酒さや酒さ様皮膚炎で症状がひどい場合、髪の毛をどうやって洗うか悩んだことはありませんか。
とにかく肌に優しい洗浄方法を、と思うといつも使っているシャンプーだと不安になったりしますよね。
私も近所のドラッグストアのセールで買うようなシャンプーはさすがに止めて、色々と試してみたりしました。
そのうちの一つであまりうまくいかなかったのが、石けんシャンプー。
石けんの特性的にうまくやることができればあまり肌を傷めずに洗髪できるんですが、私は上手にできませんでした。
ただ、私が上手くできなかったのは髪の仕上がりに不満があったことと、とにかく面倒で挫折しただけで、酒さ様皮膚炎を発症していた顔にだけ絞って考えるとそこそこ良かったんですよね。
なので今回は、石けんシャンプーのやり方とメリット、デメリットをまとめてみました。
もくじ
石けんシャンプーとは
石けんシャンプーのやり方はある意味とても簡単。無添加の石けんを使って髪を洗うだけです。
市販シャンプーではなく、無添加せっけんを使うところがポイント。
合成界面活性剤を避けて肌への刺激を排除したり、髪や頭皮の健康を維持、合成界面活性剤の影響による抜け毛対策といった観点から行われます。
無添加せっけんってどんなもの？
無添加せっけんがどんなものかというと以下のようなもの。昔ながらの石けん、という感じですね。
無添加せっけんや純石鹸と呼ばれていて、石けん素地のみで作られているものを差します。石けんシャンプー用のものも発売されていますが、それは後ほど紹介します。
無添加でない石けんもある
石けんの中でも刺激を排除しようとしたり、保湿成分を足したりなど様々な目的で成分を足してあるものもあります。
そういったものは無添加石けんという定義には当てはまらず、ものによっては市販シャンプーと同じくらいの成分が入っていることもあります。
先ほどのものと同じブランドから出ている、無添加でない石けんが以下のようなもの。誰もが見たことのある牛乳石けんです。
牛乳石けんは限りなく無添加せっけんに近いのですが、ほんの少しだけ混ぜ物があります。どの程度の成分を足してあるかはメーカー次第ですが、成分を足してあると無添加せっけんにはなりません。
市販シャンプーの合成界面活性剤
市販のシャンプーには合成界面活性剤が含まれていて、その界面活性剤が洗浄力を出しています。
汚れを落とすという観点においては界面活性剤は非常に優秀ですし、頭は汚れがたまりやすいですからきちんと落とさないとすぐにフケっぽくなりますよね。
頭の汚れを落とさずに放置すれば脂漏性皮膚炎の原因にもなってしまいますし、ある程度の汚れはきちんと落としたいところ。
酒さ、酒さ様皮膚炎のシャンプー事情
ところが酒さや酒さ様皮膚炎の場合は、この合成界面活性剤に思いっきり反応してしまうことがあります。髪を流すときにばっちり顔にかかりますものね。
合成界面活性剤は洗浄力が強くてキレイに洗い上げてくれる反面、肌につくとなかなか取れずに肌刺激を起こしてしまうこともあります。
酒さ症状は顔に出ますので洗顔には気を付けるようになるのですが、洗髪まではなかなか手が回らなかったりします。
また顔は水洗顔で良かったとしても、頭の状態って違いますよね。洗わないと気持ち悪いし、顔よりも汚れがたまりますからどうにかしないといけません。
髪も思い切って湯シャンって手もありますし、脱ステ直後くらいまで荒れてしまった顔の肌に取っては良かったりするんですが、何せ髪の汚れが落ち切らない。
酒さや酒さ様皮膚炎は顔に症状が出るからと言って、顔にだけ気を使っていればいい訳でもなくやっかいですね。
脂漏性皮膚炎から酒さになってしまう方や併発している方も多く、酒さや酒さ様皮膚炎でのシャンプー事情はかなり悩みどころですよね。
石けんシャンプーのメリット、デメリット
無添加せっけんで洗うメリット
合成界面活性剤を使っておらず洗浄力もある無添加石鹸で髪を洗ってしまおう、というのが石けんシャンプーです。
