先日皮膚科に行ってきました。
酒さ様皮膚炎発症後8回目。今は2~3か月に1回しか行かないのですが、長く通ってきたものです。
もう通いなれた感がありますし、処方も特に変わっていないのですが、今回は普段あまり聞くことのできない大病院特有の事情みたいなものを聞けました。
前回の受診記録はこちら
もくじ
受診時の肌状態
受診時の肌状態はというと、短期的な意味では肌サイクルの悪い時に差し掛かっていて、あごニキビが少し目立つ状態。
長期的な意味では、食事量の変化によって肌質の変化が表れ始めたあたり。食事量が減ったことによって、生理前の肌のべたつきが解消され、あごニキビも重症化しにくくなりました。
診察内容
結果的な診察内容は取り立てて書くこともないほどシンプルなもの。
顔の赤みがなかなか引かないことと、生理周期でアゴのニキビが出てくることを話した程度です。
処方の変更もありませんし、次の診察もいつも通り予約を取っていただきました。
その話の中で、酒さという言葉と大病院特有のジレンマのようなものを聞いたのが今回の一番のポイント。
酒さという言葉
顔の赤みが引かないことを話していると、医師から
今の病院と医師にお世話になっている期間は長いのですが、最初から酒さという診断で通っていた訳ではありません。
元々は重度のニキビで他の医師から「一回大きい病院にかかってこい」と匙を投げられた、という経緯で通院するようになりました。
その後に酒さ様皮膚炎を発症し、脱ステ1年ほど経つ現在まで通院しているという経緯があります。
酒さ様皮膚炎を発症した直後は別の女医さんが担当していたり、赤みの診察よりもニキビ重視の診察を行う医師だったりで、酒さという言葉が出る事は期待してなかったんですが今回は医師の方から「酒さ」という言葉が。
ですが、だからどうする、という踏み込んだ話になると、大病院ではできない事があれこれとあるそうです。
大病院のジレンマその1:ロゼックスと自費診療
まずは海外では酒さに有効な薬として有名なロゼックスです。ロゼックスジェルというのは薬の名前で、成分としてはメトロニダゾールというものですが、日本では酒さに対しての保険適用がありません。
がんのお薬(がんに特有の臭いに対するお薬)として保険適用がありますので、このお薬を処方するにはがんの診断を出さなくてはいけません。
ガン患者でもない皮膚病患者に、「ロゼックスを処方したいから」という理由でがんの診断を出したら、それはそれで大問題ですよね。
医師も多少の葛藤はあるようで
とのこと。そりゃそうですよね。
ですので、保険診療として私にロゼックスは出せない。
では、自費診療はどうか、というと。
やっぱり大病院ですから、そういった診療は限界があるようです。
その他にも色々とお話ししてくれましたが、つまり、大病院の医師は薬屋さんじゃないので、患者が欲しい薬を処方できるわけではない、ということ。
大きな病院になればなるほど、病院の制約をも受けるという事、ですね。
当たり前といえば当たり前のことですし、私も何となく分かってはいたので、今までロゼックスの話題とかは出さなかったのですが。
医師の口からはっきりとここまで教えてくれたのは初めてです。
大病院のジレンマその2:ベピオゲル
さらにもう一つの葛藤がありました。
2015年の春に新しく認可されたニキビ治療薬があります。ベピオゲルといってディフェリン以来の新薬ですので、ニキビ治療界隈はこの新薬の話で相当盛り上がっていました。
ピーリング作用と抗菌作用を同時に実現したようなお薬で、今まで何をしても治らなかったようニキビ患者さんにも有効だったりするので、ニキビ治療の救世主として現れました。
ベピオゲルの主成分は過酸化ベンゾイルというものですが、海外では酒さにも処方されることもあるため、ニキビのお薬だからといっても意外と侮れません。
ニキビの診断があれば処方できますので、前述のロゼックスよりも遥かに敷居が低いです。
このベピオゲルという新薬ですが、なんと私の行っている病院では採用になっていないのですって。
ベピオゲルに関しては皮膚科の医師も何度か要請を出しているようで、申請通してくれればいいのに、という雰囲気を感じました。
大まかにまとめるとこんな感じの事を、つらつらと話してくれました。
あくまで私の印象ですが、何回か申請を出していそうな言いぶりでした。良い薬だから処方したい、というような雰囲気はすごく感じました。
もう少しだけ踏み込んだ事もお話ししてくれたので、大病院の医師というのは思い通りの診療ができる訳ではないんだ、と感じた瞬間。
