清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)の効果と効能。酒さの中でも熱や膿を持った赤にきびがある人に向く漢方薬。

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漢方薬

酒さや酒さ様皮膚炎で処方される漢方薬の一つに清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)という漢方があります。ツムラでいうと58番の漢方薬。

ニキビや酒さ以外の皮膚疾患などにも処方され、効果や効能にもにきびや湿疹、顔の皮膚炎が挙げられている他、赤ら顔に向くとされている事から酒さとの相性も良いお薬です。

特に顔の皮膚炎やにきび、湿疹など、酒さ症状そのものとも言える症状に効果があるため、体質に合えば酒さの改善に役立ってくれそう。

今回は清上防風湯がどんな漢方か、どんな人に向きやすいのかをまとめておきました。

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清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)とは

清上防風湯は顔の熱や炎症を取り除く作用があります。顔の皮膚病に適しており、ニキビや湿疹、皮膚炎を改善します。また、排膿を助ける生薬が配合されており、膿を持ったニキビにも有効です。

体力は中程度以上で赤ら顔の人に向きます。

顔の熱や炎症をとり、また皮膚病の病因を発散させる働きがあります。そのような作用から、顔の皮膚病、とくにニキビの治療に適します。体力のある人で、赤ら顔の人に向く処方です。

引用:おくすり110番 – 清上防風湯

体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるものの次の諸症:
にきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、あかはな(酒さ)

引用:ツムラ – 清上防風湯

清上防風湯に使われている生薬

清上防風湯に使われている生薬は以下の12種類。多くの生薬が使われています。

  • 防風(ボウフウ)
    セリ科ボウフウの根および根茎。発汗作用、解熱作用、鎮痛作用。
  • 薄荷(ハッカ)
    シソ科ハッカの葉および若枝。消炎作用、鎮痛作用、健胃・整腸作用。
  • 荊芥(ケイガイ)
    シソ科ケイガイアリタソウの金草。発汗・解熱作用、消炎作用、止血作用。
  • 連翹(レンギョウ)
    モクセイ科レンギョウの果実。抗菌作用、抗ウイルス作用、強心・利尿作用。
  • 黄連(オウレン)
    キンポウゲ科オウレンの根茎。 鎮静作用、消炎作用、整腸作用、健胃作用。
  • 黄ごん(オウゴン)
    シソ科コガネバナの根。消炎作用、解熱作用、利尿作用。
  • 山梔子(サンシシ)
    アカネ科クチナシの果実。解熱作用、止血作用、抗菌・抗真菌作用、鎮静作用。
  • 桔梗(キキョウ)
    キキョウ科キキョウの根。鎮咳作用、去痰作用、排膿作用、末梢血管拡張作用。
  • 川きゅう(センキュウ)
    セリ科センキュウの根茎。鎮痙作用、鎮静作用、降圧作用、血管拡張作用、抗菌・抗真菌作用。
  • 白シ(ビャクシ)
    セリ科ヨロイグサの根。鎮静作用、鎮痛作用、排膿作用、止血作用、抗菌作用。
  • 枳実(キジツ)
    ミカン科ダイダイの果実。健胃作用、抗アレルギー作用
  • 甘草(カンゾウ)
    マメ科の甘草の根。鎮静作用、肝機能改善作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用。取りすぎると偽アルドステロン症などの副作用があります。

主薬(主成分となる生薬)は「防風」で主に皮膚疾患に用いられ、発汗、発散作用があります。その他薄荷や荊芥、連翹にも同様の作用があり、防風の作用を助けます。

また、炎症を鎮める黄連や黄ごん、膿の排出を助ける桔梗などが配合されています。

このように、皮膚病に対して有効な生薬が多数配合されているため、皮膚炎との相性が良い漢方で、ニキビや酒さに処方されやすい理由にもなっています。

清上防風湯が向く人向かない人

清上防風湯は熱証、実証タイプ、つまり熱を持ちやすく比較的体力のある人向けの漢方です。また、上半身特に顔の熱を冷ます作用があり、のぼせタイプでニキビのできやすい方に向いています。

漢方薬での「清上」とは身体の上部、特に横隔膜よりも上にたまった熱や炎症を発散させることを意味します。横隔膜よりも上なので特に顔や頭の熱や炎症を冷まします。

清上防風湯が合う人

  • 体力が中程度以上
  • 赤ら顔
  • のぼせがある
  • ニキビになりやすい

清上防風湯が合わない人

  • 虚弱体質
  • 冷え性
  • 胃腸が弱い
  • 下痢をしやすい

体力がある人向けの漢方ですので冷え性や冷えのぼせの症状がある人は要注意。そういう方は酒さむけの漢方薬の中でも冷え性の改善にもなるようなものを選ぶ方が良いかと思います。

清上防風湯の副作用

清上防風湯には「甘草(カンゾウ)」が入っています。この甘草を大量に摂取しすぎると偽アルドステロン症を発症することがあります。

清上防風湯単体で飲む分には問題ありませんが、他の漢方などで甘草を含んだ方剤との飲み合わせには注意が必要です。

偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、だるさ、むくみ、高血圧

また、漢方薬には副作用がないわけではなく、西洋薬に比べれば副作用が少ないだけで、体質に合わない場合は副作用のような症状が現れます。

体質に合わない場合、多くは胃のむかつきや吐き気、頭痛、むくみや動悸のような症状が現れます。

副作用のような症状が現れた場合は無理して飲まず、主治医に相談して別の漢方に変えてもらった方がいいでしょう。

まとめ

酒さや酒さ様皮膚炎に使われる漢方薬にも色々ありますが、清上防風湯は赤みや膿がある炎症したニキビがある方に最適の漢方薬。

膿や炎症にきびというキーワードからは、ブツブツタイプの酒さに良さそうです。特に赤くて勢いのある炎症性ニキビに処方されており膿を排出する効果もありますので、中心に黄色い芯のようなブツブツがたくさんある酒さに向きそうですね。

