フローラルウォーターという「お水」はエッセンシャルオイルを抽出する際に副産物としてできるお水です。
エッセンシャルオイルを抽出した後にできるお水ですので、その植物の成分が多く含まれています。ハーブウォーターや芳香蒸留水とも呼ばれています。
このフローラルウォーターも、酒さや酒さ様皮膚炎のような敏感肌に取り入れられる可能性が高い「お水」。
肌が敏感になりすぎると添加物が入っている化粧品が受け付けなくなることがあります。そんな時に役立つのが精製水や天然水を使ったスキンケア。
保湿成分すら含んでいない上質な「お水」で肌をケアするというもので、脱ステ中でも使えるほどに低刺激なケア方法。
そういったお水の仲間として、今回はフローラルウォーターをご紹介します。
もくじ
フローラルウォーターとは
フローラルウォータというのはエッセンシャルオイルを抽出する際にできる副産物。「ハーブウォーター」や「芳香蒸留水」などとも呼ばれます。
エッセンシャルオイルは水蒸気でオイルを抽出する「水蒸気蒸留」という抽出法が使われています。
対象の植物を水蒸気に当てて精油成分を気化させた後に冷やします。
そのような抽出法によって作られる精油は、まず水分と油分に分かれた原液が出来上がります。その中の油分の方がエッセンシャルオイルとなり、水分の方がフローラルウォーターとなります。
パーム油脂から石けんを作る際には副産物としてグリセリンができますが、フローラルウォーターも似たような感じですね。精油を作る際に必ずできる副産物です(水蒸気蒸留法の場合)。
フローラルウォーターには抽出に使ったハーブの有効成分が含まれているため、効果や効能はそのハーブに準じます。
例えば、ラベンダーウォーターであればラベンダーの精油と同じ性質を持つことになり、鎮静作用や抗炎症作用が期待できます。
酒さ、敏感肌でフローラルウォーターの取り入れ方
酒さや酒さ様皮膚炎のように炎症を起こしていたり極端に敏感になってしまった肌には、市販の化粧品が塗れません。
フローラルウォーターはその敏感に傾きすぎた肌にでも塗れる可能性のある「お水」です。精製水の代わりに使うことができれば、フローラルウォーターの持つメリットを享受しながら低刺激なスキンケアを行うことができます。
肌が敏感すぎる時に役立つのは、ターマルウォーターやアベンヌウォーターのような天然水や温泉水。またはただの精製水だったりします。
保湿成分のない「ただの水」を使って炎症やほてりを鎮静させたり、手作り化粧水の原料にして低刺激な保湿をしたり。
先日ご紹介したへちま水などもその流れですね。
フローラルウォーターも基本的にはただのお水ですから、そのまま塗って低刺激なスキンケアを行う事もできますし、グリセリンなどの保湿成分を足して手作り化粧水の原料とする事もできます。
フローラルウォーターのメリットとデメリット
フローラルウォーターのメリット
フローラルウォーターのメリットは以下のような事。
- ただのお水なので低刺激
- ハーブの持つ力をプラスすることができる
- 精油のような禁忌事項がなく使いやすい
特にハーブの持つ力をプラスすることができる点は非常に大きく、精製水しか受け付けないような肌でもプラスαの保湿ケアができる可能性があります。
エッセンシャルオイルとしても有名で流通の多いハーブにラベンダーがありますが、このラベンダーには抗炎症作用や皮脂バランスの調整作用があります。また、熱を冷ます効果もあるとされているので酒さや酒さ様皮膚炎のようにほてった肌には最適。
こういった効果を穏やかに受けることができるのが、フローラルウォーター最大のメリットです。
精製水よりも刺激になる可能性は高いものの、うまく肌に合えばターマルウォーター以上のスキンケアアイテムとして重宝してくれそうです。
フローラルウォーターのデメリット
フローラルウォーターのデメリットとしては以下のような事が考えられます。
- 品質に拘らないと残留農薬などが肌刺激となる
- 抽出に使われたハーブが合わなければ肌刺激となる
- 保存期間が短いものが多い(3か月~2年とばらつきが)
- 商品によっては防腐剤などが入っている
せっかく低刺激なスキンケアを行おうとしているのに、残留農薬やハーブそのものが肌に合わず刺激になる可能性もあり得ます。
また、商品によってはフローラルウォーターに防腐剤やアルコールなどを添加してある場合もあります。
特に雑貨として売られているフローラルウォーターには、添加物の表示義務がありません。肌に塗るのはきちんと確認してからにしましょう。
また、お水に植物エキスを加えたものが売られている事もありますが、これはフローラルウォーターに当てはまりませんので注意しましょう。
