムラさんとクラシエさんが多くの漢方薬を扱う大手メーカーです。

顆粒タイプ

ツムラ

クラシエ

錠剤タイプ

ツムラ

クラシエ

加味逍遙散を服用した感想と私の赤ら顔への効果

加味逍遙散服用までの経緯

私自身の漢方服用暦としては、酒さ様皮膚炎発症時は十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)という別の漢方を飲んでおり、最近こちらの加味逍遙散に処方が変更になったという経緯があります。

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十味敗毒湯の時のように、「膿には効いた」という実感や、「飲むのを忘れると赤みが増す」というような体感もありません。

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だからと言って体調が悪化したわけでも、顔の赤みが増したわけでもなく、ただただ「何の実感も感じない」という何とも不明瞭な感想となってしまいました。

最近の肌の調子としては、出産後初の生理再開で顔の赤みが増したり、ニキビや肌荒れがひどくなってしまったりなどがありました。

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生理の再開で肌の調子が悪くなるのであれば、加味逍遙散は親和性の高い漢方薬のはずなのですが、症状に合わせた処方でも体質に合わないと効果が得られないのは漢方薬の奥深いところですね。

生理再開と同時に赤みや肌荒れに見舞われていますので、十味敗毒湯から加味逍遙散への変更が影響したともあまり考えにくく、飲んでも飲まなくても一緒なら以前の十味敗毒湯に戻すかまた別の漢方を試してみるか思案中です。

漢方薬は体質に合うかどうかが一番の決め手ですので、私に効果が感じられなかったからと言って他の方への効果が出ない訳ではありませんし、加味逍遙散が悪いお薬という事はありません。

まとめ

妊娠中から別の漢方を試してみたいと希望し続けて、出産で妊婦ではなくなった事でやっと他の漢方を処方して頂いたのにあまり効果を感じられなくて残念です。

加味逍遙散に限らず、漢方薬は体質に合えばとても効果を発揮する反面、そうでない場合は何の効果も感じない事も多くあります。こればかりは人それぞれですので、自分で試してみるしかありません。

漢方医のお世話になれれば、体質や証などを診て頂けますので、自分に合った漢方を処方して頂きやすくなる反面、保険が効かず高額になる可能性がある、というデメリットもあります。

加味逍遙散は酒さや酒さ様皮膚炎には相性のいい漢方ですので、体質に合えば症状の改善にとても貢献してくれる可能性がありますね。

加味逍遙散は顔の赤みや月経異常による肌荒れには特に効果がありそうですので、生理前に酒さ症状が悪化するなどの自覚症状がある方は試してみてもいいかもしれません。

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