白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)の効果と効能。酒さでもほてりや痒みがひどく喉が渇きやすい人に向く漢方薬。

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酒さや酒さ様皮膚炎に処方される漢方も色々ありますが、そのうちの一つに白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)というものがあります。ツムラ34番の漢方薬ですね。「白虎湯」に人参を加えたものです。

白虎加人参湯には身体のほてりやかゆみを鎮める効果があり、体の熱を冷ますことからほてり気味の人に処方されます。

酒さにほてりはつきものですから酒さへの相性は良い他、脱ステロイドを行っている酒さ様皮膚炎治療中の方にも多く処方されています。

今回はそんな白虎加人参湯がどんな漢方か見ていきたいと思います。

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白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)とは

白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)は身体の熱を冷まし、痒みを鎮める漢方薬です。

熱によって水分が取られているような症状に向き、身体の熱を冷まし唾液を出させる作用があるため、喉の渇きとほてりがある人に処方されます。

体の灼熱感、発赤やカユミ、異常な口渇や多尿、また、そのような症状をともなう糖尿病にも用います。ほてり気味で、比較的体力のある人に向く処方です。

引用:おくすり110番 – 白虎加人参湯

白虎加人参湯に使われている生薬

白虎加人参湯に使われているのは以下の5種類の生薬。比較的シンプルな作りですね。

  • 石膏(セッコウ)
    天然の含水硫酸カルシウム。解毒作用、鎮痛作用、消炎作用。
  • 知母(チモ)
    ユリ科ハナスゲの根茎。鎮静作用、解熱作用、利尿作用。
  • 粳米(コウベイ)
    イネ科の種子。滋養強壮作用、清涼作用、健胃作用。喉の渇きに使われる。
  • 人参(ニンジン)
    人参の根。整腸作用。胃腸の働きを整える。
  • 甘草(カンゾウ)
    マメ科の甘草の根。鎮静作用、肝機能改善作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用。取りすぎると偽アルドステロン症などの副作用があります。

白虎加人参湯の効果、効能にある通り、身体の熱を取ったり炎症を鎮めたりする作用があります。

酒さでは顔の炎症やほてりといった酒さ症状そのものにも向くほか、胃腸の調子を整えてのどの渇きを癒すため、腸内バランスの悪さが酒さ症状を悪化させている場合や、顔に熱が取られて喉が乾きやすい場合に向きます。

但し、炎症や熱を取ることに注力した漢方ですので、冷え性の場合には向きません。冷えの症状が酒さ症状を悪化させている場合には、別の漢方を検討した方が良さそうです。

白虎加人参湯が向く人向かない人

熱を持ちやすい体力のある人向けの漢方薬(熱・実証)ですので、冷えの強い人(寒証)や身体の虚弱な方(虚証)には向きません。

虚弱体質や冷えの強い方に向かないことから、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)に似ています。黄連解毒湯も酒さに処方されますが、体力がありイライラしやすい人向けの漢方薬です。

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)の効果と効能。酒さの中でも体力があるイライラタイプの人に向きやすい漢方薬。
酒さで黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)という漢方薬を処方される事があります。ツムラで言うと15番の漢方薬。 黄連解毒湯には身体の熱を鎮めた...

白虎加人参湯が向く人

  • 比較的体力がある(日常生活が送れるレベル)
  • 暑がりで汗が出やすい
  • 喉が渇きやすい
  • 汗や尿が多い

白虎加人参湯が向かない人

  • 虚弱体質
  • 冷え性
  • 胃腸が弱い
  • 肝機能障害がある

白虎加人参湯が効く場合

酒さやアトピーなどの皮膚炎に

白虎加人参湯は痒みや熱に効くことから、酒さに限らずアトピーなどの皮膚炎にも処方されています。

また、のどの渇きを癒すなどの働きがありますので、熱を持ってかさついているタイプの皮膚炎に向きやすいです。その中でも、喉が渇きやすく、発汗量が多かったり尿の量が多かったりする場合にはさらに向いています。

