免疫と酒さの関係。酒さの原因の一つである免疫異常を理解しとこう。

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免疫

酒さの原因として、免疫システムの異常が一つの要因であると考えられています。

酒さ患者さんには特有の状態にどういったものがあるかを調べていくと、ある種の免疫異常が挙げられるようです。

酒さ患者さんは菌を抑えるための抗菌ペプチドに異常が起きていて、免疫システムにも大きく関わっているんだとか。

また、酒さのもう一つの原因と考えられている腸内バランスは、免疫システムと深く関係しており、腸内の改善は免疫の改善に繋がります。

原因が分かる事によって酒さ治療に活かす事ができますし、酒さの症状に特有の赤ら顔の改善にも繋がるかもしれません。

また、酒さ様皮膚炎はステロイドによる副腎皮質ホルモンが取り上げられがちですが、ステロイドには免疫抑制作用もあり、長期連用によって免疫を抑制しすぎた結果でもあります。

そこで今回は酒さ患者にどういった免疫異常が起こっているのか、少し掘り下げて見ていきたいと思います。

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酒さと免疫異常

酒さ発症の原因や酒さ患者に見られる特徴には、免疫システムに異常を抱えている、というものがあります。

酒さを発症してしまう原因の一つとして、カテリシジンという抗菌ペプチドの異常発生が見られ、その抗菌ペプチドは身体の免疫システムに深く関わっています。

また、酒さ研究では第一人者だと思われるリチャード・ギャロ博士の研究によると、酒さでは自然免疫のToll様受容体(TLR2)が過剰に発現している、という事も分かっています。

つまり、酒さの免疫異常のポイントはToll様受容体という事になりそうです。

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Toll様受容体ってなんなのよ?

この免疫システムを調べているとちょくちょく出てくるのがToll様受容体。これ、一体何なんでしょうね。ちょっと難しいんですが、免疫に関わる重要な物質なので少しだけ掘り下げておきます。

詳細に解説してくれているのはやっぱりWikiだと思います。

思い切って酒さの免疫異常に関係の深そうなポイントに絞っちゃいます。

  • Toll様受容体はTLRと呼ばれる
  • 活性化されたTLRは獲得免疫、炎症を誘導する

活性化されたTLRは炎症を誘導する事から、炎症とも関係が深い事が分かります。

Toll様受容体と酒さの血管拡張

また、酒さの特徴とされるTLR(Toll様受容体)は、抗菌ペプチドのカセリサイジン、カリクレイン5などの産生亢進をもたらし酒さの血管拡張や炎症の原因になるという学説が出ているようです。

※カセリサイジンはカテリシジン、カセリサイディンなど様々な訳され方をしています。

Gallo先生は20年以上に亘って抗菌ペプチド(antimicrobial peptides(AMPs))の研究を続けてきて、酒さでは自然免疫のToll様受容体2が過剰に発現し、AMPの中のカセリサイジン、カリクレイン5などの産生亢進が酒さの血管拡張や炎症をもたらすという学説を打ち立てました。

引用:そが皮膚科 – 酒さ再び

この手の論文にはいつもそが先生のサイトにお世話になっています。本当にありがとうございます。また、日本の酒さ研究の第一人者である山﨑研志先生のお名前も良く出てきますね。

つまり、酒さ患者さんの免疫異常はToll様受容体(TLR)が過剰であることが関係しており、TLRは抗菌ペプチドのカセリサイジンを過剰分泌する。その結果として、酒さの血管拡張や炎症が起こっているのではないか、というような研究です。

Toll様受容体と免疫システム、カテリシジンの関係

Toll様受容体と免疫システム、カテリシジンにどんな関係があるかは、脱ステ医として有名な深谷元継先生がまとめておられます。

TLR(Toll様受容体)というのは、 (中略) 原始的・非特異的な免疫メカニズム(innate immunityと言います)の一環で、細菌表面のリポ多糖などをパターン認識して、生体に「警告」を発するレセプターです。Cathelicidin(カテリシジン)も同じくinnate immunityの担い手です。KLK-5は、カテリシジン前駆体のhCAP18を活性化する酵素で、活性化したカテリシジンはLL-37となって抗菌作用を発揮します。
このLL-37に、血管新生作用があります。

引用:なぜ、ステロイドは酒さ(様皮膚炎)を起こすのか?

Toll様受容体とは免疫システムの一環で、生体防御などの働きを持っていて、異物を感知すると身体に警告を発するよう。

カテリシジンという抗菌ペプチドも同様に免疫システムの一環で、カテリシジンが活性化するとLL-37という物質に変化して抗菌作用を発揮します。

酒さの場合はToll様受容体と抗菌ペプチドが異常発生していて、生体防御機能がうまく働いていないことが考えられますね。

本来排除すべきでない物質までも異物と思いこんで過剰に防御しようとし、さらに炎症を促進してしまいます。

また、このLL-37に血管新生作用があるという点が酒さや酒さ様皮膚炎の問題のようです。

酒さや酒さ様皮膚炎の本質は血管の新生

前述の深谷先生によると、酒さや酒さ様皮膚炎というのは血管が新生されるということが唯一の共通点だそう。

ニキビのようなブツブツや膿を伴う膿疱は出る人と出ない人がいる、とのこと。

酒さ(様皮膚炎)の本質(共通項)は血管の新生であり、丘疹や膿疱は、これらを随伴するタイプとそうでないタイプがある、ということです。

引用:なぜ、ステロイドは酒さ(様皮膚炎)を起こすのか?