こういったデメリットは肌に塗れる高品質なものを選ぶことである程度回避できますが、高品質なものほど値段も上がってきます。値段が上がるというのも、直接的ではないにせよデメリットの一つと言えますね。
また、保存状態が悪ければ雑菌などが繁殖してしまうため、鮮度管理が重要な点は精製水と同じ。
そう考えるとターマルウォーターやアベンヌウォーターは窒素ガス充填式で痛みにくい点がとても安心ですね。
その他フローラルウォーターの使い方
フローラルウォーターはそのままでも抽出されたハーブの香りがふんわりと匂い立つものが多いです。
そのため、ルームスプレーのように部屋に吹きかけてリフレッシュすることもできます。
また、シーツなどにかけて穏やかな殺菌作用を持たせながら香りも楽しむような使い方もできます。
精油との相性も抜群ですので、欲しい効果を精油で足すのもいいでしょう。
ファブリーズの代わりにフローラルウォーター+精油のように使う事で、自分の好きな効果や香りを持たせつつノンケミでケア用品を作ることができますね。
コスメグレードのフローラルウォーターをルームスプレーやリネンウォーターにするのは値段的にちょっと気が引けますが、雑貨として売られているフローラルウォーターはこのような使い方で楽しむのがいいと思います。
フローラルウォーターにはどんな商品があるか
フローラルウォーターは肌に塗るなら高品質なものを選んでほしいのですが、高品質と言ってもそれほど高価ではありません。
エッセンシャルオイルや手作り化粧水の原料を販売するメーカーから販売されているものでも、100mlで1,000円前後で買えてしまう場合が多いです。
ブルガリアローズ ローズウォーター
フローラルウォーターと言えばローズというイメージ。ブルガリアローズジャパンはバラ製品が得意な会社で、ダマスクローズのフローラルウォーターも人気です。
コスパの良い500ml以外にスプレータイプの200mlや携帯用の80mlなど、サイズ展開も豊富。
GAIA フローラルウォーター ローズ
エッセンシャルオイルやキャリアオイルで有名なGAIA(ガイア)さん。フローラルウォーターももちろん揃えています。
定番のローズの他にネロリやラベンダーなど各種取り揃えています。値段と品質のコストパフォーマンスが良く、初心者はとりあえずガイアさんを選んでおけばそれほど失敗しません。
ただ、GAIAさんのローズフローラルウォーターにはエタノールも配合されている点には注意しましょう。
成分:ローズ水、エタノール
生活の木 フローラルウォーター ラベンダー
手作り化粧品の原料を調達するには生活の木が便利。エッセンシャルオイルやキャリアオイルはもちろん、保湿成分のグリセリンやベタインなど、各種の原料が揃っています。
フローラルウォーターの取り扱いももちろんあり、ラベンダーだけでなく定番のローズやネロリなど様々なフローラルウォーターを取り揃えています。
生活の木のラベンダーフローラルウォーターは完全無添加ですが、ローズダマスクにはフェノキシエタノールが配合されています。同じメーカーのフローラルウォーターでも防腐処理が違ったりするので、注意しながら選びましょう。
ミュウプロフェッショナル ローズウォーター
ミュウプロフェッショナルのものはローズ水にフェノキシエタノールを加えて防腐処理を施したもの。
ローズ水とフェノキシエタノールだけのシンプルな成分なので刺激にはなりにくいですが、防腐剤が欲しいかどうかは人によるところ。
成分:ローズ水、フェノキシエタノール
月桃蒸留水100%
オーガニックコスメでは定番で人気のある「月桃」のフローラルウォーター。500mlと大容量の販売でじゃぶじゃぶ使える点が嬉しいです。
月桃の雫
月桃好きだけど500mlもいらないよ!という方はこちら。165mlでお試しもしやすいサイズですね。
まとめ
皮膚病を患うと自然と水にこだわるようになっていきますが、フローラルウォーターはその中でも少し上級なイメージ。
抽出に使われた植物そのものが肌に合わない可能性だけでなく、添加物の多いフローラルウォーターが売られていたりする事から、自分に合うものを見つけるのは大変です。
品質の判断ができないと肌に合わなかった時に何が原因だったのかが分かりにくく、フローラルウォーターそのものを敬遠するきっかけにもなってしまいます。
精製水などのように誰でも使うことができるアイテムと同じように使えるとは言え、植物のパワーを得る事ができる分肌への相性が出てくるアイテム。
品質や添加物をチェックしながら選び、それでも肌に合わない場合はムリして使わないようにしましょう。
肌に合えば植物の効果や効能で精製水に代わるアイテムとなり得るので、気になる方は選択肢に入れてみて下さい。