熱中症の予防に

白虎加人参湯は喉の渇きを癒す作用がありますので、熱中症の予防として使えます。熱中症の予防として服用すると身体の熱が引き、渇きが抑えられます。

糖尿病ののどの渇きに

糖尿病では喉の渇きを覚え、冷たい飲み物を飲みたがる傾向にあります。白虎加人参湯は比較的初期の糖尿病によるのどの渇きに用いられることもあります。

また、白虎加人参湯を少しアレンジした漢方薬を糖尿病の改善に用いたという例もあるようで、のどの渇きを癒す作用が糖尿病に用いられる理由のようです。

白虎加人参湯の副作用

白虎加人参湯には「甘草(カンゾウ)」が入っています。この甘草を大量に摂取しすぎると偽アルドステロン症を発症することがあります。

甘草を含んだ方剤との飲み合わせには注意が必要です。

偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、だるさ、むくみ、高血圧。

また、漢方薬には副作用がないわけではなく、西洋薬に比べれば副作用が少ないだけで、体質に合わない場合は副作用のような症状が現れます。

体質に合わない場合、多くは胃のむかつきや頭痛、むくみや動悸のような症状が現れます。

副作用のような症状が現れた場合は無理して飲まず、主治医に相談して別の漢方に変えてもらった方がいいでしょう。

まとめ

漢方薬には様々な種類がありますし、酒さに処方される漢方だけでも何種類もあります。

本来であれば漢方薬局で問診や舌診などを受けて、体質に合わせたものを処方して頂くのが正しい漢方薬の利用方法ではあります。

とはいえ、西洋医学の医師も酒さや酒さ様皮膚炎に漢方薬を処方しますし、治療期間が長くかかる酒さ、酒さ様皮膚炎では漢方薬による体質改善は大いに期待できるところ。

ドラッグストアでも入手できますので、とりあえず試してみるにあたってどの漢方が良さそうか、そもそも漢方薬というものが自分に合うのかどうか、といった不安もあるかと思います。

漢方薬は体質に合えばかなりの効果を発揮しますし、実際ぴったりと体質に合った方には即効性も発揮します。

白虎加人参湯はほてりやかゆみ、のどの渇きに特化した漢方薬ですのでそういった特徴をお持ちの方は検討してみてもいいかと思います。

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白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)の効果と効能。酒さでもほてりや痒みがひどく喉が渇きやすい人に向く漢方薬。
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コメント

  1. アバター いちご より:

    ろーざサン☆こんばんは。
    先週から新しい先生になり漢方薬を処方してもらってますが、まさしくこの漢方薬です。
    ろーざサンは違う漢方薬だったから、私の漢方薬は大丈夫?なんて不安だったけど…
    ろーざサンの読んで、ちょっとホッとしました(笑)
    私は痒みがひどくて…
    触らないようにはしてるけど、痒みがあると自然と手が顔にいき…
    昨日から大炎症!
    目も腫れ真っ赤な状態になり…ほんと自己嫌悪だけど、痒みが治まらないのが難点。
    私の場合、一歩進んで五歩下がる状態(笑)

    またメールしまぁす(*^^*)

    • ろーざ ろーざ より:

      いちごさん、こんばんは!

      白虎加人参湯は結構多くの方が処方されているようで、何度も名前を聞いたんで調べてみたら酒さや酒さ様皮膚炎に良さげな漢方薬でした。
      いちごさんは今かゆみがあるということですから、その辺りを緩和するために処方して下さったのかもしれませんね。

      今は脱ステの真っ最中だと思いますので、どうしても痒いんですよね><
      私も痒くて痒くて、夜もあんまり寝れなかったですし、ふと気が付くと布団とかでがりがり掻いてて自己嫌悪o(TヘTo)
      かゆいとどうしても手がいっちゃいますよねw

      掻かないように、または掻いてもダメージが少なくなるように色々試したんですが、マスクをして寝れば今度は蒸れが気になるし、布団を変えても結局は掻いちゃうし・・・って感じでした。
      冷やすと少し楽になるんですけど、結局一時的なものなんですよね。
      寝ている時の掻き壊し対策をまとめたページも作ってありますので良かったら読んでみてください。
      そのページにある手袋は結構人気ですw
      寝る時に顔を掻いてしまうのはどうしたらいい?辛い顔の引っ掻き対策

      掻いてしまってもいつまでも脱ステの炎症が治まらないということもなく、最終的にはきちんと治っていくはずですので、あまり自己嫌悪に陥らないで下さいね。
      5歩下がっても、きっと6歩進む時がやってきます。
      そして、改善する時って、それまで何やってもダメだと思っていたのに、何故か一気に良くなったりします。
      どうしても波があるのでなかなか改善していないように感じてしまいますが、長期的に見て良くなっていれば大丈夫です。

      応援することしかできませんが、不安になったり焦ったり、分からないことがあったらいつでも遊びに来てくださいΣ(σ`・ω・´)σ