タイツコウ(太乙膏)の使い方。脱ステ中にも火傷にも、皮膚疾患には色々使える漢方軟膏。

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ごま

タイツコウ(太乙膏)』というのは漢方軟膏の一種で、生薬をはじめとする天然のものから出来ている塗り薬です。

脱ステロイドで保湿成分を塗れないような時でも塗れる可能性の高いお薬で、似たような漢方軟膏に『紫雲膏(シウンコウ)』というものがあります。

先日、私が脱ステ中に使っていた『紫雲膏』の方を紹介しましたが、その軟膏はどうやら肌に水分がある時には向かないようで。

紫雲膏は熱を集める処方ですが、タイツコウは熱を冷ます処方という違いもあり、似たような漢方軟膏ですが使い勝手が違います。

今回はその『タイツコウ』の方に焦点を当てて見ていきたいと思います。

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太乙膏(タイツコウ)とは

紫雲膏が日本由来なのに対し、『タイツコウ(太乙膏)』は中国由来。

西暦1,100年ごろの中国・宋の時代に書かれた書物に「神仙太乙膏(しんせんたいつこう)」という処方があり、それがルーツとなっています。

紫雲膏は紫色ですが、タイツコウは黄色でこちらも独特の匂いがします。どうやらカレーのような匂いがするようで、漢方軟膏に特有の脂臭いにおいなのではないかと思います。

太乙膏の効果、効能

太乙膏も皮膚疾患に向く軟膏で、お薬とは言え自然のもので作られていますので安心で、家庭の常備薬として使うことができます。

主な効果や効能には、火傷、切り傷、虫刺され、床ずれなどがあります。

元々は痛んだ皮膚の修復に優れる軟膏として使用されており、紫雲膏と同じように抗炎症作用や肉芽形成促進作用があります。

特に肉芽形成促進作用、つまり傷の治りを早くして皮膚の再生を助けてくれる作用は、脱ステ中にはとても魅力的。抗炎症作用も、もちろん期待したいところですね。

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タイツコウの成分

タイツコウの成分は以下の通りです。

生薬

  • 当帰(トウキ)
  • 桂皮(ケイヒ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 大黄(ダイオウ)
  • 地黄(ジオウ)
  • 玄参(ゲンジン)
  • 白止(ビャクシ)

ごま油

ミツロウ

7つの生薬をごま油で抽出し、ミツロウで固めたものが「タイツコウ」。そのため、ごま油やミツロウが肌に合わない場合には使えません。

また、紫雲膏に含まれる漢方の成分は2種類ですが、太乙膏は7種類。種類が増えればその分アレルギーやかぶれ(接触性皮膚炎)の可能性は高まりますので、その辺りは注意して下さい。

紫雲膏が塗れない人でも太乙膏は塗れる場合もあり、またその逆もあり得ます。

当帰(トウキ)

セリ科のトウキの根から抽出されます。鎮痛作用や抗炎症作用、解熱作用。

温性の駆瘀血剤として用いられるため、月経不順や月経痛などのPMSの緩和や更年期障害に用いられます。身体を暖める作用があり、冷え性の改善に用いられています。

つまり血液の流れをスムーズにする生薬なのですが、患部に血を集めて皮膚の損傷を治します。外用薬の場合は幹部を暖める作用が働くため、暖めるとかゆくなる場合には向きません

紫雲膏の生薬成分は2種類しかなく当帰の作用がもろに出ますが、太乙膏は7種類のうちの一つで、さらに配合量も紫雲膏より少ないのでそれほど当帰の特徴を受けません。

桂皮(ケイヒ)

クスノキ科トンキンニッケイの樹皮。芳香性健胃作用、発汗作用、解熱作用、鎮痛作用、整腸作用、収れん作用。

停滞しているものを動かし、発散させる作用を持ちます。

大黄(ダイオウ)

タデ科のダイオウ属植物の根および根茎。緩下作用、消炎作用、健胃作用、駆瘀血作用。

芍薬(シャクヤク)

ボタン科シャクヤクの肥大根。鎮痛作用、鎮静作用、鎮痙作用、平滑筋弛緩作用、抗炎症作用。

地黄(ジオウ)

ゴマノハグサ科ジオウの根茎。滋陰作用、補血作用。

玄参(ゲンジン)

ゴマノハグサ科ゲンジンの根。消炎作用、解熱作用、鎮静作用。

白シ(ビャクシ)

セリ科ヨロイグサの根。鎮静作用、鎮痛作用、排膿作用、止血作用、抗菌作用。

ごま油

ごま油はそのままごま油ですね。ゴマを焙煎してしぼった油です。中華料理で有名です。

アーユルヴェーダではマッサージをごま油で行うように、古くから皮膚の手入れに使われてきたという歴史があります。

アーユルヴェーダでマッサージに使われるごま油は焙煎せずに加工した透明のもの。太白油と呼ばれます。

ミツロウ

ミツロウは「蜜蝋」のことで、ミツバチの巣からハチミツを取ったあとのものに熱や圧力をく加えて蝋(ワックス)状にしたものです。

スキンケア用品にも使われていますが、キャンドルなどの材料にも使われます。

古くから美容にいいとされ、肌を柔軟にする効果があります。肌や唇につけるとしっとりとし、保湿効果に優れます。

さらに抗菌作用があるとされており、古くから肌の炎症や切り傷、火傷にも効果があると言われています。

これが自然の乳化剤の役割を果たし、他の油脂や配合成分を均一に分散して安定させます。つまり、ミツロウは天然の界面活性剤のような役割を果たします。

太乙膏の使い方と注意点

太乙膏の使い方

太乙膏は患部に乗せて指で広げるようにして塗っていきます。紫雲膏よりもジュクジュクした傷に向きますが、浸出液などの水分はあらかじめふき取ってから塗った方が良さそうです。