本来は合成界面活性剤が髪への刺激になっていたり、頭皮に良くなかったりということから始まっていますが、ここではそういった髪や頭皮よりも顔の肌に焦点を当てていきますね。
無添加せっけんは純石鹸とも呼ばれていて、一般的な洗浄剤と違って合成保存料や合成着色料、合成界面活性剤などが含まれていません。
石けんというのは界面活性剤そのものなのですが、天然の界面活性剤しか含まれておらず、合成されたものではないので自然です。
石けんの特性としてある程度薄まると界面活性作用を失います。このことから、水に流す時点で刺激がとっても少なくなるんですね。
泡の段階ではきちんと汚れを落とし、水で流せば界面活性剤が肌に残らない。
この石けんの特性が合成界面活性剤にはない、石けんの最大のメリットです。
無添加せっけんで洗うデメリット
無添加せっけんで洗うということは、界面活性剤そのもので髪を洗うということ。
やってみると分かるのですが、とにかくキシキシしてまともに指が通らなかったりします。
市販のシャンプーは、こういった部分を改良するために様々な成分を足してあるんですね。
無添加の石けんで洗っているとこういった合成シャンプーによるコーティングや合成界面活性剤が落ちていき、本来の髪が現れてくると言われています。
また、すすぎが足りないと洗い残しになり却って肌ダメージになりますが、無添加せっけんは市販シャンプーよりも流しにくいです。
すすぎの時には石けんカス（金属石けん）が髪に残り、とってもきしみます。
泡切れが良かったり水で流しやすいのも、市販シャンプーがきちんと水で流しやすいように入れてある成分のおかげなんですね。
さらに、リンスの存在が挙げられます。無添加せっけんで洗おうとすると、市販のリンスやコンディショナーが使えなくなります。
使えるのは石けんでアルカリ性に傾いた髪を中和することのできる、酸性リンス。
一般的にはクエン酸を水で薄めたものが使われますが、原理としては台所のお酢でもいいのでそれを使う方もいます。
余計な成分を一切排除してある事がメリットの無添加石けんですが、使用感という点でどうしても使いにくくコツがいる洗髪方法になります。
石けんシャンプーのやり方
石けんシャンプーのやり方を見ていきます。市販の合成シャンプーで洗うよりも少し手間がかかります。
1.洗髪前のブラッシング
洗髪前にはきちんとブラッシングをします。
髪のもつれをほぐしておくだけでなく、ブラッシングによって髪と地肌の汚れが浮き上がってきますので、汚れ落ちに影響します。
この工程をキチンとやるかどうかで、洗い上がりも変わります。
２.お湯でプレウォッシュ
髪の毛を濡らしつつ、ほこりなどの軽い汚れを落とします。
石けんの泡立ちを良くするために、髪の毛だけでなく地肌もしっかり濡らします。
この工程をキチンとやるかどうかで、汚れ落ちに影響します。
3.石けんを泡立てる
石けんを泡立てます。
液体石けんなら一度手に取って軽く泡立てます。
固形石けんであればそのまま髪につけてくるくるしてもいいのですが、できれば手で泡立ててからの方がいいです。
固形石鹸をそのまま髪につけている場合、あまりやり過ぎると石けんカスが残りやすくなりますし摩擦によって髪の毛にダメージを与えてしまう可能性もありますので注意しましょう。
泡立てネットを使うのが一番手っ取り早いと思いますが、顔よりもたくさんの量が必要ですので慣れるまで大変です。
4.頭皮を中心に洗っていく
泡立てた石けんは頭皮を中心につけていき、指の腹で優しく洗っていきます。
爪を立てたりゴシゴシとこすったりする行為は地肌に良くありません。できれば優しく洗っていきましょう。
髪の毛にもまんべんなく石けんの泡をつけていきますが、髪の毛はこすり洗いをする必要はありません。髪の毛は皮脂分泌を行いませんので、髪についた石けんで十分に洗浄能力があります。
