涼しくなって乾燥が気になる季節になってくると、保湿方法に悩みますよね。秋から冬に向けて唇の乾燥もどんどん進行していきます。
唇の保護にはワセリンをリップクリーム代わりにするのがお勧めで、酒さや酒さ様皮膚炎のような炎症肌、敏感肌やアレルギーをお持ちの方でも塗ることができます。
皮膚科の医師から教えてもらった方法なのですがとても良くって、私は年中ワセリンリップで唇の保護をしています。
今回はそんなワセリンと使わない色付きメイクを混ぜて、色付きのリップグロスにしちゃおうというお話。
いくつかの注意点さえ守ればとても簡単で唇も荒れにくく、低刺激のリップグロスが完成します。
もくじ
ワセリンリップの作り方
ワセリンリップの作り方はとても簡単。
ワセリンと余っている色物メイクを混ぜるだけです。
チークやアイシャドウ、口紅など、買ったけど使わない色付きメイクってありますよね。アイシャドウなんかは使う色が決まっていて、一つの色だけ減っていくなんてことも多いと思います。
そういった余っているアイテムを使って、ワセリンリップを作っちゃいましょう。
- 小さい容器にワセリンを移す
- 混ぜにくければ暖めてゆるくする
- 色物メイクを少し入れる
- 混ぜる
基本的には上記のような手順です。
容器にワセリンを移す
小さい容器にワセリンを移しますが、後で混ぜ合わせることも考え、容器のふち一杯にいれないように気を付けます。
また、肌に合わなかった時のことも考えて少量ずつ作るのがお勧め。3~5g容器あたりでちまちまと作るのが良いかと思います。
容器はガラス製のものを選んでおけば煮沸消毒できますし、レンジにかけることもできます。
反面、プラスチック容器は安価ですからエタノール消毒をしつつ、数回で使い捨てということもできます。
どちらでも構いませんので、使いやすい方を使いましょう。
暖める
熱を当てすぎると素材によっては変質しそうです。ワセリンは不純物の少ないものなら変質の心配はありませんが、混ぜる方のコスメは商品次第。
そのため、混ぜやすそうな素材なら先にワセリンだけを暖めます。
色物メイクが粉状のものであれば、暖めずに混ぜることができて楽です。口紅などのように固形物を使う場合は、容器に同時に入れて暖めないとうまく混ざらないかもしれません。
暖め方は湯せんやレンジなどですが、レンジを使う際には変質に注意しましょう。湯せんは面倒ですしレンジは変質が気になるので、私はドライヤーの熱を当てます。
こたつに放り込んでもいいですし、ストーブの近くに置いておいてもいいです。やりやすい方法で、かつ容器や材料が変質しないような方法なら何でもいいです。
色物メイクを入れる
色のついたメイク用品を入れますが、どの程度の量を入れるかはうっすらと色づけばいいのか濃く色を出したいのかで違います。
濃くしたい場合は元のメイク用品の性質が残りやすくなりますので、元が肌荒れするような口紅であればワセリンで薄めても肌荒れする可能性が高くなります。
酒さや酒さ様皮膚炎のような敏感肌ではあまり最初から欲張らず、うっすらと色づく程度から試してみてください。
混ぜる
最後に混ぜる方法ですが、混ぜるアイテムはスパチュラでもつまようじや割りばしでも何でもいいです。
大容量で保管してあるジャータイプのワセリンなどを使う場合、ジャーに入れるのは消毒したものの方がいいです。候補としては減菌綿棒や消毒したスパチュラ、ビニールに小分けにしてあるつまようじなど。
つまようじだと量が取りにくいので、消毒したスパチュラでワセリンを適度に取り出し、綿棒などで混ぜるのがお勧め。
スパチュラだと小さい容器の端が混ぜにくい事もあるんですよね。
混ぜた綿棒についている色付きワセリンをそのまま唇に乗せて、仕上がり具合を見ることもできます。一度混ぜるのに使った綿棒は、基材のワセリン容器には入れないように注意しましょう。
ワセリンリップの注意点
ワセリンは高品質なものを
ワセリンには精製度によってグレードがあります。精製度というのはどれだけ不純物を取り除いているか、という指標。
この精製度が低いとワセリンは黄色っぽくなり、肌が反応しやすくなります。
ワセリンを塗って肌が荒れる、という方は精製度の低いものを使っていないか一度確認してください。精製度の低いワセリンを塗って肌が荒れるからと言って、ワセリンが合わないと決めつけるのはもったいないです。
ワセリンは様々な化粧品や医薬品の基材にもなる成分です。安全性も高く皮膚刺激も少ない成分ですが、不純物が混じっていれば当然その不純物に反応します。
ワセリンに限らず、炎症肌や敏感肌の方でこういった成分にプチプラ品を使っている方は、まずそこを見直しましょう。ワセリンは最高品質のものを買ってもそんなに高くないので、あまりケチらず良いものを使って下さい。身体用のものなどはワンランク落としてもいいかと思います。
ワセリンのグレードは以下のようになっています。安くてスキンケアにも使えると好評のヴァセリンは残念ながら最低品質。皮膚トラブルがある部位に使うのはやめましょう。
皮膚トラブルがある方は、できればプロペト以上のグレードを使いたいところです。
サンホワイト > プロペト > 白色ワセリン > 黄色ワセリン
プロペトは処方薬として入手できますが、最高グレードのサンホワイトは精製度が高すぎて医療用としての認可が下りず、化粧品扱いとなっています。そのためドラッグストアで簡単に入手できます。