今回処方されたお薬は以前と変わらず
このような事情があり、今の病院では、酒さだからといって踏み込んだ治療ができるわけではありません。
とりあえず今まで通りのお薬をもらって、次の予約も普通に取って診察終了。お薬はビタミン剤3種と漢方薬の桂枝茯苓丸です。
以前まで貰っていたヒルドイド系保湿剤は、もう貰わなくなりました。
- 桂枝茯苓丸
- フラビタン(ビタミンB2)
- ピドキサール(ビタミンB6)
- シナール(ビタミンC&パントテン酸)
桂枝茯苓丸は炎症後の色素沈着が取れたと感じている漢方薬、それ以外はただのビタミン剤です。
肌状態の相談より、病院の制約を話してくれてる時間の方が長かったです。
転院も踏まえての医師からのアドバイスと今後の通院
転院するかどうかの選択肢
病院の制約やお薬の制約をひとしきり話した後、最後に医師が転院する時のアドバイスをくれました。
と、ありがたい配慮。
ベピオゲルもう一回申請出してみようかな、とか、他にも色々と気を使ってくれました。
正直、赤子を連れてあちこちの病院を回るのはしんどいので、電話で聞いていいんだ、いう知恵をもらっただけでもありがたいです。
転院についての心境
ただ本当に転院するかどうかと言われると、この10年以上の病歴を説明すると考えただけでうんざりできるので、まだちょっと決めかねています。
酒さ症状に積極的なアプローチが取れなくても、重度のニキビがここまで改善してきましたし、それはこの病院できっちりとビタミン剤や漢方薬を出して頂けた事も大きいのです。
特に妊婦だった私に漢方薬の処方を頂けたことは、ありがたかったと思っています。その時頂けた十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)という漢方薬には、一定の効果を感じましたし。
妊婦に飲み薬は処方したくないとか、産婦人科とちゃんと相談しろなど、何だかんだ言われましたが、結局は処方して下さったので、可能な限りの融通は利かせてくれています。
今頂いてる桂枝茯苓丸も、顔の赤黒いくすみとか炎症後の色素沈着には効果を感じていますし、このまま漢方薬とビタミン剤だけ貰っててもいいなあ、という思いもあります。
今はそんな心境ですので、新しいところに通院するのはあまり積極的ではないです。
もちろんとっても興味はありますが、いざ転院しようとすると尻込みしてしまう感じですね。
転院はいつでもできますから、産んだばかりの赤ちゃんがもう少し落ち着いてからでもいいかもしれません。
追記:その後しばらく経ってから転院したので、転院時のレポートもまとめました。以下の記事からどうぞ。
まとめ
医師にも色々な事情があるんだろうというのは薄々分かってはいましたが、ここまではっきりと医師の口から色々と教えてもらえるとは思っていませんでした。
患者の方は治したい一心で医者にあれもこれも求めがちですが、医者の方も色々な制約を受けながら診察をしてくれているのだ、という事が今日の診察で良く分かりました。
酒さや酒さ様皮膚炎は難治性の皮膚疾患ですから、医師との付き合い方で悩んでおられる方もたくさんいらっしゃいます。
うまく付き合えなくて皮膚科通いを止めてしまったり、医師の言葉に絶望させられたり、もっと何とかしてくれてもいいのに、と不満に思ってしまったり。
患者さんは皆さんそれぞれに事情があり、それぞれの思いがあります。色々な思いがあるのは当然だと思います。
それと同時に、医師の方にも事情がある、という事を少しだけ覚えておいて下さい。医者は万能の神様ではありません。
もちろん、投げやりな診察や適当なあしらいをする医師は、どうかと思います。
でももし、きちんと話を聞いてくれる先生なのであれば、してくれない事を嘆くより、こちらからもきちんとお話ししてみたらいかがでしょうか。
コメント
こんにちは、小さいお子さんがいると、病院いくのも一苦労ですよね、お疲れさまです。
このまえのブログを見たんですが、シャワーヘッドをきりかえると、塩素除去できるんじゃないかなーと思っているんですが、かえるのは、洗面所のシャワーヘッドを取り替えるのがいいですか?わたしは、お風呂の中では顔は洗いません。体、頭あらって、湯槽に使って、体ふいてきがえて、それから、洗面台で洗顔してます。
取り替えるなら、お風呂のシャワーヘッドなのか、洗面台のシャワーヘッドをかえればいいのかわからなくて。
くだらないこときいて、すみません
みゅうみゅうさん、こんにちは!