5.すすぎ
ぬるま湯で石けんをすすぎます。
慣れないときしんでしまって洗いづらく、指通りも悪いので引っ張ってしまって切れ毛の原因にもなってしまいます。
シャンプーブラシなどを使いながら丁寧にすすいでいくと、効率よくすすげて石けんカスも残りにくいです。
6.酸性リンス
石けんシャンプーでアルカリに傾いた髪を中和するために、酸性リンスをします。
石けんで開いたキューティクルをきちんと引き締め、髪本来の状態に戻す効果があります。
市販のリンスには界面活性剤だけでなく、キューティクルを保護するコーティング剤も含まれています。
キューティクルを自然の力で閉じず、コーティング剤で保護することによって指通りの良い髪を演出しています。
こういった事から、石けんシャンプーの後は自然の力で髪のキューティクルを戻せる酸性リンスが推奨されています。
補足.酸性リンスの作り方
酸性リンスは市販のものを使ってしまうのが一番楽ですが、自分で作る場合はクエン酸で作れます。
クエン酸は薬局や100均で安価に手に入ります。お掃除などに使われている方も多いですね。
クエン酸15gに対して水は300cc程度が目安。割と大雑把でも大丈夫です。作り置きする場合は精油やグリセリンなど、肌の刺激にならないと分かっている成分を足すこともできます。
クエン酸の他には台所のお酢、レモンなどが利用できます。
他にはワインビネガーやリンゴ酢など、とにかく酸性水にできれば何でもOK。レモンは皮だけでも十分です。
お酢やレモン汁を使う場合、洗面器に大さじ1杯程度が目安です。
台所のお酢はいくら薄めても匂いがしますのであまりお勧めできません・・・。
石けんシャンプー用液体石けん
石けんシャンプーをする場合、無添加せっけんで洗うことがキモになってきますが、固形せっけんって洗いにくいんですよね。
シャンプーに使う量を泡立てるのも大変ですし、髪につけてくるくるすれば泡立つものの今度は摩擦ダメージが気になります。
そういった点で固形石けんは使いにくいのですが、石けんシャンプー用の液体石けんもちゃんと発売されています。
純石鹸を適度に薄めて泡立てられるようにしてあるだけのもので、余計な成分は入っていません。
石けんシャンプー
無添加石けんシャンプーでは、シャボン玉石けんやミヨシのものが有名です。液体石けんですが、無添加せっけんを水で薄めただけのもので、シャンプーにも使いやすいようにしてあります。
石けんシャンプー用リンス
こういったメーカーから石けんシャンプー用のリンスも販売されていますので、酸性リンスを作るのが手間な場合は上手に利用しましょう。
まとめ
石けんシャンプーはとにかく安価に仕上がります。
純石鹸は1つ100～200円程度で販売されている場合が多く、市販シャンプーやアミノ酸系のシャンプーに比べると段違いにコスパがいいです。
酸性リンスに使う材料も数百円で調達できるものばかりで、安く仕上がるという点では他のシャンプーの比ではありません。
また、顔の肌への刺激は少なくて済むため、酒さや酒さ様皮膚炎でのシャンプーに悩んでいる方は検討してみる価値はあると思います。
洗顔に使う石けんの泡では刺激を感じる場合も、シャンプーに使うのであれば肌に触れる段階では水で薄まっており洗浄力も弱まっています。
ただ、主に使用感の面でとても扱いにくく、石けんシャンプーをし始めて髪がきちんと整ってくるのには数か月必要だとも言われています。
合成界面活性剤が髪から抜けきるのにそのくらいの日にちが必要だそう。ちょっと気の長い話になりますが、酒さや酒さ様皮膚炎の治療にも長期の時間が必要ですから丁度いいのかもしれませんね。
酒さや酒さ様皮膚炎の肌には良いと思われる石けんシャンプー。
手間ひまがかかりますしコツのいる洗髪方法だと思いますが、髪や地肌のためにも良いという意見もあり、一定の人気があります。
自分に合うと思ったら、一度試してみてはいかがでしょうか。