ロコイドは顔にも処方されるステロイド剤。強さは?副作用は?赤ちゃんにも塗れる?などの疑問をまとめました。

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チューブ状の塗り薬

ロコイドは下から2番目の強さに分類されるステロイド剤で、ランクとしてはMidiumクラスに分類されています。比較的弱めのステロイドのため顔にも良く処方されますし、赤ちゃんへの処方も頻繁に行われています。

適切なランクの薬を塗っていたにも関わらず酒さよう皮膚炎を発症してしまった方の中には、ロコイドが原因の方も多いと思われます。私も酒さ様皮膚炎発症時はロコイドを処方されていました。

今回はロコイドがどんなステロイド剤なのか、効果や副作用などを実体験を交えながら見ていきたいと思います。

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ロコイドの強さ

ロコイドの強さは5段階のうち下から2番目に位置しており、決して強いタイプのステロイドではありません。ランクとしてはⅣ郡(Midium)に分類されています。

部類強さ代表的な製品

I群Strongest(最強)ジフラール、ダイアコート、デルモベート
Ⅱ群Very Strong(とても強い)アンテベート、フルメタ、マイザー、メサデルム
Ⅲ群Strong(強力)フルコート、リドメックス、リンデロン(V、VG)
Ⅳ群Medium(普通)アルメタ、キンダベート、ロコイド
Ⅴ群Weak(弱い)オイラックスH、テラ・コートリル

このため、吸収率の良い顔にも頻繁に処方されますし、肌の薄い赤ちゃんにも比較的良く処方されます。

炎症がひどい時ほど強いステロイドが処方されますが、吸収率の良い部位にはワンランク落とした強さのものが処方される傾向にあります。

連続使用の目安は大人で2週間、子供で1~2週間程度と言われますが、炎症の強さや部位によって変わります。具体的な期間は主治医の指示に従ってください。

同じ強さのステロイドにはキンダベートアルメタがあり、弱めのステロイドというとロコイドかキンダベートの処方が多いようです。

ロコイドとキンダベートとの違いはメーカーや基材などの違いであり、どちらが優れているということはありません。ステロイド剤としての強さが同じなので、炎症を抑える効果も同等と考えられます。

ステロイド軟膏にも強さがある。強いものを顔に塗ると酒さよう皮膚炎に
ステロイド軟膏にはいくつかの種類があり、身体への吸収度によって5段階に分けられています。強いものほど体内に吸収されやすく、炎症などを抑える効...

ロコイドの種類

ロコイドにはロコイド軟膏とロコイドクリームの2種類があり、どちらもロコイドの主成分である「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」の含有量は0.1%です。

主成分は同じですので薬剤としての効き目は同等ですが、基材の部分が違います。簡単に言うと

  • 軟膏は油脂性基材
  • クリームは乳剤性基材

軟膏の方が油分が多くベタベタとした感触で皮膚を保護する働きが強い傾向にあります。

クリームの方が浸透性が高く吸収されやすくなっていますが、その分汗などで流れやすくなります。

日本皮膚科学会では軟膏とクリームの違いを

軟膏とクリームの違いはクリームには水が含まれていて、油ときれいに混ざっていることです。軟膏には水が含まれていません。クリームが軟膏に比べて塗りやすく、べたつかないのも水が含まれているからです。

引用:日本皮膚科学会 – 軟膏とクリームはどのように違うの?

としています。使用感や塗る部位などによって処方が変わる事があります。

ロコイドのジェネリック

ジェネリックとは

ジェネリックとは後発医薬品の事で、先発医薬品の特許が切れた後に製造される安価な薬剤です。

新薬の開発には10年以上の歳月と莫大な開発費がかかりますが、ジェネリックに関しては安全性・有効性が実証されたものを他の医薬品メーカーが製造・販売しますので安価に製造することができます。

ジェネリックの効能・効果は先発医薬品と同等とされています。

ロコイドのジェネリックはアボコート

ロコイドのジェネリックはアボコートといいます。

主成分は同じですが、基材が違うため使用感が多少違います。

私は軟膏の方を処方されていたので軟膏での使用感比較になりますが、ロコイドの方がテクスチャが硬く、アボコートは柔らかいため塗り広げやすく感じました。

ロコイドの副作用

ロコイドだからと言ってロコイド特有の副作用がある訳ではなく、他のステロイド外用薬と同様の副作用が懸念されます。

ステロイドの副作用

ステロイドの副作用には以下のようなものがあります。

  • 皮膚萎縮
  • ステロイド紫斑
  • ステロイド潮紅
  • 毛細血管拡張
  • 酒さ様皮膚炎
  • 口囲皮膚炎
  • ニキビ様発疹
  • 多毛
  • ムーンフェイス

吸収率の良い箇所へロコイドを使う場合の注意点

ロコイドは弱めのステロイドですので、副作用が出にくいお薬です。

とは言え、吸収率の良い部位へ使用する場合は他の箇所に比べて副作用が出やすくなります。

吸収率の良い部位には顔や首、わきの下や陰部などの皮膚が薄い箇所が挙げられます。

  • 陰部 …… 42倍
  • 頬 ……… 13倍
  • 首 ……… 6倍
  • わきの下… 3.6倍
  • 頭 ……… 3.5倍

陰部はとても吸収率が良く、腕の内側に比べて42倍もの吸収率となります。

顔へロコイドを使う場合の注意点

ロコイドは比較的弱めのステロイド剤ではありますが、顔に使用する際には注意が必要です。

顔は腕に比べて吸収率がかなり上がり、額で6.5倍頬や顎で13倍もの吸収率があります。陰部に次いで、身体の中でも比較的高い吸収率がある部位となります。

このため顔には副作用が出やすい傾向にあり、ステロイドが顔に処方される場合には、比較的弱めのロコイドかキンダベートが処方されることが多いです。

特に酒さよう皮膚炎は、顔にステロイドを使用した結果起こる皮膚疾患です。顔へステロイドを使用する場合は、酒さ様皮膚炎を発症してしまわないよう十分に注意する必要があります。