皮膚の修復に優れた能力を発揮しますし、べったりと塗っておくと保護剤としての役割も果たします。

ただし、たくさん塗って熱がこもる場合には薄く塗るようにしてください。

太乙膏の注意点

太乙膏は紫雲膏と同様、落ちにくい軟膏です。石けんでも落ちにくく、オリーブオイルやホホバオイルなど、肌に合うオイルでなじませてから洗うなどの工夫が必要です。

洗う時にゴシゴシ洗うとせっかく保護している傷が開いてしまうこともあります。洗い方には気を配り、丁寧に洗うようにしましょう。

衣服につくと取れませんので、ガーゼや包帯で覆っておくなどの処置も必要になります。

また、成分の大半をごま油が占めます。油ですので日に焼けやすくます。日中の外出では日焼けや紫外線に注意しましょう。

太乙膏の副作用

太乙膏の添付文書に書かれている副作用として以下のようなものがあります。

  • 発疹
  • 発赤
  • かゆみ

太乙膏の成分が肌に合わずにかぶれてしまい、赤くなったりかゆくなったりすることもあり得ます。そういった場合にはすぐに使用を中止して、症状がひどくなるようなら医師に相談しましょう。

特にごま油やミツロウにかぶれてしまうことがありますので、注意して下さい。

ミツロウは色々な化粧品にも配合されており、比較的安心な保湿成分ではありますが、肌が弱い人で反応してしまう人もそこそこいます。

紫雲膏と太乙膏、どっちを使えばいいか

紫雲膏と太乙膏は似たような漢方軟膏ですし、どっちを使えばいいのか迷う方も多いと思います。

大きなドラッグストアでは両方とも扱っているかもしれませんが、そうでない場合は紫雲膏だけ置いてあることが多いです。

そういった事から入手難度は紫雲膏の方が容易だと思います。私はどっちも買おうとして薬局を巡ったら、紫雲膏しか手に入らなかったので紫雲膏を使ったという経緯があります。

入手難度に関しては地域差もありますし、ネットを使えばアマゾンや楽天などでどうとでも入手できますので気にならない人は気になりませんね。

それ以外の特徴で比べますと以下のような感じ。

  • 紫雲膏は軽度の乾燥性皮膚疾患に向くが、患部を暖める作用が強くかゆみが増す場合がある
  • 太乙膏はじゅくじゅく期にも使えかゆみ対策にもなるが、生薬の種類が多いためかぶれる可能性も高い

肌に合えば太乙膏の方が脱ステ初期から使えそうです。

また、ジュクジュクした浸出液が出ているような場合には亜鉛華軟膏などを取り入れてもいいかもしれません。

亜鉛華軟膏も非ステロイド系の軟膏で、脱ステロイドにも用いられている軟膏です。おむつかぶれのお薬に多く入っています。

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さらなる漢方軟膏『中黄膏(ベルクミン)』

さて、実はもう一つ紫雲膏や太乙膏と似たような漢方軟膏で中黄膏(ベルクミン)と呼ばれるものがあります。こちらはウコンベース。

生薬の配合が紫雲膏や太乙膏と違うだけで、使い勝手は似たようなものです。匂いが強く取れにくい点も同様ですし、ベースもごま油やミツロウですのでこれらが肌に合わない場合は使えません。

生薬の配合から熱を取る作用が強く、腫れて膿んでいたり化膿しているようなものが対象になります。また、じゅくじゅくした皮膚疾患には向きません。

中黄膏(ベルクミン)も比較的軽度な皮膚疾患で、紫雲膏と違って熱を冷ましたい場合に向きそうです。

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まとめ

酒さや酒さ様皮膚炎の場合、顔に症状が出てしまうのに肌に塗るものがなくて苦労します。

脱ステ中などは特に顔の腫れや皮のつっぱり、浸出液や膿などが尋常じゃないくらいになりますので、何かを塗って少しでも楽になるなら塗りたいけれども、強い薬用成分は怖くて塗りたくない、という状況になっている事も多いです。

市販の塗り薬にもステロイドが入っていたりしますから、脱ステ中に下手な薬を塗ろうとすると却って酒さ様皮膚炎が悪化してしまうことも。

そんな中でも肌に塗れて治りを早めてくれる可能性があるのが、漢方軟膏や亜鉛華軟膏。

いくら抗炎症作用があるとはいえステロイドのような強力な効き目はありませんが、穏やかな効き目で塗らないよりは塗った方が皮膚の再生を助けてくれます。

特に私は妊娠していて抗生物質が飲めずに脱ステしなくてはいけませんでしたので、保護剤としても使えるこの手の軟膏はものすごく助かりました。すごく臭うんですけどね・・・・。

どれもクセが強く使いにくい軟膏ですので、使う際に工夫が必要になりますが、脱ステ中で何も塗れないような場合には選択肢の一つとなるかと思います。

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