酒さでもブツブツが多く出る人や赤みが多い人、皮脂が過剰に分泌するタイプや乾燥気味のタイプと多くの肌質があるのも納得できます。

また、レーザー治療などで一度血管を収縮させた酒さ患者さんが、時間の経過とともに再度顔の赤みが出てきてしまうのは、この血管の新生が起こっているからと考えられますね。

酒さの血管拡張へアプローチできるもの

酒さの血管拡張は様々な研究でも取り上げられています。

この血管拡張へアプローチできるものというとレーザー治療が挙げられますが、ものによっては保険がきかず高額になります。また、一度レーザーで血管を収縮させても再発することもあるらしく、かなり不安の多い治療法ということになります。

一方、海外の酒さ専用スキンケア商品などは、この血管拡張にアプローチするようなものもあります。

日本では酒さの認知度が低い事からこういった商品は見かけませんでしたが、最近になってやっと赤ら顔と毛細血管の仕組みに注目した商品が出てきました。

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免疫異常は全米酒さ協会も原因として指摘

いつもお世話になっている全米酒さ協会さんが酒さの原因としているページでも、免疫異常に丸々1ページあてられています。

どんな事が書かれているかというと

  • 免疫システムは感染に対して、生態の最初の防御反応である事。
  • さらに先天性免疫系が感染予防の役割を果たすためには複数の分子と免疫細胞が組織化されて行われる事。
  • にも関わらず、酒さ患者にこの防御機能が正しく働いていない事が最近の研究結果で分かった事。
  • 免疫システムによって引き起こされる一次反応の一つに皮膚炎があることから、免疫システムのいくつかの要素を調べた事

などが紹介され、さらに大きな分類としてカテリシジンやマスト細胞の他にその他の分子として3つが取り上げられています。

ヒルドイドで有名な製薬会社であるマルホさんの文献にも、免疫システムと酒さの関係が詳細に解説されています。

参考(PDF)マルホ皮膚科セミナー:酒さの発症メカニズムとその最新知見

カテリシジンと酒さ

カテリシジンはバクテリアの進入を最前線で防御する抗菌ペプチドの一種で、有害な細菌を排除し、複雑な免疫システムを活性化する。

と紹介されています。

また、ここでもリチャード・ギャロ博士とカリフォルニア大学のチームによる研究結果が言及されており、科学雑誌のネイチャーにも発表されたそうです。

それによるとカテリシジンが引き起こすのは以下のようなもので、酒さの特徴として挙げられる全ての要素が含まれます。

  • 炎症性のブツブツ
  • 紅潮
  • 毛細血管拡張

さらに酒さ患者にカテリシジンが豊富な事に言及し、カテリシジンとその関連物質が酒さのほてりを引き起こしていると述べ、関連物質には熱や紫外線、顔ダニが含まれているとの事です。

紫外線や、顔ダニであるニキビダニ(デモデクス)の話題が出ています。紫外線は酒さの症状を悪化させる代表の一つですし、顔ダニは酒さの原因の一つと言われています。

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マスト細胞と酒さ

最近の研究によって、神経系と血管系の間に位置するマスト細胞が酒さのトリガーと炎症の間の「ミッシングリンク」になると判断したようです。

アンナ・ディナーゴ博士とカリフォルニア大学のチームは、このマスト細胞がカテリシジンの活性化に直接影響を与えている事を突き止めました。

マウス実験によると、PACAPと呼ばれる神経ペプチドに暴露された時に、マスト細胞がカテリシジンの産生を誘発させる酵素を発生します。ところが、このマスト細胞を欠損させたマウスではこの反応が起こりませんでした。

ディナーゴ博士はマスト細胞安定化薬の投与で、このマスト細胞と関連する酵素が正常な値に戻るかどうか、資金提供を得て研究を行っています。

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免疫に関わるその他の分子

その他の様々な物質の研究も進められているようで、カーディン・コンラッド博士とMDアンダーソンがんセンターのチームによる研究結果も紹介されています。

それによると、インターフェロンというサイトカインの一種が酒さの発症に関与しているかもしれない、という事です。

加えて、フェドラ・ケビクバス博士とカリフォルニア大学チームの研究では、PACAPと呼ばれる神経ペプチドが炎症、及びカテリシジンに関与している可能性があるか研究しているようです。

アルバニー医科大学のエドワード・ウラディス博士によれば、特定のサイトカインの研究(免疫系を調整する分子)で、免疫システムと眼型酒さの関係性に言及されています。

こうして見ると、カテリシジンやマスト細胞以外の様々な研究も行われいるようですね。

まとめ

酒さの原因とされるものは色々とありますが、今回は免疫異常にスポットを当てて見てきました。

難しいことばかり書いてありますが、もう、無理やり一文にまとめちゃうと

酒さの治療には、免疫異常の改善が有効かもしれない!

という事ですw。研究さんたち、頑張ってください。英語のお名前の読み方おかしかったらごめんなさい。

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免疫異常にスポットを当てたアプローチも様々に行われており、免疫学の進歩ともに酒さの研究も進んでいるようです。

原因や酒さ患者に特有の免疫異常を解明することによって新薬が出てくるかもしれないですし、原因不明で治せないとまで言われる事もある酒さの原因特定にも至るかもしれません。

酒さという病気の原因は様々な要素が絡み合った結果であると思いますが、免疫異常がその一つだという事を知っておく事で、日々の生活に活かせる事もあります。

身体を暖めたり、乳酸菌やオリゴ糖による腸内環境の改善は免疫改善の基本でもありますが、そういった事を少しずつ、できる範囲で意識していく事のきっかけとなれば、と思います。

酒さ治療、前を向いていきましょう。

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