病院面倒ですー><
転院とかもう、また最初からあれこれやられると考えただけで嫌で嫌でw
シャワーですが、みゅうみゅうさんのライフスタイルだと、欲を言えばどっちも変えた方がいいかも。
髪洗う時の水も顔についちゃいますよね。
でもそれじゃあもったいないし、シャワーヘッドだと維持もしないとですよね。
お風呂のシャワーヘッドを変えて洗顔もお風呂で洗うように変えるか、影響の多そうな洗面台だけ変えるか、これ確かに悩みますねー!
お風呂での洗顔は朝が特に大変そうですが、まずここができるか考えてみましょう。
お風呂のシャワーで顔も洗うように変更できるようならお風呂から、それが無理なら顔を洗う洗面台から変えてみるといいと思います!
くだらないとか気にせずいつでも書いて行ってください。
参考になれば幸いですヾ(  ̄▽)ゞ
ろーざさんは、どこで顔をあらいますか?
朝の洗面は、お風呂ではしないですよね?
ろーざさんが照会してくれたシャワーヘッドはお風呂場用ですかね?
引っ越ししたら洗面台にシャワー付かなくなっちゃったので、今はお風呂で洗ってますw
朝は脱ぎたくないので、浴槽の方にシャワー向けて、自分を濡らさないようにしながらやります。
朝はほとんど水洗顔だけなのでまだいいんですが、洗顔法が変わるとちょっとしんどいですね。
両方変えちゃいたいんですが、洗面台にシャワー付けようとすると洗面台ごと交換になりそうなので、我慢してます><
シャワーヘッドは多分、一般的なものであればつくと思います!
メトロニダゾール。私の通院先では、取扱いがあり酒さ治療で使用経験あります。親水軟膏混合にし、3ヶ月ほどタリオン・ミノサイクリンが処方されてました。その後、炎症を抑えるハイデルマートクリーム。
生理周期で酷くなるニキビを伝えると、解禁したばかりのべピオゲルがだされました。
現在も、ベピオゲルはしようしてます。刺激がありますが、効果は私にはありました。耐久性のあるニキビ菌を漂白剤で根元までやっつける。簡単にいえば、そんな作用のある薬です。ニキビが小さいうちに綿棒で小さくつけて、2日ほどで枯れます。
私の担当医師は、酒さでできる今の治療は一通りしたから、いまのところはその時の対処療法しかない。と。言われました。その後、妊娠がわかり、妊娠中はとてもきれいな肌でトラブルもなかったのに、産後2週間目からまた赤みかゆみがでるように‥
ショックでしたが、ローザさんのおかげでワセリンを味方につけこすらないように気をつけて生活してます。
メトロニダゾールを扱っている病院は先生に聞いても教えてもらえないのかな❓今までの治療方法も紹介状を医師に書いて貰えば、次の病院にいくときスムーズに診察してもらえるかもです。
紹介状は自費だから、数千円必要になりますが。
福さん、こんばんは!
コメントありがとうございます!
ベピオゲルもメトロニダゾールも良いお薬ですから、処方して頂けると酒さ治療の幅がぐっと広がりますよね!
生理周期でニキビがひどくなる辺りも、やっぱり肌質似ていますね(/ ´▽`)ノヽ(´▽` \)
そうすると私にもベピオゲル効きそうと期待してしまう……w
メトロニダゾールはあまり効かなかったのでしたらあとはアゼライン酸くらいでしょうか。
美容皮膚科とか行くとレーザーとか勧められそうですが( ̄~ ̄;)
外用薬で良くなるとも言い切れないので、本当に難しい病気です。
出産すると一気に肌質変わりますよね><
やっぱりホルモンバランスと睡眠や栄養バランスの関係が深いんでしょうね。
出産直後ってまず寝れませんし、2週間くらいだとまだ体もボロボロですもんね。。。
私は立つのも辛かった・・・・^^;
ワセリンは使いこなせるとずっと使える優秀な保護剤です。私も未だに使ってます!
今の病院の医師は、立場上、どの病院に行けばどういう治療をしてくれる、というのは知ってても言わないと思います。
周りに研修医の先生やら看護婦さんやらの目も光ってますし、特定の病院を推すような発言はできなそうです。
近隣の開業医さんのリストは頂きましたし、もし転院するのであれば紹介状は書いてくれると思いますが、転院自体に気が乗らないんですよねw
元々滅多に転院するタイプでない上、面倒なのが先に立っちゃって・・・・・w
でも、診療の限界があるようですので、少し落ち着いたらまじめに考えてみます!
色々と教えて下さってありがとうございます。本当に励みになります!
また何でも気軽に書いていって下さいねΣ(σ`・ω・´)σ