酒さ様皮膚炎の症状
酒さ様皮膚炎の症状は「酒さ」と呼ばれる皮膚炎に酷似しています。この事から「酒さ様皮膚炎」(酒さのような皮膚炎)という病名がついています。 ...

赤ちゃんへロコイドを使う場合の注意点

また、赤ちゃんなどの肌が薄い方が使用する場合も注意する必要があります。

肌が薄いとその分吸収力が高まり、副作用も出やすくなります。

一般的に赤ちゃんへは弱めのステロイドが処方されます。

大人用に処方されたものを赤ちゃんに使用するなどのように、間違った使用法を行わないように注意しましょう。

ロコイド使用量の目安

酒さ様皮膚炎にならない為に、どの程度の期間なら使っていいかが気になる方は多いと思いますが残念ながら絶対的な基準はありません。

通常の使用方法で重大な副作用があるとは考えにくいですが、ステロイドは気がつかないうちに慢性使用になりやすいお薬です。

前にもらった薬が良く効いたから塗っておこう

と気軽に塗っているうちにいつの間にか慢性化してしまいます。

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ステロイドの慢性使用の基準とは

ステロイドを使用する際は、○日だから大丈夫などの基準を当てにするのではなく、お医者さまに言われた範囲内での使用に留めましょう。

正しいステロイドの使い方は、決められた期間に決められた量のみを使って炎症を素早く抑える方法です。

例え回数が少なくても、1ヶ月に1回や数週間に1回など、定期的に塗るようになっていたらそれは既に慢性使用のうちに入ります。

アトピー性皮膚炎や主婦湿疹など、酒さ様皮膚炎を発症する前の疾患はそれぞれですが、いずれも慢性的な使用が原因で起こっています。

炎症を抑えるために必要なステロイドですが、だらだらと塗り続ける事だけはやめましょう。

ロコイド使用による酒さ様皮膚炎発症の経緯

私の場合は妊娠によるバランスの変化から1週間程度の連続使用で酒さ様皮膚炎を発症してしまいました。

ただ、私の場合はそれまでに1ヶ月に1回程度ステロイドを使用する事があり、それを長期間続けていました。これが「慢性的な使用」になっていた可能性は十分にあります。

酒さ様皮膚炎発症まで
酒さ様皮膚炎発症までの数年間を振り返りながら書いていきます。元々の肌質や治療暦、酒さ様皮膚炎を発症するきっかけなどの記録になります。リアルタ...

また、いつもであれば1回に2~3日程度しか塗らなかったロコイドですが、酒さ様を発症した際は朝晩きっちり塗っていました。1週間ぴったりなので14回ですね。

私の場合は使用暦があっての発症ですので、ステロイドを初めて使う人がロコイドを1週間連続で使用した程度で発症するとは思えません

治療の初期に毎日ステロイドを塗るというのは通常の使用範囲であり、私の場合はあくまで使用暦があった事や炎症が引いても念のためと塗り続けた事が原因です。

また、以前にステロイドを使用したことがあってもそれが何年も前であれば、すぐに影響を及ぼすとも考えられません。

私の場合は1ヶ月に1回程度しか使っていなかったとは言え継続的な使用にあたりますので、何年も前に塗った事のあるステロイドの影響を気にする必要はないと思います。

こういった事から期間や回数でぴったりと計れるものではないのですが、逆にお医者さまに言われた範囲内での使用で酒さ様を発症してしまう事も考えにくいです。

酒さ様を発症してしまった方は私を含め、何らかの理由でだらだら塗りや不適切なランクのステロイドを使用しています。

万が一酒さ様皮膚炎を発症した場合は、治療に長期間かかってしまう事が考えられます。

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まとめ

ロコイドはステロイド外用薬の1種で顔にも良く処方されるため、酒さ様皮膚炎の原因となってしまった方も多いと思われる薬剤です。ステロイドは適切な使用法を守っていれば頼もしい薬ですが、使い方を一歩間違えると副作用に苦しむことになります。

ランクとしては比較的弱めのステロイドであるロコイドですが、継続して使用していれば十分に酒さ様皮膚炎になってしまう可能性はあります。

ステロイドの使用に関しては必ず医師の指示に従い、自己判断で塗ったり塗りやめたりといった使用法はしないようにして下さい。

また、指定された部位以外に塗る事も避けた方が無難です。

特に身体用に処方されたステロイド剤を顔に塗ってしまって酒さよう皮膚炎を発症した話を良く聞きます。吸収率の良い部位への塗布は自己判断で行わないようにしましょう。

ステロイドというもの自体は恐れる必要があるものでも何でもなく、注意したいのはその利用方法。ステロイドがどんなものかについては以下にまとめてありますのでよかったら参考にして下さい。

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