酒さにも色々なタイプがあり、膿を持ったブツブツがある人もいれば顔の赤みだけがひどい人もいます。また肌質も様々で、乾燥タイプの酒さもいれば脂性タイプの酒さも。

さらに体力のあるなしや冷えが強いかどうかなどで向きやすい漢方があるため、酒さに効くと言われる漢方薬の中でも自分に合ったものを探すのはなかなか大変。

清上防風湯は第2類医薬品に分類されており、近所のドラッグストアやオンラインショップで気軽に入手できます。

手軽に試してみたい場合はこういったドラッグストアなどを利用して、自分に合いそうな漢方を試してみるのもいいかと思います。

但し、漢方薬は体質に合わないとだるくなったり食欲不振などの症状が現れます。効果や効能を見て自分に合いそうだと思っても、副作用のような症状が現れたらすぐに服用を止めましょう。

漢方薬は体質に合わせて処方されますので、近くに信頼できる漢方医がいる場合にはそちらに任せる方が確実かと思います。

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清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)の効果と効能。酒さの中でも熱や膿を持った赤にきびがある人に向く漢方薬。
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コメント

  1. アバター こまめ より:

    ろーばさんこんばんは!先日はコメントありがとうございました。あれから約1週間、皮向けは今ほとんどなくなり、粉ふきいも?状のものが少し出るぐらいになったのですが、相変わらず赤みが取れません>_< 1番酷かった時に比べると多少はマシかも?程度で鏡をみても炎症部分は真っ赤なまま、、このままずっと赤い顔だったらどうしようと落ち込んでしまいます。
    ずっと、化粧水は塗らず、乾燥が酷いときだけワセリンのみで保湿してきましたが、そろそろ新しい方法を試してみてもいいのかな、と思ったりしてます。
    漢方は私もとっても興味あります!けれど妊娠中なのでやはり漢方は無理なのかな、、?
    実はいま海外在住なので、日本の製品が簡単に手に入らないのも悩みどころです。またお邪魔させてください。

    • ろーざ ろーざ より:

      こまめさん、こんばんは!

      皮むけの皮が細かくなっていたら改善は進んでいる証拠ですので大丈夫ですよ!
      とはいえ、顔の赤みはなかなか取れないのでどうしても落ち込んでしまうのですが(´Д`。)
      皮むけが進んでいっても肌の奥の炎症はまだ治まっていないので、もうしばらくは肌もそーっと扱ってあげる必要がありそうですね。

      保湿を試してみる場合は少しずつ始めて、熱がこもったり赤みが増したりするようならすぐに中止してください。
      ワセリンは優秀な保護剤である事は確かなんですが、保湿と考えるともう少し保湿成分欲しいですよね。
      いつもは手作り化粧水や敏感肌用の化粧品をお勧めしています。
      酒さよう肌にも使える手作り化粧水。メリット、デメリットと作り方の基本をまとめました。
      ターマルウォーターとかアベンヌウォーターあたりも、保湿という意味では心もとないですが、脱ステ中にはとても使えるアイテムだと思います。
      ターマルウォーターやアベンヌウォーターなどの天然水は酒さの火照りや脱ステ直後の炎症を鎮静するのに使えるかも。
      肌に合うなら、ワセリン代わりにオイル美容もいいかもしれません。
      キャリアオイルの使い方。酒さや酒さ様皮膚炎ではキャリアオイルをどう使えばいいか。
      この辺りはどんな保湿方法がいいかそれぞれの人によりますので、こまめさんの刺激にならないもので手に入れやすいものを取り入れていけるといいかと思います!

      こまめさんは海外に住んでらっしゃるんですね!
      そうすると、化粧品なんかも現地の肌質に向けたものが多いでしょうし、妊婦に対する薬の処方なども日本とは事情が違うでしょうし、色々な点でとてもご不便だと思います。
      漢方薬は体質にぴったり合った場合を除き、それほどの即効性はないですが、ゆっくりと体質改善ができるという点では優秀だと思います。
      でも海外ですとなかなか入手ができませんね。日本のご家族に買ってもらって送ってもらうというような手間をかけないといけないかもしれません。

      私は妊娠中で漢方薬を処方してもらうのに、皮膚科の医師にはすごく嫌がられたんですが、産婦人科の医師は全然嫌がらなかった、という経緯があります。
      その時の皮膚科医には「アメリカなんか、妊婦さんにはビタミン剤すら出さないんだからね」と言われた事があるのですが本当かどうかw
      逆に産婦人科医は、一般的な漢方薬を飲んで赤ちゃんがどうこうなるとは思えない、というスタンスでしたw

      妊娠と酒さ様皮膚炎でさらに海外にお住まいととても大変だと思いますが、私に分かることならいつでもお返事しますのでいつでも遊びにいらして下さい!Σ(σ`・ω・´)σ