皮膚科などに通院している最中の方は医師にお願いしてプロペトを、そうでない方はサンホワイトを入手するのが現実的かと思います。
容器ごとレンジにかける際には変質に注意
ワセリンと色の粉を混ぜる際、気温が低いとワセリンが混ざりにくいかと思います。そのためワセリンを暖めるかと思いますが、この暖め方が要注意。
レンジでチンする場合、容器が変質してしまわないかどうかきちんと確認しましょう。
容器が変質してしまうと溶けだした容器の成分がワセリンリップに混ざります。肌にも良いはずないので、容器ごとレンジにかける際には注意して下さい。
また、不純物の多いワセリンを使っていると、その不純物が熱で変質する場合もあります。
不純物というのは前述の精製度にだけ関わるものではなく、指でワセリンをすくっているような場合は指の雑菌がワセリンに入って不純物となります。
チューブタイプのワセリンは指に触れる面積も狭いので比較的安心ですが、ジャータイプのワセリンを使っている場合は要注意です。指でそのまますくうのではなくスパチュラなどで小分けにして使うようにすると、雑菌が混入しにくいため衛生的に使えます。
暖めたい場合はレンジではなく、湯せんやこたつに放り込む、ドライヤーの熱で溶かす、などの方がお勧めではあります。
混ぜるメイクが肌に合わない可能性も
いくらワセリンが肌荒れせずに唇に塗れると言っても、それに混ぜるものに肌が反応してしまえば結局は肌荒れします。
チークやアイシャドウなどの粉体は比較的肌荒れしにくいですが、それでも相性というのは人それぞれ。
肌荒れがひどい時はどんな成分にも反応してしまうこともあり得ますので、ワセリンがベースだからといって油断はできません。
さらに混ぜるものにクリームチークやクリームシャドウなど、クリーム状のものを使う際はさらに注意が必要です。クリーム状にしてあるということは、界面活性剤が入っています。
粉体であっても界面活性剤が入っている事もありますし、界面活性剤さえ避ければ良いわけではありませんが、安価な商品の界面活性剤は皮膚刺激が強い事が多いです。
余っているメイク用品を使ってワセリンリップにするということは、そのメイク用品が余る理由があるはず。
買いすぎちゃった、とか使い切れない、という理由なら良いのですが、元が肌荒れする口紅をワセリンで薄めたからといって肌荒れしなくなる保証はありません。
もちろん、薄まれば肌荒れせずに使えるようになる事もありますので、自分との相性と加減次第ということになりますね。
紫外線防止成分は入っていない
紫外線対策となる成分は入っていませんので、唇のUVカットが必須の場合には向きません。
UVカットリップを塗っておいて、その上からグロスとして使うような使い方をした方が良いか思います。
UVカットリップは色や使用感なども考慮するとなかなかパーフェクトなものが見つかりませんが、色の方はワセリンリップで調整しようと思えば選択の幅が広がります。
手が汚れるのでリップブラシか綿棒で
ワセリンに色を付けてしまった場合、余ったワセリンを他の部位に伸ばすことができません。
ただでさえクリーム容器などに入れておくので使い勝手の悪いワセリン。リップクリームのようにくりくり出して、手を汚さずに塗れるという利便性はありません。
色を付けたワセリンはリップブラシで塗るようにすれば、手も汚さずに使えます。
リップブラシを使う習慣がある人にはいいですが、習慣づいてない方にはちょっと面倒ですね。綿棒を持ち歩いて、それで塗ってもいいかと思います。
酒さのような敏感肌の唇でもワセリンなら塗れる
酒さや酒さ様皮膚炎のような皮膚疾患を持っていると、肌に限らず唇にもアレルギーがあったりして、市販のリップが塗れなかったりします。
市販のリップで皮むけがひどくなった事や、変なブツブツが唇にまで出てきちゃった、なんて経験がある方もいらっしゃるはず。
そんな時でもワセリンなら塗れる場合も多いので、酒さや酒さ様皮膚炎の方の唇の保護にはワセリンをお勧めしています。
ワセリンは熱がこもって塗れないから唇にも塗れない?
ワセリンは熱がこもっちゃうので肌に塗れない方もいらっしゃるのですが、唇は皮脂分泌もなく汗もかかないなど、頬とはまるで構造が違います。
熱のこもりは汗が出ないことや水分の蒸発がワセリンで保護されてしまうことが原因ですが、唇には汗腺がありません。
熱がこもるような原因も少ないので、頬にワセリンを塗れない方でも唇には塗れることが多いです。
顔が炎症していれば唇の水分もなくなる
酒さや酒さ様皮膚炎のように顔に炎症を起こしている場合、唇が炎症していなくても水分は奪われます。
おでこなどに炎症を起こしていれば話は別ですが、頬や口周り、あごなど唇の近辺が炎症していれば炎症の熱で唇の水分が奪われていきます。
唇自体が炎症を起こしていなくても、近い部位が炎症を起こすことによって、乾燥がひどくなったり皮むけがひどくなったりします。
まとめ
酒さや酒さ様皮膚炎のような炎症肌だと、肌が敏感すぎて何も塗れなかったりします。
当然メイクも楽しめなかったりするのですが、そんな中でも工夫さえすれば少しはオシャレが楽しめることもあります。
ワセリンは角質培養でも使われるくらいの素材ですし、酒さ様皮膚炎で脱ステ中でも保護剤として活躍してくれる優れたアイテム。
唇の保護はもちろんですが、少しの手間でメイクにも使えるならそれは嬉しいですよね。
混ぜる量で色の付き具合や唇への刺激を調整できますので、肌荒れしすぎてリップが塗れないんだけど!とお困りの方は一度試してみてください。